悠久の時を生きる
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※暗い
ーーーー1942年11月、
夢主はシュトロハイムがいるスターリングラードに来ていた。
シュトロハイムには世話になった事もあり改めてお礼を伝えるため、夢主は戦闘の真っ只中の街にやってきたのだ。街は煙と火に包まれており異様な雰囲気に包まれていた。
ドイツ軍が占領している建物へと夢主は静かに侵入する。見張りを潜り抜けてシュトロハイムを探した。
「貴様ッ! 何者だッ」
バレてしまった。
「敵じゃあないよ、私は夢主。シュトロハイムに用があってここへ来た」
そう言うとコソコソと2人の軍人は話しをした後に1人が何処かへ行ってしまった。しばらくすると戻ってきて「案内をする」と言って夢主を連れて薄暗い部屋へと入った。部屋に入るとシュトロハイムがいたが何やら忙しそうにしていたので大人しく夢主は待っていた。
「久しぶりたなぁ夢主」
「久しぶりだね。今日はお礼を伝えるために来ただけ」
「感謝をされる覚えは無いが、な…」
「迷惑もかけたし世話になったから、ね」
シュトロハイムは朽ちているソファに座りながら暖炉を黙って見ていた。
「…」
「…戦況は厳しいの?」
「…あぁ」
「邪魔な時に来たのは理解していたけど、私に出来る事があれば言ってね」
「我々は補給路を断たれつつある…」
「じゃあ補給路の確保をすれば良い?」
「お前は女の上に軍人では無いからな、危険な事には関わるな」
「…ハハッ」
夢主は真面目に言う彼に吹き出してしまった。
「何がおかしいッ」
「だって…私は吸血鬼だよ? そんな私を軍人では無いから、女だからと言って守ろうとするなんて貴方は変わってる」
「…」
「補給路の確保をさせて。貴方が困っているのなら私はそれを助ける、今日この場所に来たのもそれが目的でもあるからね」
「…ここにある地図を見ろ」
目の前にある地図をシュトロハイムは指で指して説明をしてくれた。
「ここが難関だ。最も敵兵が守りを固めている」
「分かった。その場所を開ければ良いのね」
「簡単じゃあないぞ」
「…私は吸血鬼、普通の人間よりも力はあると思ってる。夜になったらその場所にいる敵兵を蹴散らしてくるから」
素人の夢主が見てもドイツ軍がスターリングラードで窮地に追い込まれようとしているのは理解できた。
夜の闇に紛れ込み夢主は1人で地図の場所を目指した。後ろにはドイツ軍が待機をしている。
『ザ・ヴァーミリオン』
朱色の花が咲き誇り、毒霧を撒いた。
「ん、なんだ? これは…」
「霧か?」
「ただの霧だろう」
敵の兵士達は気にしていなかった。
夢主はそのまま『デッド・メモリーズ』を発動させて兵士達を凪払った。しばらくは起きないだろう。隠密に能力を使い続け、それを繰り返して進む。
「おい、何か変だぞ!!」
気づかれた。
仕方がないので『デッド・メモリーズ』を使い強行突破する。多くの車両や人間を凪払って通り道を作っていく。
1時間経つ頃には綺麗な道が出来ていた。後ろに控えていたドイツ軍人に後は任せて夢主はシュトロハイムの元へと戻って報告をする。
「粗方は片付けたけど、早く物資を運ばなきゃ敵は目覚めて戻ってくるよ」
「あぁ先程、通信機で補給路の確保が出来たと報告をした。しばらくすれば物資が届き始めるだろう」
「少しは役に立てたね」
「夢主…ここにいては危険だ。これから冬もやってくる、戦況は激化するだろう。お前は帰るんだ」
「シュトロハイム…そうだね、そうするよ」
「今回の事は感謝する」
「じゃあねシュトロハイム」
「なっ、何を!?」
夢主はシュトロハイムの頬にキスをしてこの場を去った。
それから1年も経たない内にシュトロハイムが戦死したと夢主は報告を受けた。
「誇り高いドイツ軍人として戦って死んだんだろうな…シュトロハイムは…」
夢主は涙を流さなかった。
ーーーー1942年11月、
夢主はシュトロハイムがいるスターリングラードに来ていた。
シュトロハイムには世話になった事もあり改めてお礼を伝えるため、夢主は戦闘の真っ只中の街にやってきたのだ。街は煙と火に包まれており異様な雰囲気に包まれていた。
ドイツ軍が占領している建物へと夢主は静かに侵入する。見張りを潜り抜けてシュトロハイムを探した。
「貴様ッ! 何者だッ」
バレてしまった。
「敵じゃあないよ、私は夢主。シュトロハイムに用があってここへ来た」
そう言うとコソコソと2人の軍人は話しをした後に1人が何処かへ行ってしまった。しばらくすると戻ってきて「案内をする」と言って夢主を連れて薄暗い部屋へと入った。部屋に入るとシュトロハイムがいたが何やら忙しそうにしていたので大人しく夢主は待っていた。
「久しぶりたなぁ夢主」
「久しぶりだね。今日はお礼を伝えるために来ただけ」
「感謝をされる覚えは無いが、な…」
「迷惑もかけたし世話になったから、ね」
シュトロハイムは朽ちているソファに座りながら暖炉を黙って見ていた。
「…」
「…戦況は厳しいの?」
「…あぁ」
「邪魔な時に来たのは理解していたけど、私に出来る事があれば言ってね」
「我々は補給路を断たれつつある…」
「じゃあ補給路の確保をすれば良い?」
「お前は女の上に軍人では無いからな、危険な事には関わるな」
「…ハハッ」
夢主は真面目に言う彼に吹き出してしまった。
「何がおかしいッ」
「だって…私は吸血鬼だよ? そんな私を軍人では無いから、女だからと言って守ろうとするなんて貴方は変わってる」
「…」
「補給路の確保をさせて。貴方が困っているのなら私はそれを助ける、今日この場所に来たのもそれが目的でもあるからね」
「…ここにある地図を見ろ」
目の前にある地図をシュトロハイムは指で指して説明をしてくれた。
「ここが難関だ。最も敵兵が守りを固めている」
「分かった。その場所を開ければ良いのね」
「簡単じゃあないぞ」
「…私は吸血鬼、普通の人間よりも力はあると思ってる。夜になったらその場所にいる敵兵を蹴散らしてくるから」
素人の夢主が見てもドイツ軍がスターリングラードで窮地に追い込まれようとしているのは理解できた。
夜の闇に紛れ込み夢主は1人で地図の場所を目指した。後ろにはドイツ軍が待機をしている。
『ザ・ヴァーミリオン』
朱色の花が咲き誇り、毒霧を撒いた。
「ん、なんだ? これは…」
「霧か?」
「ただの霧だろう」
敵の兵士達は気にしていなかった。
夢主はそのまま『デッド・メモリーズ』を発動させて兵士達を凪払った。しばらくは起きないだろう。隠密に能力を使い続け、それを繰り返して進む。
「おい、何か変だぞ!!」
気づかれた。
仕方がないので『デッド・メモリーズ』を使い強行突破する。多くの車両や人間を凪払って通り道を作っていく。
1時間経つ頃には綺麗な道が出来ていた。後ろに控えていたドイツ軍人に後は任せて夢主はシュトロハイムの元へと戻って報告をする。
「粗方は片付けたけど、早く物資を運ばなきゃ敵は目覚めて戻ってくるよ」
「あぁ先程、通信機で補給路の確保が出来たと報告をした。しばらくすれば物資が届き始めるだろう」
「少しは役に立てたね」
「夢主…ここにいては危険だ。これから冬もやってくる、戦況は激化するだろう。お前は帰るんだ」
「シュトロハイム…そうだね、そうするよ」
「今回の事は感謝する」
「じゃあねシュトロハイム」
「なっ、何を!?」
夢主はシュトロハイムの頬にキスをしてこの場を去った。
それから1年も経たない内にシュトロハイムが戦死したと夢主は報告を受けた。
「誇り高いドイツ軍人として戦って死んだんだろうな…シュトロハイムは…」
夢主は涙を流さなかった。