5部
夢小説設定
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※死ネタ、残酷表現あり
パッショーネの入団試験を受けて、合格した。晴れてギャング、スタンド使いになった夢主はチームに所属する事となった。夢主のスタンドは体内に存在しており、人の熱を奪い、死に至らしめるという物だった。隠密行動に長けており殺傷力も高いスタンドと言うことで、暗殺チームに配属された。教えられたアジトの場所へと向かう。
夢主が日の当たらない裏路地に入ると、壁に落書きがされており暗く湿度があり、清潔感は感じられなかった。こんな場所にアジトがあるんだな、と冷静に思った。アジトの扉をノックする。しばらくして扉が開き、背の高い男が出てきた。黒を基調とした服に身を包んでいる男は無言で立っていたので、夢主が自己紹介をする。
「初めまして、ポルポから話しは聞いていますか? 夢主です」
「あぁ、聞いている。入れ」
中へと入ると男が8人ソファで寛いでいた。
「そいつが、新入り? 女かよ…」
その言葉に反応せずに「初めまして。夢主です」とだけ冷たく言い放った。
「イルーゾォ、面倒を見てやれ」
「なんで俺が?」
「…」
「わかったよ。夢主とか言ったな、面倒をかけるんじゃあねーぞ」
「わかりました」
それから直ぐに夢主は任務に就いた。イルーゾォと組んで組織の邪魔になる政治家を始末するため現場へと向かった。イルーゾォとの間には最低限の会話しかなかったが、夢主はそれの方が楽だと思っていた。
「邪魔はするなよ」
「わかりました」
「可愛くねーな…お前」
「可愛さなんて必要ですか?」
「…」
2人はネアポリスのアベルサにあるリストランテの前で様子を伺っていた。作戦はイルーゾォが鏡の中へとターゲットを引きずり込むという簡単なものだった。夢主の出番は無かったが、これも勉強だと考えてイルーゾォの暗殺を見学する事にする。
「もうすぐ来るはずだ」
「はい」
ターゲットの政治家は黒塗りのセダンに乗り、リストランテの前に停まった。夢主は出来る限り存在感を消して立っていた。ふと、横を見るとイルーゾォが居なかった。もう鏡の中へと入ったのだろう。
政治家はリストランテの中へと入っていく。それから30分立つ頃にイルーゾォが戻って来て「始末した」とだけ言ったので2人はアジトへと戻った。
「イルーゾォ、子守りはどうだった?」
ホルマジオの問いかけにイルーゾォは「うるせーよ」とだけ返した。夢主は何をするでもなく、一人掛けのソファへと座っている。
「夢主、なんでギャングなんかになったんだ?」
「ホルマジオさんは何でギャングになったんですか?」
「質問を質問で返すんじゃあねぇーよ」
「ギャングになる人間なんてロクな奴はいませんよ。私もその一人です」
「お前…おもしれぇーなぁ」
ホルマジオは笑っていたが、夢主には何故笑っているのか理解は出来なかった。
夢主は幼い頃に両親を目の前で殺されている。それから人前で感情を出すのが苦手になり、それと同時に人の感情を理解するのも苦手になった。学生時代はそれが原因で苛められもしたが、夢主には理解が出来なかった。ある日、同級生の一人を鋏で何回も刺して夢主は少年院送りになる。それから少年院を出てホームレスになり、盗みや強盗をして食い繋いで生きてきた。ギャングと言う存在を知ったのもその頃で、一般人はギャングと言うだけで寄り付かない、それは人と関わるのが苦手な夢主にとって憧れでもあったし、理想的だった。だからパッショーネの入団試験を受けたのだ。
「私は人と関わるのが苦手です」
イルーゾォと組んで半年経った頃に夢主は初めて本音を話した。イルーゾォは少し驚いたが「見たら分かる」と笑って言った。夢主はそんな彼に少しずつ惹かれていった。
「次の任務は敵対しているギャングの幹部の暗殺だ」
「わかりました」
その日もイルーゾォと組んで任務に向かった。ホテルの一室で幹部は警戒もせずに女と楽しんでいた。それを見た夢主は「なぜあんな事をするんですか?」とイルーゾォに聞いたが、真っ赤な顔をしたイルーゾォに「うるさい」と怒られてしまい、夢主は少しショックを受ける。
「俺が行ってくるから、お前はここで見張りをしていろ」
「わかりました」
イルーゾォは鏡の中へと入りホテルのベッドルームに備え付けられた鏡に移動する。
ターゲットを鏡の中に引きずり込むと、一緒に居た女は唖然と鏡を見た後に叫んで部屋から出ていった。
「お前はここで死ぬんだ」
「ここはどこだ? や、やめてくれ、金ならあるいくらでもある!!」
幹部の男は情けなく、尻餅をつき命乞いをする。だがイルーゾォは容赦なく殺害した。
その頃、夢主は見張りをしながらイルーゾォが帰ってくるのを待っていた。ふと、夢主は気配を感じて後ろを振り向く。一匹の猫がこちらを見ていた。猫か、と思い安心して夢主ホテルの方へと視線を戻した。
ドスッ
身体に衝撃が走る。
夢主は下を向くと腹の辺りから腕が出ていた。少し遅れて血が吹きだし、痛みが襲ってくる。後ろを見ると人の形をしたスタンドが見えた。スタンドは腕を容赦なく引き抜く。
「あぁ…痛いな…」
夢主のスタンド能力は本体の居場所が分からないと攻撃は出来ない。
油断した、それだけだった。
夢主は頭から仰向けに倒れ、両目から光が消えていく。
最後に目の前が真っ暗になった所に、イルーゾォが浮かんできた。
「おい夢主、終わったぞー。夢主? おいっ!!」
イルーゾォは夢主を抱える。抱えた瞬間、死んでいるのが理解できた。こんな仕事をしていれば仕方がない、と思う自分が許せない。
「お前は…夢主は死ぬのが早すぎる」
「起きろよ…夢主…なぁ?」
イルーゾォの涙は夢主の目には映らなかった。
パッショーネの入団試験を受けて、合格した。晴れてギャング、スタンド使いになった夢主はチームに所属する事となった。夢主のスタンドは体内に存在しており、人の熱を奪い、死に至らしめるという物だった。隠密行動に長けており殺傷力も高いスタンドと言うことで、暗殺チームに配属された。教えられたアジトの場所へと向かう。
夢主が日の当たらない裏路地に入ると、壁に落書きがされており暗く湿度があり、清潔感は感じられなかった。こんな場所にアジトがあるんだな、と冷静に思った。アジトの扉をノックする。しばらくして扉が開き、背の高い男が出てきた。黒を基調とした服に身を包んでいる男は無言で立っていたので、夢主が自己紹介をする。
「初めまして、ポルポから話しは聞いていますか? 夢主です」
「あぁ、聞いている。入れ」
中へと入ると男が8人ソファで寛いでいた。
「そいつが、新入り? 女かよ…」
その言葉に反応せずに「初めまして。夢主です」とだけ冷たく言い放った。
「イルーゾォ、面倒を見てやれ」
「なんで俺が?」
「…」
「わかったよ。夢主とか言ったな、面倒をかけるんじゃあねーぞ」
「わかりました」
それから直ぐに夢主は任務に就いた。イルーゾォと組んで組織の邪魔になる政治家を始末するため現場へと向かった。イルーゾォとの間には最低限の会話しかなかったが、夢主はそれの方が楽だと思っていた。
「邪魔はするなよ」
「わかりました」
「可愛くねーな…お前」
「可愛さなんて必要ですか?」
「…」
2人はネアポリスのアベルサにあるリストランテの前で様子を伺っていた。作戦はイルーゾォが鏡の中へとターゲットを引きずり込むという簡単なものだった。夢主の出番は無かったが、これも勉強だと考えてイルーゾォの暗殺を見学する事にする。
「もうすぐ来るはずだ」
「はい」
ターゲットの政治家は黒塗りのセダンに乗り、リストランテの前に停まった。夢主は出来る限り存在感を消して立っていた。ふと、横を見るとイルーゾォが居なかった。もう鏡の中へと入ったのだろう。
政治家はリストランテの中へと入っていく。それから30分立つ頃にイルーゾォが戻って来て「始末した」とだけ言ったので2人はアジトへと戻った。
「イルーゾォ、子守りはどうだった?」
ホルマジオの問いかけにイルーゾォは「うるせーよ」とだけ返した。夢主は何をするでもなく、一人掛けのソファへと座っている。
「夢主、なんでギャングなんかになったんだ?」
「ホルマジオさんは何でギャングになったんですか?」
「質問を質問で返すんじゃあねぇーよ」
「ギャングになる人間なんてロクな奴はいませんよ。私もその一人です」
「お前…おもしれぇーなぁ」
ホルマジオは笑っていたが、夢主には何故笑っているのか理解は出来なかった。
夢主は幼い頃に両親を目の前で殺されている。それから人前で感情を出すのが苦手になり、それと同時に人の感情を理解するのも苦手になった。学生時代はそれが原因で苛められもしたが、夢主には理解が出来なかった。ある日、同級生の一人を鋏で何回も刺して夢主は少年院送りになる。それから少年院を出てホームレスになり、盗みや強盗をして食い繋いで生きてきた。ギャングと言う存在を知ったのもその頃で、一般人はギャングと言うだけで寄り付かない、それは人と関わるのが苦手な夢主にとって憧れでもあったし、理想的だった。だからパッショーネの入団試験を受けたのだ。
「私は人と関わるのが苦手です」
イルーゾォと組んで半年経った頃に夢主は初めて本音を話した。イルーゾォは少し驚いたが「見たら分かる」と笑って言った。夢主はそんな彼に少しずつ惹かれていった。
「次の任務は敵対しているギャングの幹部の暗殺だ」
「わかりました」
その日もイルーゾォと組んで任務に向かった。ホテルの一室で幹部は警戒もせずに女と楽しんでいた。それを見た夢主は「なぜあんな事をするんですか?」とイルーゾォに聞いたが、真っ赤な顔をしたイルーゾォに「うるさい」と怒られてしまい、夢主は少しショックを受ける。
「俺が行ってくるから、お前はここで見張りをしていろ」
「わかりました」
イルーゾォは鏡の中へと入りホテルのベッドルームに備え付けられた鏡に移動する。
ターゲットを鏡の中に引きずり込むと、一緒に居た女は唖然と鏡を見た後に叫んで部屋から出ていった。
「お前はここで死ぬんだ」
「ここはどこだ? や、やめてくれ、金ならあるいくらでもある!!」
幹部の男は情けなく、尻餅をつき命乞いをする。だがイルーゾォは容赦なく殺害した。
その頃、夢主は見張りをしながらイルーゾォが帰ってくるのを待っていた。ふと、夢主は気配を感じて後ろを振り向く。一匹の猫がこちらを見ていた。猫か、と思い安心して夢主ホテルの方へと視線を戻した。
ドスッ
身体に衝撃が走る。
夢主は下を向くと腹の辺りから腕が出ていた。少し遅れて血が吹きだし、痛みが襲ってくる。後ろを見ると人の形をしたスタンドが見えた。スタンドは腕を容赦なく引き抜く。
「あぁ…痛いな…」
夢主のスタンド能力は本体の居場所が分からないと攻撃は出来ない。
油断した、それだけだった。
夢主は頭から仰向けに倒れ、両目から光が消えていく。
最後に目の前が真っ暗になった所に、イルーゾォが浮かんできた。
「おい夢主、終わったぞー。夢主? おいっ!!」
イルーゾォは夢主を抱える。抱えた瞬間、死んでいるのが理解できた。こんな仕事をしていれば仕方がない、と思う自分が許せない。
「お前は…夢主は死ぬのが早すぎる」
「起きろよ…夢主…なぁ?」
イルーゾォの涙は夢主の目には映らなかった。