私の名前は毛利理彩、都内の高校に通っている2年生。
実は私には以前から困っている悩みがある。
それは、この街の事件発生件数の多さも関係あるのかもしれないがよく遺体の第一発見者になってしまうことだ。
私は血が苦手というおまけ付きである。
高校生になってから特に頻度が多くて困っている。
そして今日もまた事件に関わってしまった。




理彩は別居している父親たち家族と一緒に夕食を食べに出かけて事件に遭遇した。
警視庁で事情聴取を受け終わってみれば20時は過ぎていた。
「すっかり遅くなっちまったな」
「うん、せっかく理彩とご飯食べれるはずだったのにお父さんのせいで事件に巻き込まれるし!お腹空いたし!」
『蘭、落ち着いてよ
まぁ、でもお父さんが事件を連れてくるせいかも？』
「確かにね」
「俺のせいか!?」
「他に誰がいるのよ？」
「(あはは…おっちゃんしかいないわな)」
『蘭、また今度時間作るから』
「約束だよ理彩」
『うん』
「おやおや？
理彩さんではありませんか？」
会議室を出て出口に向かって歩いていると誰かに声をかけられた。
理彩は振り返るとそこには知り合いがいた。
『あっ、杉下さん！こんばんは』
理彩は呼び止めた人物に挨拶をする。
「どうかされましたか？
こんな時間に、このような場所で」
『いつもように報告はしているのでご連絡がいっているかと思いますが、
お父さんたちと夕食を食べに行こうとしていたら事件に遭遇してしまって…今まで事情聴取をしていたので…』
「そうでしたか」
『杉下さんはどうしてこの時間に？』
「角田課長のお手伝いをしていましてね
片付けを任せて廊下を歩いていたら
理彩さんを見かけたのでお声をかけたわけですよ」
『なるほど！
角田さんのお手伝いをしてたんですね
遅い時間に杉下さんがいるのはそういうことですね』
「はい」
「杉下てめぇ💢
人に片付け押し付けたくせにこんなところで油売ってるなんてな💢」
「おや？
もう終わりましたか…さすがですね」
「てめぇ💢」
新たに男性がやってきた。
「(こいつ！全身黒い服装だと!?
まさか奴らの…)」
全身黒という男の見た目でコナンが組織の奴かと警戒していると、
『松田さん！こんばんは』
理彩は新たに来た男性にも挨拶をした。
「ん？理彩じゃねぇか!?
何で警視庁なんかにいるんだ？」
『遅くまで杉下さんと一緒に角田さんのお手伝いお疲れ様です
報告はいつものように入れているのでご存知かと思いますが、お父さんたちと食事に出かけたら事件に遭遇してしまって…
事情聴取が終わって歩いていたら杉下さんに声をかけられたところに松田さんが来たって感じです』
「そうか、前から言ってるがお祓いしてもらった方が良くねぇか？
お前、事件に遭遇し過ぎだろ？」
『やっぱりそう思いますか？
考えておきますね』
「よく分かりましたね理彩さん
彼も一緒だとは言わなかったはずですが？」
『だって、角田さんに仕事頼まれる時はセットだって前に聞いていたので…
それに松田さんが杉下さんに文句言っていたから分かったんです』
「さすがですね」
「おい理彩！
その人たち知り合いか!?」
父親が理彩にそう質問した。
『うん！知り合いだよ
二人には事件現場でよくお世話になってるの』
「「「へ？」」」
「警視庁特命係の杉下と申します
こちらは部下の松田君です」
「特命係？」
「特命なんて名ばかりの窓際部署ですよ」
『杉下さんと松田さん
こっちが以前お話した別居中の私のお父さんの毛利小五郎と私の双子の姉の蘭です
こっちの男の子は探偵事務所に居候している小学生の江戸川コナン君です』
「そうでしたか！
理彩さんから父親が私立探偵をしているとよくお話は聞いていますよ」
「居眠りの小五郎だっけか？」
「惜しいです松田君
眠りの小五郎さんですよ」
「そうか！
ということは佐藤がよく言ってる探偵事務所にいるガキってお前のことだな」
「佐藤？」
コナンは一瞬佐藤って誰のことだ？と考えてしまう。
『たまに事件現場で会うでしょ？
捜査一課の佐藤刑事のことだよコナン君』
「え？松田刑事は佐藤刑事と親しいの？」
「あいつとは元同僚だからな
数年前に俺が捜査一課にいた時に強行犯係で佐藤と組んでいたことがあるからな」
「捜査一課にいたの？」
「いろいろあって転属してんだよ」
「へぇー」
『ところでコナン君は新一と一緒でホームズ好きだよね？』
「うん」
『杉下さんがこの前ね、ちょっとした雑誌に載っていたんだけど和製シャーロック・ホームズって紹介されてたんだよ』
「ホームズ!?本当に!?」
コナンは思わず目を輝かせて杉下を見た。
『新一みたいな反応だね蘭』
「確かにね」
「おや？コナンくんはシャーロック・ホームズがお好きですか？」
「うん！ホームズは僕の憧れの探偵だもん」
「もしかしてお父さんか誰かがコナン・ドイルのファンですか？」
「うん！
お父さんが好きらしくて僕の名前にしたんだって
名字は江戸川だから乱歩と同じの江戸川だってよく言ってた」
「居候ということでしたが？」
「仕事で海外に両親がいるんだ
だから小五郎のおじさんのところで居候してるんだ」
「そうでしたか
僕もシャーロック・ホームズは好きでイギリス版のを全巻持っています
休暇はイギリスの家で紅茶を飲みながら読書が楽しみなんですよ」
「休暇でロンドンに行くの？すごいね」