「佐藤さん！
ソフトクリーム買って…来ましたって…
げっ目暮警部…」
そんな佐藤にかけよって来たのはこちらも何故かここにいた高木でした。
目暮と白鳥に何をしているんだ？という感じに睨まれた高木はとっさに持っていたソフトクリームを後ろに隠し苦笑するしかなかった。
『佐藤刑事と高木刑事はデートかな？』
「そうなんじゃない？」
「きっとそうですよ」
「うん」
「だな」
それを見ていた理彩と探偵団たち。
「まぁ、目暮警部に見つかっちゃったみたいだけどね」
『あはは…今度会ったら高木刑事に大変でしたねって言おうかな？』
「そうね」
「じゃあ今から高木刑事に言いますか？」
『さすがにそれは高木刑事が可哀想じゃないかな…光彦君』
「そうですか？」
「理彩‼無事か⁉」
『え⁉陣平さん⁉』
理彩は、いるはずのない声がして振り返ると自分に駆け寄る松田が見えた。
「陣平さん？って誰？」
「「さあ？」」
「あっ、松田刑事だ‼」
「だな」
「本当ですね」
探偵団たちは理彩に駆け寄る松田に気づいた。
「たぶん、松田刑事のことなんじゃない？」
「「「え」」」
「おや？君たちは知りませんでしたかね？
実は松田君の名前は陣平と言うんですよ」
松田と共にやって来た杉下の言葉に子供たちは一瞬固まった。
「(え⁉理彩お姉さん、いつから松田刑事のことを名前呼びなの⁉)」
「「(びっくり)」」

『どうして…ここに…いるんですか？』
「ちょっとな」
『？』
「妃さんが心配しててな
俺に連絡をして来てな」
『え？どういうことですか？
何でお母さんが？』
「毛利探偵に何かあったんじゃないかってな」
『…っ！』
「理彩？」
急に黙った理彩を松田は見る。
理彩は一度まわりを見てから携帯を取り出して何やら文章を打ち込み始めた。
そして打ち込み終わるとその画面を松田に見せる。
【助けて下さい！
私たちはお父さんの人質になっているかもしれないんです！】
「っ⁉」
するとガシッと松田は理彩の手を掴む。
「理彩！お前いつからそれに気づいてたんだ‼」
『え？』
「どうかしましたか？松田君」
松田の慌てように杉下が近寄る。
『あれ？杉下さんまでいるんですか？』
理彩は杉下までいることにびっくりする。
「杉下…これ見てみろ」
松田は文面を杉下に見せる。
「おや！いつの間に」
『？』
「理彩、詳しく話を聞かせてもらおうじゃねぇか」
「そうですね」
『えっ？』
犯人の目がどこにあるか分からない以上、警察に助けを求めるにはこのタイミングしかないと理彩は思った。
そして何かに書いた方が伝えやすいと思ってメール画面に入力した文面を見せただけで何やら急に怖い顔をした二人に理彩は驚く。
二人が理彩に話を聞こうとした時、目暮がやって来て協力してくれた理彩たちに食事をご馳走するから場所を移そうと言ってきた。
松田と杉下の反応も気になるが一体自分たちに何が起きているのかと理彩は分からず首を傾げるしかできなかった。






















目暮の計らいでレストランにやって来た。
席に座る。
理彩は蘭たちとは別の席に着いた。
お前はここに座れと松田に言われたので大人しく座る。
理彩の右隣には松田が座り、目の前には杉下が座っている。
『(まるで松田さんと杉下さんに取り調べでもされてる気分？
どうしてこうなってるのかな？)』
訳が分からず理彩は困惑気味である。
料理を待っている間に二人から質問された。
「理彩」
『はひっ』
思わず声が裏返る。
「とりあえず話せることからでいいから話してくれ
現状が知りてぇから」
『あっはい』
話を始めた理彩。
『依頼人の使いの人からこのIDをもらい…お父さんの仕事が終わるまで楽しんで下さいと言われてミラクルランドに入ったんです』
「それで？」
『昼頃だったかな？
アトラクションに並んでいる時にある事実に気づいたんです』
「どういうことですか？」
『哀ちゃんが言ってたんです』
「哀ちゃん？」
「確か 、あの茶髪の嬢ちゃんのことだよな？」
『はい
実は哀ちゃん…ミラクルランドに入ってすぐにコナン君からある連絡をもらっていたんです』
「連絡？」
『このIDに仕掛けがあることをコナン君から聞かされたって哀ちゃんは言ってました』
「仕掛け？」
「それで？」
『私は入口での哀ちゃんの様子が気になって…アトラクションに並んでいる時に交代でお昼を食べようと蘭たちに提案して哀ちゃんと二人になったところで聞いてみたんです…
何かあったのかって』
「それで？」
『哀ちゃんは今は詳しく聞かずに時間を稼ぐ手伝いをして欲しいと頼まれたんです』
「そうでしたか」