あまり眠れずだった理彩だが朝に検温してみれば微熱があり何となく体がだるい。
朝食は食欲はあまりなく半分くらいしか食べれなかった。
母親が仕事前に着替えを持って来てくれた。
「調子はどうなの？」
『ちょっと怠さと頭痛がするくらいだよ…』
「もしかしてそんなに食欲ない？」
『うん…』
「そう…やっぱり今日休もうかしら」
『…っ！大丈夫だよ
ちょっと頭痛がするくらいだし寝てれば大丈夫だよ』
「分かったわ
でも何かあったら遠慮なく言うのよ」
『はーい…』
母親は仕事に向かった。
少しして夜勤の看護婦から日勤の看護婦に変わり様子を聞かれ微熱もあるし医師に診察してもらうことになった。
「こりゃあ、思っていたより精神的にきてるな
ほとんど夜は睡眠できなかったみたいだし、微熱に食欲はあまりなく体がだるい
我慢しているようだけど頭痛もだな
自律神経が乱れているようだし…
ストレスからくる体調不良だな」
『ストレス…ですか？』
「昨日の事件の精神疲労は君自身が思っているより体に影響が出ているんだよ
必要なら頭痛薬出すけど、どうする？」
『先生にお任せします…』
「分かった
これから刑事さんが来る予定になっているけどずらした方がいいかい？」
『簡単な確認だって昨日刑事さんが言っていましたけど…？』
「精神的にきてるからな…
時間ずらしても余計に悪くなる可能性はあるか…」
『終わったらゆっくり休みます…』
「仕方ないな
立ち会って無理だと判断した時点で割り込むよ」
『ありがとうございます…』

少しして捜査一課の7係トリオがやって来た。
「早速で悪いが確認していくからな嬢ちゃん」
『はい…』
質問されたことに答えていく。
時々抱えたぬいぐるみを抱く力が入るのを理彩は気にしていないようだが立ち会っている医師は気がつく。
『ふぅ…』
「さっきから体調悪そうだな
大丈夫か？」
三浦は理彩の変化に気がつく。
『ちょっと微熱があって…疲れただけです…から…』
「無理しなくてもいいんだぞ？」
『大丈夫です…
簡単な受け答えだけだから…
終わったらゆっくり休みますから…』
「疲れから来る風邪ですか？」
三浦が医師に聞く。
「まだ精神的な疲労が残りちょっと自律神経が乱れ気味でな
夜はほとんど眠れなかったみたいだし、
微熱やら頭痛やら風邪っぽい症状も出始めのようだな
夕方まで様子を見て場合によっては数日間入院してもらってカウンセリングも視野に入れる予定だ」
「まぁあんなことを言われたからな…
精神的にダメージは受けて体調に影響してくるわな」
「昨日の元気は何処へやらだな」
「確かに…」
苦笑いの理彩であった。
「まぁ、後は松田に確認すればいいから理彩ちゃんへの確認はここまででいいんじゃないですか？」
「だな」
「そうだな…
体調悪いから休ませてやりたいしな
何かあれば後から付け足せば大丈夫だからな」
『ごめんなさい…』
「気にしないで休みなよ」
『はい…』
三人は出て行った。
『はぁー…………』
「疲れた？」
『ちょっと…だけ…』
医師は理彩に触れて熱を確かめる。
「熱が上がってきてるな」
朝より体がだるいのは理彩は自覚はある。
昼食は、ほとんど口をつけず残してしまった。
見かねた医師は点滴で様子を見ることにした。










理彩に会った捜査一課トリオたちは警視庁に戻ると特命係の部屋の方に向かった。
「失礼します」
「おやおや？皆さんお揃いで」
「そっちは二人は揃っているな」
「昨日の確認と個人的なお知らせに来ただけです」
「個人的なお知らせですか？」
「嬢ちゃんのこと気にしているでしょうからねぇ」
「ええまあ」
「そんで、どうしたよ？」
「さっき事情聴取で会ってきたんだが話は少し聞けたんだが…」
「理彩ちゃん…体調が悪そうだったんですよ
なので切り上げて来ました」
「体調が悪そうだった？」
「医師の話では精神的疲労が残り自律神経が乱れているらしい
昨夜はほとんど眠れなかったらしい
微熱やら頭痛やら風邪っぽい症状が出てきているらしい」
「まぁ犯人にあんなことを言われたからな…
精神的にダメージは受けているのは分かる」
「それで？」
「夕方まで様子を見て、場合によっては数日間入院してカウンセリングも視野に入れると言っていたのでお知らせに」
「昨日の夜の元気が嘘なくらいに大人しかったぜ嬢ちゃん」
「うん…
あっ、そういえば！
お詫び袋の中に松田が頼んで入れていたぬいぐるみのやつ、理彩ちゃん気に入ったみたいだよ
枕元に置いてたし抱えてたしね」
「そうか」
「松田はよく知ってたな
理彩さんがああいうのが好きなのを」
「まぁ本人から聞いたことはあったしな
俺からのお詫びだ」
「気に入ったみたいだぞ
松田が選んだなんて知らないとは思うがな」
「理彩ちゃん、もしかして夜の時はまわりを心配させたくなくて無理して元気に振る舞ってたのかな」
「そうかもな」