【これからみんなには5つのゲームステージのデモ映像を流すから自分が遊びたいステージを選んでくれ
でも、１つだけ注意しておくよ
これは単純なゲームじゃない
キミたちの命がかかったゲームなんだ】
「俺たちの命？」
【全員がゲームオーバーになっちゃうと現実世界には戻れなくなっちゃうからね
だから真剣にゲームをしなきゃね
たった一人でも生き残ればキミたちの勝ちだよ
それまでの間にゲームオーバーになった人たちもみんな現実世界に戻れるよ
これがボクが決めたルール…理解してくれた？】
「どういうこと？」
「さぁ？」
【全員がゲームオーバーになった時は特殊な電波を流してみんなの脳を壊しちゃうからね
つまり日本のリセットを賭けた勝負と言うわけさ】
「日本のリセットとはどういう意味だね？」
【現実の世界の会話はみんなには聞こえないけど今、向こうで質問があったから答えるね
キミたちを見てると汚れた政治家の息子は汚れた政治家になる
金儲けだけを考えている医者の子供はやっぱりそういう大人になる
日本を良くするにはそういう繋がりを一度チャラにしなくちゃ…
さて…そろそろゲームを始めようか】
参加者の多くは小学生の子供たちばかり。
内容は理解していなくても危険なゲームだとはなんとなく感じていた。
5つのステージの映像が流れ始めた。
【さぁ、ステージの前まで進んでゲートをくぐればゲームスタートだ】
「いいですか皆さん!!」
「杉下？」
「自分が生き残れそうなステージを選んで下さい
不安なら知り合いと一緒でも構いません」
杉下の言葉で皆が動き出す。
『松田さん…私たちはどうしますか？』
「理彩と杉下に知恵を借りたいステージがある」
『私でお役に立てることなら』
「理彩は工藤優作からロンドンが舞台のステージがあるって聞いていたな？」
『はい』
「それに行く…
そこに樫村さん殺害の犯人のヒントがこのゲームにはある」
『樫村さんが？』
「しぃーっ！声がでけぇよ理彩」
松田は理彩の口を塞ぐ。
「いいな？今のは俺と杉下とお前以外には他言無用だ…
まわりは小学生のガキばかり…
心配事を増やしてやるな」
『あ…はい…そうですよね』
理彩は納得した。
「ねぇ、私たちはどうしようか？」
歩美が悩み始めた。
「そうね…どのステージも微妙ね…
江戸川君がいれば間違いなくロンドンのステージでしょうけど…
ここにはいないから」
「そうだよね…」
「ここは知り合いと行動を共にした方が安心かもしれませんね」
「ねぇ…理彩お姉さんはどこのステージに行くの？」
歩美は理彩に聞いた。
『私は松田さんと杉下さんと【オールドタイムロンドン】のステージに行くよ』
「ロンドン!?」
『杉下さんがロンドンに詳しいし、優作さんからステージの内容を少し聞いていたから前からこれにするつもりだったから
それに新一にロンドンやホームズの知識は教えられてるからこのステージならなんとかなるかなって』
「（工藤君…
蘭さん以外にも理彩さんにもホームズの話をしてたのね
まぁ蘭さんは話を聞き流していたでしょうけど…
逆に理彩さんの方がよく推理小説を読んでるから色々と話題的に話しやすかったんでしょうけどね）」
灰原はそう思った。
「僕たちもご一緒します」
「知り合いがいた方が安心だからな！」
「勝手にしろガキども」
『松田さんが一緒でもいいって』
「おい…言ってねぇだろ！」
『みんな不安なんです
できるだけ知り合いと行動した方がいいって杉下さんも言ってましたから
いいですよね？』
「仕方ねぇな…」
「やったー！」
ステージの入口に移動する。

「ﾁｯ…おまらと一緒かよ」
ステージの入口に行くとあの子供たちがいた。
【さぁゲームスタートだよ】
「では行きましょうか」
「あぁ」

その頃、現実世界では優作がどうしてノアズ・アークが暴走しているのかを目暮たちに話をしていた。
樫村がノアズ・アークを完成させた2年前に自殺したヒロキという少年の実の父親であり樫村は息子の死の真相を知りたがっていて開発者とシナリオ担当の他にも優作と樫村の関係は依頼人と探偵だったと優作は目暮たちに話した。







中に入ったゲーム参加者たち。
「なんか想像したいたのとは違うね」
「霧が濃いですし…何か空気が汚れているみたいな感じがしますね」
「この時代のロンドンの霧は水蒸気が凝縮しただけの綺麗なものではなく、石炭や石油を燃やした煤煙が霧と複合してできたスモッグのことですからね」
『さすが杉下さん
物知りですね』
「そりゃあロンドンだもんな」

きゃああっ!!
突然悲鳴がした。
杉下と松田は声がした方に走る。
理彩たちもついて行く。