悠久の時を生きる
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
人々はカーズ達を崇め讃えるために神殿を建てた。
森を切り開いた場所にはトウモロコシ畑や石造りの家が点在していた。そこを抜けると一際大きなピラミッド型の神殿が見えてくる。人々は石仮面を使い神殿で儀式を行っていた。それは若い男達が闘技場で戦い、生き残った勝者は食糧となるために神殿で石仮面を被るという物だ。
この儀式が出来上がったのは偶然だった。人々はカーズが持っている石仮面の不思議な力を見た、角を持つ姿を見た。そしてカーズの姿に“神”を見出だしたのだ。
「人間の考えることは分からんな」
「私は元々人間だったから神様とかは理解できるよ」
「ふ~ん」
エシディシは興味無さげに欠伸をした。自分から話を振っておいて勝手なやつだな、と夢主は思った。
勝手なエシディシを放っておいて夢主はワムウとサンタナの元へと向かう。ワムウとサンタナは成長期なのかあっという間に夢主の背の丈を抜き、声も低くなっていた。
夢主が闘技場へと行くと2人は組み手の真っ最中だった。ワムウとサンタナの表情は真剣そのものだ。やがてサンタナはワムウに蹴り飛ばされて決着が着いた。
「ワムウ、サンタナ少し休憩したら?」
「夢主様…もう少し練習をしようと思ったのですが」
「休憩も練習の内だよ、ワムウ」
飛ばされたサンタナも来て3人は座ってゆっくりと過ごす。つい最近まで赤ん坊だった2人を見ていると月日の流れるスピードが恐ろしいなと夢主は感じる。ふと2人の頭を撫でてみたくなったので行動に移した。
「「なっ…」」
2人は顔を真っ赤にして固まってしまう。「2人とも可愛いね~」と何度も撫でていると2人に腕を封じられてしまった。
「ごめんね。可愛くてつい…」
「夢主様、俺達はもう子供ではありません」
「そうだぞ…」
「2人とも見た目は大きくなったけど私にはまだ子供に見えるんだよ?」
と、言うとワムウとサンタナは悔しそうな顔をした。
「2人とも私と戦ってみる?」
「いいのですか?」
「2人同時に攻撃してきても良いよ」
夢主は闘技場の真ん中へと足を進めるとスタンド能力を発動させた。慌てて2人は構える、先に攻撃をしたのは夢主だった。
「デッド・メモリーズ!!」
人間だった頃よりも大きな植物の根を操り2人を拘束した。だがワムウは素早く手刀で根を切り裂き抜け出して夢主に向かってきた。夢主はワムウのパンチを避けてから根を払い風圧でワムウを地面に叩きつけた。サンタナはその隙を見て夢主に蹴りを食らわせようとするがサンタナの足に根を絡ませ壁に叩きつける。2人は少しの間、動かなかったがサンタナが先に起き上がる。
「ザ・ヴァーミリオン」
植物の茎から朱色の花を咲かせて2人に霧を吸わせる。サンタナは膝をついて倒れてしまった。
「2人とももう終わりなの?」
その言葉に反応したのはワムウだった。
地面を蹴り上げて飛び両腕を前に出して回転させる。
「神砂嵐ッ!!」
夢主を風の渦が襲う。
だが、夢主はワムウの攻撃をよく理解して知っていたので食らわずに逆に“デッド・メモリーズ”でワムウの下から攻撃を当てる。ワムウは避けきれずに宙へと舞い上がった後に後頭部から地面に落下した。
シーンと静まり返る闘技場。
「まだまだ子供だね」
気を失っている2人に回復能力である“リベルテ”を使った。植物の弦が身体を包み回復成分を弦に細かく空いた穴から散布する能力である。時間はかかるが回復の手助けぐらいにはなるだろう。