「コナン君…今のこと蘭たちには内緒にしてちょうだいね」
「分かったよ
僕、この前の事件の時の病室での感じから前に蘭姉ちゃんから聞いてたから理彩姉ちゃんが松田さんに片思い中だと思ってたけど…
違ってたみたいだね」
「そうね
私は二人の交際は反対してないわ」
「そうなの!?」
『そうなんですか？』
「確かに年齢は離れているけど…松田さんは理彩とのことちゃんと色々考えているから信頼できるから」
「へぇー」
『松田…さん…？』
「その人の名字よ」
『松田…さん…あっ…たくさんのメールの人の名字だ』
「携帯を見たのね？」
『うん…何か覚えてないかと思って』
「そうだったの
でもその関係を知っているのは私とコナン君だけだから他の人は知らないから何か松田さんのことで思い出したりしたら私かコナン君に言ってね」
『分かりました
あの…お母さんとコナン君』
「どうかしたの？理彩？」
『私が名前と関係を知ったことを松田さん…には内緒にしててもらえますか？』
「「え？」」
『ちゃんと思い出してから会いたいから…』
「そう自分で決めたのね」
『はい…時間がかかってもいいから思い出したいです
できるか分からないけど…
どうしても思い出せないなら新しく関係をスタートできたらいいとも思います
他の家族や知り合いとも…
きっと前の自分ならそう言うかもしれないと思うから』
「(理彩…お前…記憶にねぇのに恋人の存在を知って…絶対に焦っているな？
先生に焦って無理に思いだそうとするなって言われただろ…
教えない方がよかったか？)」
コナンはこれからどうするべきなのか悩んでしまった。



















翌日、マンションに園子が理彩の親友である吉野唯と手塚徹を連れて訪れた。
蘭が出迎えた。
「園子！あっ、唯ちゃんと手塚君もいらっしゃい」
「アルバム一応持ってきた」
「そうなんだ」
「理彩は大丈夫？」
「うん、まだ記憶は戻らないけど元気にしてるよ」
「よかった！」
「さぁあがって」
「「「おじゃまします!!」」」
中に入っていく。
「あら？唯ちゃんと手塚君ね
いらっしゃい」
中にいた英理が唯たちに気づいた。
「英理おばさん、こんにちは」
「おじゃまします」
中に入るとソファーには英理とコナンと理彩がいた。
小五郎はどこかへ出かけているようだ。
「おっ探偵事務所に居候してる確かコナンだっけ？」
「そういうお兄さんは？(あ…手塚か)」
「手塚徹だ！
中学から毛利とはずっと一緒のクラスなんだ」
「へぇー部活は何かしてるの？」
「サッカー部だぜ」
「へぇーすごいね！
僕もサッカー大好きなんだ！
(知ってるけどな！だって俺の友人だしな)」
「へぇーそうか」
「理彩、紹介するね
こっちは吉野唯ちゃん
理彩とは小学校からずっと見事に同じクラスなんだよ」
『えっと…唯さん？』
「こっちは手塚徹君
理彩とは中学からずっと同じクラスで手塚君は唯ちゃんと幼なじみなんだよ」
『手塚君？』
「二人とも理彩とは付き合いが長いんだよ
どう？何か思い出したりしない？」
『…ごめんなさい…思い出せないです…』
「そっか」
「一応アルバム持ってきたから見てみない？
何か覚えているかも」
「そうだね！」
唯は理彩にアルバムを渡した。
ペラペラとページをめくっていくがはこれと言って覚えているものはなかった。
『あれ？この人は…？』
ふと目がいったのは今ここにいるメンバーとこの場にいない男子が１人。
「ああ、彼は工藤君」
『工藤…君？』
「ほら、この前見舞いに来てくれた阿笠博士が言ってた人のことだよ」
『あっ…なるほど…』
「工藤君と蘭と理彩は小さな頃からいつも一緒に遊んでいたよね
あとね！
工藤君のお父さんは有名な推理小説家なの
理彩は工藤先生の推理小説が好きでさ
小説は全部持っているし、中でも闇の男爵シリーズが好きって理彩が言ってたよ」
『推理小説？』
「ほらこれ」
唯の話を聞いて蘭が理彩の部屋からその小説を持ってきた。
それを見てみる。
ペラペラと読み始めた。
いつの間にか真剣に読み始めてしまった理彩。
「ちょっと理彩！
小説から現実に戻って！」
『えっ!?あ…すみません…つい…』
「面白かった？」
『はい！』
「後でしっかり読んで！
あっでも読んでみて何か覚えてることあった？」
『ないです…』
「そっか」
「まっそのうち思い出せるよ」
「急かしてもどうにもならねぇからゆっくりでいいから思い出せるといいな毛利」
『ありがとう…二人とも…』