現在に視点は戻り…
警視庁を慌てて自分の車で飛び出した松田はトロピカルランドに到着した。
到着してみれば夜のパレードの時間帯なせいか人が溢れどこに誰がいるか探すのは一苦労だ。
松田は穴場である展望スペースがあるアトラクションに向かった。
見渡し何とかパレードを見ようとしている理彩と蘭を見つけた。
そばにコナンがいるのを確かめた松田は近くを見た。
「あの野郎っ！」
そして見つけてしまった。
犯人が理彩を狙っている。
松田は慌ててコナンに電話する。
《「もしもし？」》
「おいガキ！さっきはよくも電話に出なかったな」
《「だって…」》
「今はそれどころじゃねぇんだ！
今トロピカルランドだろ!?」
《「げっ…バレてる…
はい…そうです」》
「犯人は小田切親子でも友成真でもねぇ!!」
《「えっ!?やっぱり!?」》
「そいつは理彩の担当医の風戸だ!!」
《「えー!?」》
「そいつが今まさに理彩を拳銃で狙ってやがる!!
なるべく人混みから理彩を連れ出せねぇか？」
《「分かった！やってみる！」》
「俺もすぐ行く!!」
《「え!?今どこにいるの!?」》
「氷と霧のラビリンスの展望スペースだ」
《「分かった！…っ！」》
コナンは電話を切ろうとして風戸を見た。
「やべぇな…逃げろ!!」
「え？コナン君？」
「理彩姉ちゃん！早く逃げて！」
『え？』
「危ないっ」
パシュッ
「…っ!!」
「「博士!?」」
コナンの慌てように阿笠は理彩を狙う拳銃を持つ男に気付き庇って負傷してしまった。
『いやっ！(私のせいで…みんなが危険になっちゃう…)』
理彩は阿笠が撃たれたことにパニックになり走り出しだ。
「理彩!?待って！」
「灰原！博士と子供たちを頼む」
「分かったわ！」
「蘭姉ちゃん！急いでおじさんや目暮警部に連絡して！」
「え？うん！分かった」
コナンは理彩の後を追いかけるが途中で見失ってしまった。




前を走る理彩を見つけた松田。
「ったく、
無我夢中で走ってるせいか追い付けねぇ…」
松田は追い付こうと必死に走る。


ぐいっ
『きゃっ』
「こっちだ」
誰かに腕を捕まれその人に抱きしめられた。
パシュッパシュッ
『きゃっ』
とっさに引っ張られたおかげで助かったが今までいたところに銃弾が当たっていた。
「あの野郎！
理彩以外に当たろうが関係なしかよ!?」
『…っ(松田さん…？)』
理彩を助けてくれたのは松田だった。
「走るぞ！」
『え？』
松田に手を引かれ走る。
ボード乗り場でボードに乗る。
「乗れ！」
『え…はい』
ボードを松田が運転する。


『そろそろ大丈夫ですか？』
「いや…まだだ！」
『え？』
ブィー
すると横からボードがやってきた。
「大人しく行かせてはくれねぇよな
しっかり掴まれ！」
『はいっ』
パシュッパシュッ
『きゃっ』
ボードを銃弾が掠める。
「くそっ」
『前！』
目の前は崖だ。
「しっかり掴まってろ！」
『いゃーー!!』
下に落ちていく。
なんとか着地できボードを降りた。
だが犯人も諦めない。
「ちっ…諦めねぇか…こっちだ」
『はあはあ…』
走る。
さすがに逃げ回り疲れたのか息切れをしている理彩。
「もう少し頑張れるか？」
『はあはあ…はいっ』
岩影に隠れる。
「そこにいろ」
『はい…
はぁはぁ…』
息を整える理彩。
トタトタ
すると下から誰かが上がってきた。
松田は岩影から姿を見せる。
「ここは夜はcloseだから誰もいねぇから姿を見せろ」
「……」
「用心深いんだな？
でも隠れたって無駄だぜ？
俺はあんたの正体を分かっている
奈良沢刑事のあのメッセージの本当の意味が分かったからな」
「……」
「奈良沢刑事が死に際に胸を掴んだのは少しでもお前のことを伝えるにはどうしたらいいか奈良沢刑事が考え、目撃者のガキに印象付ける必要があった」
「……」
「それは…心を示していた
心療科の漢字の心をな
そうだろ？風戸」
『え？』
岩影から男が現れた。
『風戸先生？』
「いつから私だと思った？」
「分かったのはついさっきだがな
7年前にあんたは亡くなった仁野と同じ病院に勤務していた
だがある日あんたと仁野が執刀した手術で仁野はあんたの手首を誤って切った
その事故によりあんたは外科医でいられなくなった
プライドの高ぇあんたはメスを捨て心療科に転向」
「ふっ…その通りだよ」
風戸は事件について話した。
その間に松田は背後に回した手で下を指差し理彩に何かを指示した。
理彩はそれが見えてゆっくり松田に近寄っていく。