悠久の時を生きる
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※残酷表現あり
夢主が未来から来て1ヶ月が経った。こちらの暮らしは夢主にとっては不便な事ばかりだったが次第に慣れていった。お風呂は無いので川で水浴びをする、食事はトウモロコシのパンや果物を食べる、布団は動物の毛皮、服は硬い布で出来たワンピースを着て過ごしていた。トイレ事情は話したくない…。
夢主は赤ん坊のサンタナとワムウの世話をしている事が多かった。今日もエシディシと話をしながら2人をあやしている。
「エシディシやカーズは太陽に当たれないってこと? じゃあサンタナもワムウも?」
「ああ、そうだ。俺達は夜にしか行動は出来ない」
「そっかぁ、大変だね」
「驚かないんだな」
「こちらに来てから驚く事ばっかりだったから、貴方達が何者でも受け入れる」
夢主の言葉を聞いたエシディシは真顔になった後に突然大笑いを始めた。何がそんなに面白かったのか夢主には分からなかったがエシディシが楽しいのならそれで良い。
「帰りたいとは思わないのか?」
「帰る方法かぁ…私は天才じゃあないからね、考えても思い付かない」
「そうか」
サンタナとワムウは機嫌が良いのか声を出したり、たまに笑ったりしている。もうそろそろ2人が眠る時間だ。毛皮の上に2人を寝かせて夢主は子守唄を歌う。自分が母親にしてもらった様にサンタナとワムウを寝かしつける。エシディシはその光景を黙って見ていた。
「エシディシは何を食べてるの?」
「それを聞くのか」
気になっていた事を聞く。カーズとエシディシは夢主が食べている物を口にしていなかったし、食べている気配も無いので心配だったから夢主は聞いたのだ。
「人間、と言ったらどうする?」
「人間か…私も食べるの?」
「お前を食べても殆ど栄養にならないだろう」
「え、なんか酷いこと言われてる気がする…」
夢主はエシディシ達が人間を食べていようが驚かなかった。心が麻痺をしていたのか、人間の環境への適応能力が働いていたのか、もともと夢主の性格がそうなのかは分からないが夢主は驚かないし、何も思わなかった。
「カーズってずっと何かしてるけど、ちゃんと眠ってるのかな?」
「俺達は眠らない。そいつら2人は赤ん坊だから眠るが、な」
「羨ましいな~眠らなきゃ人間なら死んじゃう」
「ふんっ貧弱な生き物だな」
「エシディシはたまに酷い事を言うよね」
エシディシは立ち上がると夢主を脇に抱えた。嫌な予感がする…。そのまま洞窟を出て、そして飛び降りた。
「うぎゃぁっ」
夢主は飛び降りる浮遊感には慣れていないので醜く声を上げた。エシディシは木へと着地すると次々と飛び移っていく。
「く、苦ちいッ」
「舌を噛むぞー」
そろそろ夢主に嘔吐感が襲ってきた頃にエシディシの足は止まった。脇から下ろされる。
「…ここは?」
木の上にいる事が分かった。目の前には湖が広がっていた。月が反射してキラキラとしている。夢主が見たこともない美しい光景だった。
「これを見せに来てくれたの?」
「ん? 嫌だったか?」
「すごく綺麗だね。ありがとう」
風は湿度が含まれているが、涼しい。ワンピースの裾がひらひらとなびいている。夢主は木の上に座り素晴らしい光景に見とれていた。
充分に景色を堪能した後にエシディシと洞窟に帰るとカーズがいた。
「何処に行っていたんだ?」
「夢主に景色を見せてやろうと思ってな」
「エシディシ、お前も変わった事をするな」
「別にいいだろう」
「まぁ良い」
それからカーズとエシディシは何処かへ行ってしまった。話す相手もいなくなったので夢主は眠っている赤ん坊の様子を見ていた。何かする事があれば良いが何をすれば良いのか分からない。要するに暇だった。
コツッ
洞窟の入り口の方から何か音がした。
「?」
カーズとエシディシが帰ってきたのだろうか。夢主は様子を見に行く事にした。洞窟の入り口に着くと何もないので戻ろうとした瞬間、後頭部を殴られた。そのまま前倒しになり意識が薄れていく。何か分からない言葉で会話をしている声が聞こえるが夢主は目を閉じた。
直後、赤ん坊の泣き声がした。
夢主は気合いで目を開け起き上がり赤ん坊の元へと向かう。ふらふらと足元がおぼつかないが必死に歩いた。赤ん坊がいる場所に着くと男達が赤ん坊に槍の様なものを振りかざしている所だった。夢主はその瞬間、我を失う。
「デッド・メモリーズ!!」
泣いている2人を腕に抱いて能力を発動させて男達を蹂躙する。叫ぼうが、立ち向かってこようが、命乞いをしようが、夢主には関係がない。とにかくサンタナとワムウを守りたかったのだ。あっという間に洞窟内は静かになった。
夢主は洞窟から出ると座り込んだ。2人を守れて安心したのか、それとも自分の行いに後悔したのか、涙が溢れる。どれだけ泣いていたのだろう、目が痛くて仕方がない。
「何があった?」
カーズの声がした。
「2人が殺されそうになって…殺しちゃった…」
カーズとエシディシが洞窟の中を見ると、人間が転がっていた。胴が離れている者から、苦痛の表情を浮かべている者、数十人の死体があった。
「夢主がやったのか」
「そうだな。人間達は我々の不在を狙ったのだろう」
「もうここも駄目か…他へ移ろう」
「あぁ」
眠ってしまった夢主をエシディシが抱える。サンタナとワムウをカーズが抱えて旅に出た。
夢主が未来から来て1ヶ月が経った。こちらの暮らしは夢主にとっては不便な事ばかりだったが次第に慣れていった。お風呂は無いので川で水浴びをする、食事はトウモロコシのパンや果物を食べる、布団は動物の毛皮、服は硬い布で出来たワンピースを着て過ごしていた。トイレ事情は話したくない…。
夢主は赤ん坊のサンタナとワムウの世話をしている事が多かった。今日もエシディシと話をしながら2人をあやしている。
「エシディシやカーズは太陽に当たれないってこと? じゃあサンタナもワムウも?」
「ああ、そうだ。俺達は夜にしか行動は出来ない」
「そっかぁ、大変だね」
「驚かないんだな」
「こちらに来てから驚く事ばっかりだったから、貴方達が何者でも受け入れる」
夢主の言葉を聞いたエシディシは真顔になった後に突然大笑いを始めた。何がそんなに面白かったのか夢主には分からなかったがエシディシが楽しいのならそれで良い。
「帰りたいとは思わないのか?」
「帰る方法かぁ…私は天才じゃあないからね、考えても思い付かない」
「そうか」
サンタナとワムウは機嫌が良いのか声を出したり、たまに笑ったりしている。もうそろそろ2人が眠る時間だ。毛皮の上に2人を寝かせて夢主は子守唄を歌う。自分が母親にしてもらった様にサンタナとワムウを寝かしつける。エシディシはその光景を黙って見ていた。
「エシディシは何を食べてるの?」
「それを聞くのか」
気になっていた事を聞く。カーズとエシディシは夢主が食べている物を口にしていなかったし、食べている気配も無いので心配だったから夢主は聞いたのだ。
「人間、と言ったらどうする?」
「人間か…私も食べるの?」
「お前を食べても殆ど栄養にならないだろう」
「え、なんか酷いこと言われてる気がする…」
夢主はエシディシ達が人間を食べていようが驚かなかった。心が麻痺をしていたのか、人間の環境への適応能力が働いていたのか、もともと夢主の性格がそうなのかは分からないが夢主は驚かないし、何も思わなかった。
「カーズってずっと何かしてるけど、ちゃんと眠ってるのかな?」
「俺達は眠らない。そいつら2人は赤ん坊だから眠るが、な」
「羨ましいな~眠らなきゃ人間なら死んじゃう」
「ふんっ貧弱な生き物だな」
「エシディシはたまに酷い事を言うよね」
エシディシは立ち上がると夢主を脇に抱えた。嫌な予感がする…。そのまま洞窟を出て、そして飛び降りた。
「うぎゃぁっ」
夢主は飛び降りる浮遊感には慣れていないので醜く声を上げた。エシディシは木へと着地すると次々と飛び移っていく。
「く、苦ちいッ」
「舌を噛むぞー」
そろそろ夢主に嘔吐感が襲ってきた頃にエシディシの足は止まった。脇から下ろされる。
「…ここは?」
木の上にいる事が分かった。目の前には湖が広がっていた。月が反射してキラキラとしている。夢主が見たこともない美しい光景だった。
「これを見せに来てくれたの?」
「ん? 嫌だったか?」
「すごく綺麗だね。ありがとう」
風は湿度が含まれているが、涼しい。ワンピースの裾がひらひらとなびいている。夢主は木の上に座り素晴らしい光景に見とれていた。
充分に景色を堪能した後にエシディシと洞窟に帰るとカーズがいた。
「何処に行っていたんだ?」
「夢主に景色を見せてやろうと思ってな」
「エシディシ、お前も変わった事をするな」
「別にいいだろう」
「まぁ良い」
それからカーズとエシディシは何処かへ行ってしまった。話す相手もいなくなったので夢主は眠っている赤ん坊の様子を見ていた。何かする事があれば良いが何をすれば良いのか分からない。要するに暇だった。
コツッ
洞窟の入り口の方から何か音がした。
「?」
カーズとエシディシが帰ってきたのだろうか。夢主は様子を見に行く事にした。洞窟の入り口に着くと何もないので戻ろうとした瞬間、後頭部を殴られた。そのまま前倒しになり意識が薄れていく。何か分からない言葉で会話をしている声が聞こえるが夢主は目を閉じた。
直後、赤ん坊の泣き声がした。
夢主は気合いで目を開け起き上がり赤ん坊の元へと向かう。ふらふらと足元がおぼつかないが必死に歩いた。赤ん坊がいる場所に着くと男達が赤ん坊に槍の様なものを振りかざしている所だった。夢主はその瞬間、我を失う。
「デッド・メモリーズ!!」
泣いている2人を腕に抱いて能力を発動させて男達を蹂躙する。叫ぼうが、立ち向かってこようが、命乞いをしようが、夢主には関係がない。とにかくサンタナとワムウを守りたかったのだ。あっという間に洞窟内は静かになった。
夢主は洞窟から出ると座り込んだ。2人を守れて安心したのか、それとも自分の行いに後悔したのか、涙が溢れる。どれだけ泣いていたのだろう、目が痛くて仕方がない。
「何があった?」
カーズの声がした。
「2人が殺されそうになって…殺しちゃった…」
カーズとエシディシが洞窟の中を見ると、人間が転がっていた。胴が離れている者から、苦痛の表情を浮かべている者、数十人の死体があった。
「夢主がやったのか」
「そうだな。人間達は我々の不在を狙ったのだろう」
「もうここも駄目か…他へ移ろう」
「あぁ」
眠ってしまった夢主をエシディシが抱える。サンタナとワムウをカーズが抱えて旅に出た。