とある休日。
理彩は非番の松田と街にいた。
「悪いな理彩
何だか買い物に付き合わせたみたいになったな」
『たまにはいいんですよ？
いつも付き合わせているのは私の方ですから』
「そうか？」
『もし知り合いに会っても言い訳は二人で考えてありますし大丈夫だと思います』
「そうだな
滅多に知り合いには会わないだろうがな」
『はい』
だがこういう時には知り合いに会ってしまうものであると後に実感するのである。












「なぁ、早く博士ん家に帰ってカレーにしようぜ
本当はうな重がいいけどよ」
「元太くんは本当にうな重ばかりですね」
「それしかないのかな？」
「元太だしな…」
「えぇ…」
「だってよぉー」
ショッピングモールからの帰り道の少年探偵団たち。
「あれ？ねぇコナンくん？」
「どうかしたか？歩美？」
歩美は何かに気づいたらしい。
「あそこにいるのって理彩お姉さんじゃない？」
「は？」
歩美はコナンたちにある方向を指差しながら言った。
コナンは言われた方を向く。
「あれは…間違いなく理彩姉ちゃんだな」
「やっぱり！」
「でも理彩さんは男と一緒にいるわよ？」
灰原も理彩に気付いた。
そして一人じゃないのをみんなが確認した。
「(あっ！一緒にいるの松田刑事か！
でもなぁ…まだサングラスしてない松田刑事に慣れねぇな…)」
「男性の方は誰でしょうか？」
「どこかで…見たような気もするけどね？」
灰原はその男性をどこかで見たことがあるような気がした。
「ねぇ！理彩お姉さんのところに行ってみない？」
「そうですね！気になりますし」
「おー！」
はしゃぐ少年探偵団。

「貴方が大人しくしているなんて意外だわ工藤君」
「そうか？」
「幼なじみであるあの人が男といても慌てないなんてね」
「そりゃあ知らない奴といたとかだったら慌てるだろうけどさ
よくよく見たら知り合いだったからさ
心配いらねぇよ」
「そうなの!?」
「それよりあいつらに置いていかれるぜ」
「えぇ」
コナンと灰原は追いかける。









理彩は松田と歩いていると声をかけられた。
「理彩お姉さん!!」
『えっ、歩美ちゃん!?』
理彩は声がする方を向く。
「僕たちもいますよ」
「そうだぜ」
『光彦君に元太君も一緒だったんだね？』
「おめーら！さっさと行くなよ」
「おめぇが遅いだけだぜコナン」
『コっコナン君まで!?哀ちゃんも』
「理彩姉ちゃんこんにちは」
『みんなはどこかの帰り？』
「俺達杯戸ショッピングモールの仮面ヤイバーショーの帰りなんだぜ姉ちゃん」
『そうなんだ』
「知り合いか？こいつら？」
『コナン君の友達の子たちなんです』
「なるほどな
先日ぶりだなガキ」
「うん
サングラスしてないから誰かと思ったよ
まだサングラスしてないのは見慣れないや」
「俺=サングラスで判断するな!!
伊丹じゃあるまいし!!」
「えへへ…ごめんなさい」
「親しそうだけど江戸川君の知り合いなの？この人」
「あぁ知り合いの刑事なんだ
今はしてねぇけど普段はサングラスしてるから一瞬分からなかったけどな」
「え？刑事さんなの？」
「見たことないですけど？」
「だな」
「でも…どこかで見た気がするわね」
「それならトロピカルランドじゃねぇか？灰原」
「トロピカルランド？」
「ほら、理彩姉ちゃんが記憶喪失になった時におめぇらもトロピカルランドに俺を追いかけて来ただろ」
「えぇ…
あっ！確かにその時にいたかもしれないわ」
「トロピカルランドですか？」
「あぁ、あの時に大勢の刑事が来ただろ？
おめぇらが覚えてねぇだけでその中にこの刑事さんもいたぜ」
「えー!?」
「まぁ、無理もねぇか
おめぇらが普段会う刑事っていえば目暮警部や佐藤刑事や高木刑事とかの捜査一課だもんな」
「この刑事さんは違うんですか？」
「あぁ確かに捜査一課にいたことはあるが俺は特命係だからな」
「「「特命係…？」」」
「特命ってことはおめぇは偉いのか？」
「特命なんて名ばかりの窓際部署の雑用係だぜ
上司が事件に首を突っ込まねぇ限りは暇だからな」
「上司の人がですか？」
「上司は気になることを見つけると捜査を本格的に始めるからな
細かいことが気になる変人だからな」
「変人なの？その人」
「あぁ」
「そうなんですか」
「ねぇ理彩お姉さん」
『何？歩美ちゃん』
「どうして理彩お姉さんはこの刑事さんと一緒にいるの？」
『あ…それは…その』
「あら？私たちには言えないことなのかしら？理彩さん」
『…そういうわけじゃないけど…』
「教えて教えて！」
歩美はかなり知りたいようだ。