「で、用件は？」
「理彩さんの知り合いの中にFBIがいるか分かるか？」
「FBI?
そういえば英語教師をしていた女性が実はFBIだったらしいな」
「他には？」
「他に？」
「あぁ」
「そういえば…確か男が一人いたな」
「男？」
あることを思い出した松田。
「少し前に杯戸中央病院でばったり会った」
「っ‼
その話聞かせろ松田‼」
とあるワードを聞いて降谷は松田に詳しく聞かせろとせがむ。
「あ？どうした？
まぁいいが…
少し前にアナウンサーの水無怜奈が入院だか何だかのニュースが出てた頃だったか？
理彩の友人の見舞いに俺も一緒に行ったことがあってな
そん時に病院でちょっとした騒ぎがあってな」
「騒ぎ？」
「見舞いに行ったら理彩の友人宛に見知らぬ男から荷物が届いてな
そいつが実は爆弾でな」
「爆弾⁉」
「まぁトラップだらけだったがそいつを俺が解体したがな
他の入院患者にも同じ名前の人物から物が送られて来てたらしいがたまたま病院にいたFBIが回収して処理していたがな
そん時に病室に来たFBIの男と理彩が面識があったって訳だ
俺も爆弾のことでそいつと会話したがな」
「そうか、その男の名前とかは分かるか？」
「確か…その場にいたチビ探偵がそいつのことを赤井とか呼んでたな」
「赤井だと⁉
やはり奴か‼」
思わず大声を出す。
「どうしたよ？
いきなり…そいつと知り合いか？」
「忘れられるはずがない‼
そいつはヒロを見殺しにした奴だからな」
「ヒロを？
そういや前にヒロのことをお前から聞いた時にFBIが何ちゃらって言ってた奴なのか⁉」
「あぁ
かつて組織に潜入していた捜査官が奴だ！
奴と理彩さんが面識があるのが分かったがいつ会ったかはお前は知ってるのか？」
「確か聞いた話では理彩の幼なじみの両親がアメリカに行っててな
その人たちに会いに行った時に人気の舞台を観にニューヨークまで行ったらしい
観に行った帰りに舞台が始まる前に会った女優のシャロン・ヴィンヤードからもらったハンカチを双子の姉の方がタクシーの窓からなくしてしまったらしく慌ててタクシーを止め探しに行ったとかで外で待っていた時に通り魔がうろついているからここは危ないから早く逃げろってFBIのそいつが教えてくれたことがあったとか言ってたな」
「(シャロン・ヴィンヤードだと⁉
確かベルモットの…
なるほど、それでベルモットは蘭さんと理彩さんを知ったのか‼)
なるほど、それで二人は面識があったのか」
「降谷、そいつがどうかしたのか？」
「調べればある程度は分かることだが奴は組織の手にかかり来葉峠で殺された
まぁ俺は奴が死んだなんてこれっぽっちも思ってないが‼
そんな簡単に死ぬような男じゃないからな」
「そうか、んで？」
「本当に奴が死んだのかを確認する為に奴の周辺人物たちの様子を観察することにしたんだがそいつに変装して様子を伺っていたら偶然その場に居合わせた理彩さんに呼び止められたからどういう関係か知りたくてな
理彩さんは奴が亡くなったことは知らないようだがさすがに理彩さんに直接俺が聞くわけにはいかないからお前なら何か知らないかと思ってな」
「なるほどな」
「そうか、しかしあの人までとは…頭が痛い」
知った事実に頭を抱えたくなった。
「ん？あの人？」
「前にお前に少し話をしたろ？
俺が潜入中の組織の中に仕事を一緒にやっている厄介な人物のお気に入りが理彩さんだと」
「あれか！」
「コードネームを持つ組織の幹部クラスの人物
その人物こそ、シャロン・ヴィンヤード…またの名をクリス・ヴィンヤードという大女優だ」
「はぁ⁉おいおい⁉
そんな大女優がお前の潜入している組織とやらに関係してくんだよ⁉」
「機密事項が多くてこれ以上はお前に話せないが組織には得体の知れない人物がたくさんいるのさ
彼女はその中でも得意の変装を武器に色んな顔があるんだ
彼女は千の顔を持つ女とも言われているくらいだしな」
「マジか⁉」
「あぁ」
「聞いてる限りではお前が潜入している組織とやらは闇が深そうなヤバそうな感じだ」
「まぁ実際に組織は何でもありだしな」
「は？何でもありかよ⁉」
「少し前に東都タワーで軍用ヘリがタワーを銃撃したという情報があった
ニュースになる前に警察庁が揉み消してるから知らないとは思うが」
「おい…まさか⁉」
「そうだ、組織の仕業だ
組織の内部データが盗まれ、それに関係するコードネームを持つ男を連中はタワーで射殺したのさ」
「軍用ヘリなんてもんまで使えるのかよ⁉」
「入手ルートはよく分からないが手段を選ばない連中なんだ
どうやら政府の人間の中に関与している人物がいるという噂まであるくらいだ」
「そういう真っ黒な組織ほど政府などが裏で糸を引いてる可能性はあるから厄介だな」
「あぁ…」