悠久の時を生きる
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ワムウとサンタナが走り回っているのを夢主は頬杖をつきながら子供の成長とは早いものだな、と考えながら見ていた。2人は木の枝を手持ち振り回している。子供の頃の“楽しい”という気持ちは大人になると良く分からない。だが表情を見ていると本当に楽しそうで、見ているこっちまで笑顔になる。
遊んだ後にはエシディシと夢主とで2人に戦いの方法を教える。たまにカーズも参加するが稀なことだった。
「2人ともそろそろ戦いの練習するよ~」
「「はい!」」
2人は木の枝を放り投げてこちらへと向かってきた。エシディシは夢主の後ろで準備運動をしている。
戦いの基礎から教えているので2人に教える事は夢主にとっても勉強になっていた。
「さぁて今日もやるか~」
「エシディシ手加減してあげてね」
「生ぬるい事を言うな」
エシディシは教えることに対して厳しい面がある。戦いのこともそうだが遊びに関しても厳しいので、いつも夢主はクッション材になっていた。エシディシは真面目で厳しく、夢主はゆるく優しいので良いバランスを取れていると思う。
「エシディシ様、今日は何から始めますか?」
ワムウがキラキラとした目で言う。
「今日は組み手から始めるぞ。ワムウは俺と、サンタナは夢主とだ」
「「わかりました!」」
組み手を初めてから数年、夢主は気づいた事があった。最初は二人とも戦うことに関しては言われるがまま練習をしていただけだったが、最近になりワムウは戦う事に対して楽しそうにしているのだが、サンタナは遊んでいる時の方が楽しそうなのだ。成長するにつれて二人は違う個性が出てきたのだろう。そんな成長を夢主は感じ取っていた。
ワムウの蹴りがエシディシへと向けられる。だがエシディシは簡単に避けてからワムウの頭を掴み地面へと叩きつけた。
「…うぐッ」
「遅い! 遅いぞワムウ!」
夢主とサンタナはそれに見とれていたが慌てて構える。
「サンタナ本気で攻撃してね」
「はい!」
サンタナは飛び上がり夢主に向けて蹴りを繰り出した。夢主はそれを避けると後ろに回り込み回し蹴りをする。サンタナは衝撃を受けて横方向へと飛んでいく。木にぶつかったサンタナは一瞬、息が止まった。
戦いの練習は夜が薄白く明るくなるまで続いた。
洞窟へと戻ったワムウとサンタナは疲れて眠ってしまい、夢主は2人に優しく毛皮を掛ける。
「2人とも可愛いね~、ずっと子供のままでいてほしい」
「夢主生物は成長するものだぞ」
「それは分かってるんだけどね…可愛い存在には可愛いままでいてほしいと思うのが人間だよ…」
「いや、お前吸血鬼だろう…」
「うるさい~ッ」
夢主はエシディシにパンチを食らわせ、それからワムウとサンタナの横で眠ることにした。2人の寝顔を見ていると眠気が襲ってきたので目を閉じたのだった。