写真には小五郎とコナンが顔を真っ青にしていた。
「罰ゲームかよ」
「想像以上ですね」
「本当…」
『私が親友との約束があり留守にしてたんです
帰ってきたらこんな感じで…』
「ホント、お前は料理の腕が母親に似なくてよかったな」
「そうですね」
『ありがとうございます
（松田さんに褒められた…のかな?）』
「理彩さん、時間はありますか？」
『はい』
「少し作ってみませんか？和食」
『いいんですか!?』
「えぇ、覚えたいでしょ？
ついでに仕込みをお手伝いしてもらってもいいかしら？」
『是非！』
「よかったですね」
『はい』
食べた後厨房に入らせてもらい教わることにした。
「何がいいかしら？」
『肉じゃが…』
「いいですね」
『前に作った時は失敗してポトフに変更しました』
「じゃあ、やりますか」
『お願いします』
行程を教わり作っていく。
「あとは15分煮込みます」
『はい』
「理彩さん、料理をやっているから手際がいいから安心して見ていられるわ」
『ありがとうございます』
「そういえば」
『はい？』
「松田さんの知り合いって言ってたけど…どういう知り合いなんですか？」
『実は、私が小学生の時からよく助けてもらうことが多くて…
誘拐監禁されていた私をたまたま見つけて助けてくれたり…
車に轢かれそうになっていた私を松田さんが助けてくれたこともあるんですよ』
「大丈夫だったの？」
『色々大変でしたけど…
連絡先を教えてもらいそれからはメル友なんです』
「そうだったの」
『あの、たまきさん…』
「何か？」
『こんなこと聞いていいのか分からないんですけど、杉下さんと別れた理由って何だったんですか？』
「そうですね…
右京さんの頑固で不器用で天邪鬼な所に惚れて結婚したんですが、
右京さんの頑固で不器用で天邪鬼な所が理由で別れたんですよ」
『そうだったんですか…』
「理彩さんは別居されているご両親のことを気にしているのね？」
『はい…
でも関係回復は望めない状況なので諦めてもいます』
「そうなのね」
『そういえば、ここは杉下さんが行きつけのお店だと言っていましたけど、
松田さんもよくここに来るんですか？』
「右京さんはほぼ毎日ね
松田さんは時々かしらね」
『あの…松田さんのよく食べる物ってなんですか？』
「松田さんばかりなのね
あ…もしかして…理彩さん」
たまきは察した。
『あっ、言わないで下さいねたまきさん
私の一方的な片思いなので…』
「あらあら」
『それに、いつもお世話になってて…
あの…えっと…だから…
何かお礼をしたいんです』
「可愛らしい理由ね
ついでに教えるわ」
『本当ですか？』
「さてと煮込んでいるうちに作りましょうか！」
『はい！』



「何やら微笑ましい光景ですね」
「そうかもな」
料理を作る二人を席から見る杉下と松田。
「最初は君からの相談事には驚きましたが、上手くいったようですね」
「うるせぇよ」
「気晴らしなんてよく考えましたね」
「この前、理彩に話を聞いたら１ヶ月で5回も事件に遭遇したって言ってやがったから…さすがに心配になってな
ちょうど身近に料理の店やってる人がいるからな
教えてもらうのが料理好きなあいつの気晴らしにならねぇかと思ってな」
「理彩さんが嬉しそうでよかったですね」
「だな」













「これで完成です」
『やったー、ありがとうございます！たまきさん』
「ほとんど理彩さんが作ったのよ」
『だって、たまきさんの教え方上手いからです』
「そうかしら」
『あの…またこうして料理を教えてもらうことはできませんか？』
「いいですね」
『約束ですよ』
「ええ」
連絡先を教えてもらいまた料理を教えてもらう約束をした。
「さぁ右京さんたちにせっかくだから食べてもらいましょうか」
『はい…』
「松田さんの感想が聞けるといいわね」
『はい』





「完成しましたよ
せっかくなのでお二人も肉じゃがを試食してみて下さい
ついでに揚げ出し豆腐も理彩さんチャレンジしてみましたよ」
『いつも家で作るとベチャベチャに失敗しますけど』
「いただきます」
「ああ」
『(ドキドキ…)』
たまきの横でドキドキな理彩。
「美味しくできましたね理彩さん」
「ああ、美味いな
(思わぬ形で理彩の手料理が食べれるなんてな)」
『よかったです！
たまきさんのおかげで喜んでもらえました』
「ほとんど理彩さんがやったのよ
自信を持ってくださいな！
私はただ横からやり方を言ってただけですもの」
『はい！』
「ふふふっ」
『たまきさん？』
「料理上手な女の子はいいなぁと思いまして」
『そうですか？』
「夢が広がるじゃないですか、女の子なら尚更ね
好きな人と結婚したいとかは女の子が夢見る定番だし
きっといいお嫁さんなんてすぐになれちゃうものね」
『え…//』
「あら、やだ！
まだ高校生でしたね」
『もう!!びっくりしましたよたまきさん
いきなり何を言い出すかと』
「いい人に出会えるといいですね理彩さん」
『あっ…はい』
「（料理美味しかったな)」
「その時ってすぐ来ますよ
何でしょうね…このまるで子供を送り出すような気分」
「そうですね」
「ってか、あんたらに子供いたら理彩くらいの子供がいても違和感ねぇ気もするが？」
「あら確かに」
会話はなんだか盛り上がるのでした。