「樫村!!」
優作は部屋に入る。
「優作君!?」
「（父さん!?）」
「おやおや…やはりただごとではないようですね」
「そうだな…すでに目暮たちが来てるしな」
「杉下警部に松田君!?
何故ここに!?」
「理彩にパーティーの同伴を頼まれてな」
「そうか」
「樫村さんと工藤先生はお知り合いで？」
「大学時代の友人です」
「そうなんですか」
「あのね！優作おじさん」
「コナン君か…何だね？」
「キーボードにね
ダイイングメッセージがあるんだ」
「ダイイングメッセージ？」
それを見る。
「JTR…!?」
「何じゃと…JTRじゃと？」
「JTRですか…
どこかで聞いたような単語ですね」
「理彩姉ちゃんから聞いたよ
優作おじさんがゲームステージのシナリオに参加していたって…
もしかして…JTRってさ…ロンドンの」
「そのまさかだ」
「やっぱり…」
「どういう意味なんだね!?優作君」
「JTR…それはゲームに登場するある人物の略称です」
「略称？」
「私と樫村の間では彼のことをこう呼んでいました…切り裂きジャック【ジャック・ザ・リッパー】」
「切り裂きジャック
十九世紀末のロンドンに実在した殺人鬼ですね」
「ロンドン？待てよ…
まさか…コクーンのゲーム舞台は…昔のロンドン…
手掛かりはゲームの中かよ…」
「僕…参加バッチなら博士から貰ってるからあるよ松田刑事
いる？」
「だが…杉下やガキならともかく、俺はほとんどシャーロック・ホームズは読んでねぇからな」
「でもさ…理彩姉ちゃんが参加してるから色々聞けば分かると思うけど？
理彩姉ちゃんは新一兄ちゃんに教えられてホームズ知識あるから」
「いいのか？ガキもホームズ好きだろ？」
「いいんだよ
だからこっちは優作おじさんたちに任せてくれない？」
「分かった」
コナンからバッチを受け取る松田。
松田はすぐさま向かった。
「ねぇ優作おじさん」
「何だね？」
「まだ参加バッチを持ってない？」
「何でかねコナン君？」
「杉下警部の分も欲しいんだ
おじさん…まだバッチを持ってるでしょ？」
「おや…僕の分ですか？コナン君？」
「杉下警部もホームズ好きだから詳しいよね？」
「えぇまぁ」
「あるにはあるが？
本当に参加しないのかねコナン君？」
「うん
だけどこっちの事件は首を突っ込むよ
優作おじさんと推理するのもいいかなって」
「…分かった」
バッチを杉下に渡す。
「ではコナン君、ありがたく使わせて頂きますよ」
「うん、頑張ってね警視庁特命係の杉下警部、あとは松田刑事もねって伝えて」
「えぇ」
杉下も会場に戻って行く。
「（あのホームズ好きな新一が自ら参加資格を他人に譲るなんてな
信頼している人物たちなのか？
警視庁特命係か…覚えておこう）
我々も会場に戻りましょうか…
できれば…モニタールームへね」
会場に戻る。





















会場に戻るとゲームは始まっていて参加者はコクーンにいた。
もちろん松田と杉下も。

優作の案内でモニタールームに来た。
それと同時くらいに暗くなった。
【我が名は…ノアズ・アーク】
「な？」
「!?」
会場に声が響く。
【我が名はノアズ・アーク！
もうゲームは止められない…
コクーンはボクが占領した】
「ノアズ・アークって？」
「確か、1年で人間の5年分成長する人工知能ですね…シンドラー社長？」
優作は中にいた社長に問う。
「あぁ…そうだ…
2年前…私が息子同然に可愛がっていたヒロキが完成させた…
だから今はヒロキと同じ年齢だ」
「ノアズ・アーク…
ゲームを占領してどうするつもりだ」
優作はマイクで問う。
【我が目的は…日本という国のリセットだ】
「!?」













「理彩！」
『え？松田さん？どうして？』
「ちょっとな」
「僕もいますからね」
『杉下さんまで？』
「どうしたんだよ杉下…バッチ」
「工藤さんからバッチを貰いました」
「まだあったのかよ!?」
「コナン君が工藤さんにおねだりしてくれましてね」
「はぁ？」
『コナン君は確か新一の遠縁だって言っていたから』
「そうなのか？」
『はい』
「あー！杉下警部と松田刑事がいるよ」
「本当ですね」
「江戸川君はいないようね」
「あの探偵のガキは現実世界だ」
「まぁコナン君はゲーム苦手だから…」
「そうだな」
「僕たちって今は催眠状態なんですよね？
そんな感じしませんね」
「自由に動けるよ」
「その逆よ」
「え？」
「自由どころか視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚…すべてをコンピューターに支配されてるのよ私たち」
【さぁ、コクーン体験者諸君、ゲームの始まりだよ
ボクの名前はノアズ・アーク…よろしくね】
「（ノアズ・アーク…ですか…
確か人工知能にそんな名前があったような気がしますが…）」