『…ひっく…ひっく…』
自室に着くなりとめどなく涙が流れ落ちた。
あんなに警視庁で泣いたのに…。
『今日だけは…貴方を思って泣かせて下さい…松田さん』
そのまま泣きながらいつの間にか寝てしまった理彩だった。





そして、松田さんの葬儀にはお母さんには内緒で目暮さんと佐藤さんに連れられ参列させてもらった。

だけど松田さんの死を知った中学生だった私はその事実をなかなか受け止めきれずにいた。



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悪い
理彩との約束守れそうにねぇわ














PS、
妹のような存在のお前に抱いていい感情ではねぇかもしれないが…
時間がねぇからこれだけは伝えておくぜ
俺は年下でも理彩のことを異性として好きだったぜ

これ以上そばにいてやれなくて悪い

こんな俺を忘れてくれて構わないから幸せになってくれ

END
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メールに書かれた松田の告白に理彩は自分の気持ちを自覚できた。
貴方が好きなことに気づいた。
メールに書かれた貴方の願いは聞けないと思う。
貴方以外に私を幸せにできないから…。
いつの間にか私の世界は貴方で染まっていたから。

だけど…この気持ちを打ち明けるべき相手はもういない…。
自覚した途端に大きな失恋を経験してしまったのだ。
それは中学生の理彩の心にとってはかなり大きな心の傷となってしまった。

もう何もかもがどうでもよくなり自室から出なくなっていた。
自室に引きこもり…不登校になった。
しかも数日後にはまったく笑えなくなっていた。




食欲はあったがお母さんが用意してくれる料理はいまいちなのでそれを食べる気にはなれず自分で食べたいものを作るようにしていた。
貴方に誉めてもらえた料理の腕を落とさないためにもそれだけは頑張った。
お母さんも自分の料理の腕は少々自覚があるようで私の好きにさせてくれている。
あと、お母さんはそんな引きこもり状態の私をかなり心配し今まで仕事仕事な仕事人間だったのに今では仕事をセーブしてまで私との時間を作ろうとしてくれているのは少しは罪悪感を感じたりする。

そして別居中のお父さんと蘭はこのことをお母さんから話を聞き、突然の私の変化に驚いてかなり心配しているらしい。
同じクラスの新一も蘭から話を聞き心配しているそうだ。
お父さんはそんな状態の私と会ってもどう話したらいいか分からず距離感が分からず…だけど親としては気になっているのだが困っているらしいと蘭がこっそり教えてくれた。

蘭と新一はよく学校からの配布物を持って放課後に私に会いに来る。
渋々少し会話したけど私が笑えなくなっていることを知り二人はとても驚いていたっけな…。
親友の唯と手塚も新一から話を聞き、心配で時々会いに来てくれる。
二人はたまには気晴らしにって外に連れ出してくれようとするけど私は乗り気ではないので今のところ失敗に終わっている。



中学はなんとか卒業した。
高校は蘭たちに一緒の帝丹にと言われたが…相変わらず引きこもり状態なので通信制の高校を選んだ。



時々佐藤からどうしているかとメールが来るが引きこもり状態は伝えず通信制の高校に通っていることはメールした。




















あれから3年経ったある日。
東京スピリッツの優勝パレードに来ていたコナンと少年探偵団と付き添いの阿笠博士。
そこで知り合いの刑事たちに会った。
何故か刑事たちは変装していた。
変装していたのはもしかしたら前の事件に関わりがあるかもしれないから犯人に顔を知られているから変装していたそうだ。
何事もないかと思われたが…。
ドカーン!!
突然、白鳥の車が爆発した。
「白鳥君!?」
佐藤たちは爆発した車に近寄る。
「き、危険です…は、早く…その車から…は、離れて…」
「し、白鳥君!?」
爆発した車のドアの下に怪我をした白鳥がいた。
「大丈夫ですか!?」
「あ、ああ…」
「しゃべれるし大丈夫そうね…」
「いや…右側頭部から出血し、左の手足が麻痺している
これは多分…」
「急性硬膜下血腫…
早く病院に連れて行かないとヤバいわよ」
コナンと灰原は佐藤にそう告げた。
「そんな…」
「とにかく白鳥警部を車から離そう！
二次爆発したらヤバい！」
「そうね」
車から離れる。
「さ、佐藤さん…」
「何？白鳥君？」
「これを…」
白鳥はなんとか動く右手に紙を握っていた。
「これを…早く…あなたに…見せたくて…」
「え？」
佐藤は白鳥から紙を受け取る。
「…っ!?」
「あの少女との…我々がした約束を果たすことができる…絶好のチャンスですから…」
紙に書かれた内容は佐藤を驚かせるには十分だった。