「It`s Jack the Ripper!」
「英語で何言ってるか分かりませんね？」
「Huh?what`s going on?」
「また犠牲者が出たぞ!!」
『あれ？英語から日本語になりましたね？』
「現実世界で誰かが設定を変更してくれたんだろうぜ
ゲームだから便利なことだ」
「確かにそうかもしれませんね」
「離れて離れて！」
警官がやってきた。
「おい、すぐにレストレード警部に連絡だ」
「はい」
「(レストレード警部ですか…
確かに小説の世界の人物がゲームに出てくるようですね)」
「まるで本物の世界だな」
『肌寒さまで本物なんて…リアルすぎです…
このゲーム』
「確かにな…寒いんだろお前
これ着てろ理彩」
松田は上着を脱ぐと理彩に渡した。
『ありがとうございます松田さん』
受け取る。
「歩美ちゃん、これ着て下さい」
「ありがとう光彦くん」
「灰原、これ着ろよ」
「あら、ありがとう小嶋君」
子供たちも服を借りたりしていた。

【聞こえるか理彩君！】
『あれ？阿笠博士の声がしますね…
聞こえますよ！博士！』
【よく聞くんじゃ！
そのステージでは傷を負ったり敵や警官に捕まるとゲームオーバーになる
今、君たちがいるのはイーストエンドのホワイトチャペル地区じゃ！
そこからお助けキャラがいるベイカー・ストリートまでは…ザザッ】
『博士？』
「ノアズ・アークに通信を切られたな」
「そうでしょうね
お助けキャラですか…いるのかもしれませんね
あの…シャーロック・ホームズがね」
ドドド
「！」
急に地面が崩れ始めた。
「皆さん！走って下さい！」
杉下の声にみんなは慌てて走る。
「うわぁ…」
参加者の子供が1人落ちそうになる。
カシッ
「え？」
『しっかり捕まって！早く！』
落ちそうになった子に手を差し出す理彩。
「え…あ…はい」
その子は慌てて掴む。
「おいガキ！しっかりしろよ」
松田が理彩の行動に気付き引き上げるのを手伝う。
歩美たち少年探偵団も助けに来る。
「はぁはぁ…」
「危なかったなお前」
「助かってよかった」
「あ……ありがとう…」
『誰も欠けずにゴールして現実世界に帰ろう』
「はい…」
「とりあえずベイカー・ストリートを目指しましょう」
「ベイカー・ストリート？」
『シャーロック・ホームズがいるのがロンドンのベイカー・ストリートだからですよね？杉下さん』
「その通りです
距離はありますが…」
目的が決まり歩み出した。









「おい、あの時計おかしくねぇか？」
参加者の1人がビック・ベンのあることに気づいた。
みんなは時計を見た。
「針が戻っていくぞ!?」
「また！」
「50分から49分？
そして48分からって…まさかあれは参加者の人数か！」
「どこかのステージでゲームオーバーになったんですよ」
「我々も用心しなければいけないようですね」
歩いていく。












「また犠牲者が出たらしいぞ」
「1時間で2件…これで4件だ」
「まったくひでぇ世の中だ…」
住人の声がした。
「僕たち大変な時代に来てしまいましたね」
「うん…」
「世紀末のロンドンは大英帝国最後の最も良き時代だったと言われていますが実際は貧富の差が激しく、犯罪は悪質化していたとか言われていますからね」
『そういえば…』
「どうかしたか？」
『幼なじみの新一がロンドンやホームズの話をする時によく言ってたなぁって言葉を思い出して…
シャーロック・ホームズが時代の光だとするなら切り裂きジャック【ジャック・ザ・リッパー】は暗い影だったって…』
「確かにそうかもしれませんね
僕も新一君の言葉には同感です」
「とりあえずホームズに会いにベイカー・ストリートだかに行ってみねぇとどうしたらいいかは分からねぇな」
「そうですね」
♪♪♪♪〜
「!?」
【♪切り裂きジャック【ジャック・ザ・リッパー】に気を付けろぉ♪
夜道でオマエを待ってるぞぉ♪
死にたくなけりゃどーするかあ♪
オマエも血まみれになるこったあ♪】
変な歌を歌う男性がみんなの前を通りすぎて行った。
「どういう意味かしら？」
「やられる前にやれってことじゃねぇか？」
「先を急ぎましょう」


















「ここですね」
杉下がある建物で立ち止まった。
『ワトソン博士と一緒に下宿しているんですよね』
「詳しいですね理彩さん」
『杉下さんには敵いませんよ』
ガチャ
扉が開いて女性が出て来た。
「こんな夜中にどちらさま？」
「杉下と申します
ホームズさんはいらっしゃいますか？」
「ホームズさんとワトソン博士なら出張でいませんよ」
「出張ですか？」
「確かダートムーアという田舎に…」
『ダートムーア？…って確か…』
「すみませんが、今日は何日ですか？」
「9月30日よ」