私の世界にはあなたが必要
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『松田さん…
今年も来ちゃった』
その頃、私は松田さんのお墓参りに来ていた。
毎年命日には欠かさず来ている。
あの黒焦げになってしまったストラップと花束を持って。
もちろん萩原さんのお墓参りもして来た。
あの爆弾犯を捕まえたと佐藤からメールが来た。
理彩はメールを見るなり慌てて警視庁に向かった。
理彩が警視庁に着くと犯人は取り調べが終わり連行される途中だった。
『返して…』
「え?」
『返して…彼を返してよ!
何で、あの人が犠牲にならなきゃいけなかったの!!
できることならあの日まで時間を巻き戻してよ!!』
泣きながら訴える理彩。
理彩をここまで案内した佐藤は理彩の言葉に驚く。
「理彩ちゃん…」
佐藤は泣きながら犯人に訴える理彩を抱きしめた。
『もう…我慢できないよ…
彼がいないこんな世界なんて!』
「理彩!!」
『…?』
誰かに体を揺すられ意識が急浮上する。
ぼやける視界が男性を認識する。
そこにはいなくなったはずの人がいた。
『あれ…?』
「おい大丈夫か?理彩!
かなり魘されてたぜ
いきなり泣き出すし…コンビニに立ち寄って様子を見てたんだが…」
確かに外を見てみるとそこはコンビニの駐車場だ。
それに泣いていたのか理彩の頬は濡れていた。
松田はハンカチを出すと理彩の涙を拭いてやる。
『あれは…夢…だったの…!?』
首を傾げる理彩。
夢と現実の区別がまだできていない理彩だったが同時にあれが夢でよかったと安堵する。
隣にいた松田にぎゅーと抱き着いてみる。
温かなぬくもりが確かにそこにはあった。
「おい、急にどうした?
変な夢でも見たか?
急に抱きつくなんて大胆だな理彩?」
『あっごめんなさい//
でも…あれが…夢で…よかったっ!!』
「ん?」
『あんなの…悪夢だから…』
「悪夢?
どんな内容だったんだ?
聞いても平気か?」
どうやら松田は理彩の話を聞いてくれるようだ。
『あっはい…
夢の中で萩原さんに続いて3年前の爆弾事件で松田さんまで私の目の前からいなくなっちゃうんです…
松田さんが亡くなったその現実を受け入れられなくて…私は笑えなくなってしまったんです…』
「そうか…
(確かにそれは悪夢だよな…)」
『そのせいで私は警察官が苦手になるくらいのトラウマになっていたみたいです…』
「そうか…それはキツいな…
(夢の中の理彩は俺のせいでトラウマが増えたのかよ…
聞いてる限りでは罪悪感が半端ねぇな…)」
『きっともうすぐ11月7日だから…
萩原さんの命日が近いからこんな夢を見たんですよね…』
理彩はそう結論付けた。
「そうかもな…
だけど安心しろよ!
俺はちゃんとこうして理彩の目の前にいるだろ」
ポンポンと理彩の頭を撫でる松田。
『はい』
「眠ってた理彩が突然魘され始めるし、しまいには泣き始めるしな…
急にどうしたのかと心配したぜ」
『ごめんなさい…ご心配おかけしました』
謝る理彩。
「謝んなよ
別に理彩のせいじゃねぇだろ?
たまたま夢見が悪かっただけだ」
『あっはい…』
「もう大丈夫そうだな?」
『あっはい」
「ほい!」
『ほぇ?ミルクティー?』
渡されたのはミルクティーだった。
「コンビニで買っといたんだが…まぁそれでも飲んで落ち着けよ
ちょっと冷めちまったけどな」
『冷めててもせっかく松田さんが心配してくれて私のためにって買ってくれたからありがたくいただきます!
ありがとうございます松田さん』
「そうか」
松田はまた車を発進させる。
「そういえば、理彩は今年も萩原のお墓参り行くんだろ?」
『はい
命日の7日は模試がある日なので次の週になっちゃいますけど
それより前でもいいんですけど模試が近いから勉強しなきゃですから』
「そうか
休みが取れれば一緒に行ってやれるんだがな…」
『無理に休みを取ろうとはしないで下さいよ?
私だって子供じゃないんで一人で行けますから!』
「だが…さっきの夢の話を聞いたら何か不安になっちまうだろ」
『心配してくれてありがとうございます!
じゃあ松田さんが休みの日で構わないので今度一緒にお墓参り行ってくれますか?』
「いいぜ」
『じゃあ約束です』
「あぁ」
私の世界には貴方が必要だから…約束は守って下さい
あとがき
実は夢の部分や引きこもりっぽいのは初期設定で考えていた内容です
END
今年も来ちゃった』
その頃、私は松田さんのお墓参りに来ていた。
毎年命日には欠かさず来ている。
あの黒焦げになってしまったストラップと花束を持って。
もちろん萩原さんのお墓参りもして来た。
あの爆弾犯を捕まえたと佐藤からメールが来た。
理彩はメールを見るなり慌てて警視庁に向かった。
理彩が警視庁に着くと犯人は取り調べが終わり連行される途中だった。
『返して…』
「え?」
『返して…彼を返してよ!
何で、あの人が犠牲にならなきゃいけなかったの!!
できることならあの日まで時間を巻き戻してよ!!』
泣きながら訴える理彩。
理彩をここまで案内した佐藤は理彩の言葉に驚く。
「理彩ちゃん…」
佐藤は泣きながら犯人に訴える理彩を抱きしめた。
『もう…我慢できないよ…
彼がいないこんな世界なんて!』
「理彩!!」
『…?』
誰かに体を揺すられ意識が急浮上する。
ぼやける視界が男性を認識する。
そこにはいなくなったはずの人がいた。
『あれ…?』
「おい大丈夫か?理彩!
かなり魘されてたぜ
いきなり泣き出すし…コンビニに立ち寄って様子を見てたんだが…」
確かに外を見てみるとそこはコンビニの駐車場だ。
それに泣いていたのか理彩の頬は濡れていた。
松田はハンカチを出すと理彩の涙を拭いてやる。
『あれは…夢…だったの…!?』
首を傾げる理彩。
夢と現実の区別がまだできていない理彩だったが同時にあれが夢でよかったと安堵する。
隣にいた松田にぎゅーと抱き着いてみる。
温かなぬくもりが確かにそこにはあった。
「おい、急にどうした?
変な夢でも見たか?
急に抱きつくなんて大胆だな理彩?」
『あっごめんなさい//
でも…あれが…夢で…よかったっ!!』
「ん?」
『あんなの…悪夢だから…』
「悪夢?
どんな内容だったんだ?
聞いても平気か?」
どうやら松田は理彩の話を聞いてくれるようだ。
『あっはい…
夢の中で萩原さんに続いて3年前の爆弾事件で松田さんまで私の目の前からいなくなっちゃうんです…
松田さんが亡くなったその現実を受け入れられなくて…私は笑えなくなってしまったんです…』
「そうか…
(確かにそれは悪夢だよな…)」
『そのせいで私は警察官が苦手になるくらいのトラウマになっていたみたいです…』
「そうか…それはキツいな…
(夢の中の理彩は俺のせいでトラウマが増えたのかよ…
聞いてる限りでは罪悪感が半端ねぇな…)」
『きっともうすぐ11月7日だから…
萩原さんの命日が近いからこんな夢を見たんですよね…』
理彩はそう結論付けた。
「そうかもな…
だけど安心しろよ!
俺はちゃんとこうして理彩の目の前にいるだろ」
ポンポンと理彩の頭を撫でる松田。
『はい』
「眠ってた理彩が突然魘され始めるし、しまいには泣き始めるしな…
急にどうしたのかと心配したぜ」
『ごめんなさい…ご心配おかけしました』
謝る理彩。
「謝んなよ
別に理彩のせいじゃねぇだろ?
たまたま夢見が悪かっただけだ」
『あっはい…』
「もう大丈夫そうだな?」
『あっはい」
「ほい!」
『ほぇ?ミルクティー?』
渡されたのはミルクティーだった。
「コンビニで買っといたんだが…まぁそれでも飲んで落ち着けよ
ちょっと冷めちまったけどな」
『冷めててもせっかく松田さんが心配してくれて私のためにって買ってくれたからありがたくいただきます!
ありがとうございます松田さん』
「そうか」
松田はまた車を発進させる。
「そういえば、理彩は今年も萩原のお墓参り行くんだろ?」
『はい
命日の7日は模試がある日なので次の週になっちゃいますけど
それより前でもいいんですけど模試が近いから勉強しなきゃですから』
「そうか
休みが取れれば一緒に行ってやれるんだがな…」
『無理に休みを取ろうとはしないで下さいよ?
私だって子供じゃないんで一人で行けますから!』
「だが…さっきの夢の話を聞いたら何か不安になっちまうだろ」
『心配してくれてありがとうございます!
じゃあ松田さんが休みの日で構わないので今度一緒にお墓参り行ってくれますか?』
「いいぜ」
『じゃあ約束です』
「あぁ」
私の世界には貴方が必要だから…約束は守って下さい
あとがき
実は夢の部分や引きこもりっぽいのは初期設定で考えていた内容です
END