美味しいと松田に言われてよかったと思う理彩であった。
「何が不安か知らねぇけどな
もっと自信持てよ理彩」
『だって…料理の味付けが松田さんの口に合うか心配だったんです』
「大丈夫に決まってんだろ！
美味しかったしな」
『よかった』
「こんな美味い飯が毎日用意されてたらまっすぐ帰って来るのにな」
『…//』
松田の手が理彩の頬に触れ松田が言った。
言われた言葉に理彩は顔を真っ赤にさせる。
「真っ赤だぜ理彩」
『ぅー//
松田さんったらそんな恥ずかしい言葉がポンって出ますね？』
「俺は思ったことを言っただけだぜ」
『ぅー//まだそういう言葉に慣れないんですけど…』
「なら俺のことを名前で呼べなんて言ったらどうなるんだお前？」
『…//まだ無理っ!!』
「試しに俺の名前を呼んでみろよ
前に教えたろ？」
『陣平さん…//』
「あ？
小さくて聞こえねぇぞ理彩」
『陣平さん…//』
「よくできたな
これから名前で呼ばなかったら呼ぶまで返事しねぇぞ」
『えっ…//
もうこれ以上は恥ずかしくて大きな声でとか毎回とか無理です//』
理彩は赤くなった顔を見られまいとギュッと松田に抱きつく。
「お前な//
十分これも恥ずかしいと俺は思うがな」
『ぅー//ごめんなさい！』
パッと離れる理彩。
「すまんすまん…
ちょっとからかい過ぎたな」
『…//』
理彩の頭をポンポンと撫でる松田。
「まっ！名前で呼ばれたいってのは俺の本心だけどな」
『努力はします…恥ずかしいけど//』
「二人でいる時は名前で呼んでくれな」
『はぅ//なんかハードルが上がってます』
「気のせいだろ」
理彩は顔の火照りをごまかすようにキッチンに向かい冷蔵庫の中身をチェックする。
松田が買い出しに行ってくれるらしいのでお店に売ってるレンジでチンすれば食べれるご飯パックとサラダを買って来てと頼む。
その間に理彩は冷蔵庫にあるものを使い汁物を作る。
先ほどの筑前煮と買って来てもらったサラダを並べ簡単な夕食にする二人であった。

END