【悪い降谷…
奴らに俺が公安だとバレた…
逃げ場はもうあの世しかないようだ…
じゃあな零（ゼロ）…】

【「はぁはぁ…」】
逃げていたスコッチは屋上へ追い込まれた。
ライに投げ飛ばされるフリをして彼から拳銃を奪った。
そしてそのまま拳銃をライへと向けるのだが、ライから俺を撃つ前に話を聞く気はないか？と話しかけられる。
【「拳銃を奪ったのはこうする為だ！」】
と叫んで自らの左胸に銃口を押し付けたスコッチ。
ライはスコッチの自決を止める為、彼が拳銃に気を取られた隙に駆け寄り、銃のシリンダー部分を掴んで引き金を引くのを阻止する。
【「お前はここで死ぬべき男ではない」】
説得を試みる。
予想外の言葉に思わず驚くスコッチであったが、ライが組織に潜入しているFBI捜査官だと知ると落ち着きを取り戻しライの話を聞こうとする。
ライはこのまま説得を続け、自分のコネを使ってスコッチを逃がそうとしていたがそこに階段を駆け上がる足音が響いてくる。
その音を聞いたスコッチは、追手が来たものと思い込みライがその音に気を取られ銃から手を離した隙に左胸を撃ち抜く。
スコッチの左胸のポケットには彼の携帯電話が入っており、それを見つけたライは瞬時に仲間や家族を守る為に携帯越しに左胸を撃ったと理解した。
階段を駆け上がる足音は、スコッチを心配して駆けつけたバーボンのものであった。
【裏切りには…
制裁をもって答える…
だったよな？】

「バーボン…ねぇ…ちょっと…」
「バーボン!!」
女性の呼び掛けにバーボンは驚く。
「え？」
「え？じゃないわよ
さっきの交差点右折しないと」
「すみません
ちょっと考え事をしていたもので…」
「あら？
らしくないわね
じゃあ私の話は聞いてなかったのかしら？」
「聞いていましたよ
それが公になる前に探りを入れて必要とあらば潰せばいいんですよね」
「えぇ
相手は大物
接近しにくいなら関係者に変装させてあげるけど？」
「いえ、ご心配なく
相手の懐に入る宛ならありますから」
「そう」
ある仕事を依頼されたバーボンとベルモットだった。







「波土禄道!?」
《『はい、確か陣平さん好きでしたよね？』》
「あぁ」
《『その波土さんが新曲を出すと発表したとネットはそのニュースで持ちきりだそうで』》
「あぁ、確か曲のタイトルは【アサカ】
その曲は17年前に作られたものだがその曲のアルファベット表記はなぜか【ASACA」】
その曲は今度行われるライブで披露される事になっているとかってやつか？」
《『はい
実は今度リハーサルの見学に行くという蘭と園子に私も同行しないかって誘われたんです』》
「リハーサルに？」
《『鈴木財閥がスポンサーだそうで』》
「なるほどな」
《『陣平さんはロックが好きで波土さんのを聴いてるって言ってたのを思い出してよかったら一緒にどうかと思って電話してみました』》
「なるほどな
だが、暇とはいえ仕事終わるのが何時になるか分からねぇから無理だな」
《『そうですか…残念…』》
「感想聞かせてくれな」
《『はい！』》




リハーサル当日の東都ホール。
「理彩！
お待たせ」
『そんなに待ってないから大丈夫だよ』
蘭と園子以外にもコナンと沖矢がいた。


「えー!?リハーサルが見学できない!?マジで!?」
「えぇ、ごめんなさいね」
早速波土さんと会おうとするが波土さんのマネージャーである円城さんの話によると新曲【アサカ】の歌詞がまだ未完成であるらしく現在もライブ会場の中で1人で考えている最中とのこと。
「仕方ないから帰ろうか？」
「そうだね
いつリハーサル見れるか分からないし」
『まぁ残念だけどそうした方がいいかも』
「えー!?帰っちゃうの!?」
コナンは残念がる。
「最後のライブなのでリハーサルを見た方がいいのでは？」
沖矢が問う。
「昴さんには悪いですけど」
「理彩と違って私たちそんなにファンじゃないから」
『え？
別に私もファンじゃないけど…松田さんが好きな歌手ってだけで』
「へぇーそうなんだ」
「え？ではここに来ようと言い出したのは」
「僕ですよ」
安室がやって来た。
「(安室さん!?)」
「(やはりか…)」
コナンと沖矢は安室を見て固まる。
実は園子も蘭も波土さんにそこまで興味がなかったが安室から頼まれたのだと明かす。
安室の隣には梓もいた。
「あなたも来ていたんですね沖矢昴さん
先日はどうも
僕のこと覚えていますか？」
「えぇ、あなたは確か宅配業者の方ですよね」
しーん…
一瞬場が、しーんとなった。
「え…えぇまぁ」
「(安室さんが宅配業者って…あの日のことだよな？)」
『宅配？
安室さんバイトですか？』
「え？まぁ頼まれまして」
『そうなんですね』
「じゃあ後はファンな人たちでごゆっくり」
「私たちも帰ろっかコナン君」
「え？ちょっと待ってよ蘭姉ちゃん」
蘭に手を引かれコナンは慌てた。