『芹沢さんって女心が分からない人だったんですね！
知らなかったです‼』
それだけ言うとまた松田の背に隠れてしまった理彩。
「えー⁉」
「芹沢てめぇ…
どうやら理彩を怒らせたみたいだな」
「え？嘘⁉怒らせちゃった⁉」
「そうだろ
そういうことは大人なんだから何も言わずに察してやれよ
デリカシー無さすぎだぜ
それに理彩はお前に冷やかされたとかって思ってそうだぜ」
「…あ…」
やってしまったと芹沢は頭を抱える。
「それに普段大人しい奴ほど怒らせた時は怖いってもんだろ？
理彩もそういうところがあるみたいだな
今回勉強になってよかったな芹沢」
「なんかごめんね理彩ちゃん」
『……』
芹沢に謝られたが理彩は無視である。
「あはは…こりゃあ理彩ちゃんに嫌われたかも…」
「だな」
「はぁ…仕返しを考えたバチが当たったのかも」
「は？仕返し？」
「あの爆弾事件の後で病院に行った時に先輩たちに俺に恋人がいるのを理彩ちゃんが暴露したからバレたんだよね…
ってかいつ理彩ちゃんにバレたのか謎なんだよね」
「そうか…」
「だから午前中の出来事を見て、これは理彩ちゃんの秘密を握ったと思って仕返ししようかなぁと思ったんだよね」
「なるほどな
まぁ仕方ねぇから俺が理彩の機嫌は直しておいてやるが次はフォローしきれねぇから気をつけるんだな」
「ありがとう松田」
芹沢にそう忠告する松田でした。
理彩と松田は店を出て行った。

余談だがしばらくの間、理彩は芹沢と会っても口を利かなかったらしい…。(三浦談)



















理彩がこのままではデートができる状態じゃないと判断した松田は自分のマンションに理彩を連れて来た。
『私の好きな人のことを何で芹沢さんに言わなきゃなんですか…
うー…しかも本人がいる目の前で…』
ここに来るまでは芹沢への怒りは言葉は口にしなかったがマンションに着いて部屋に入るなりソファーの上で体育座りになり文句を言う理彩であった。
松田は隣に座り理彩の話を聞いてやる。
「少し落ち着け理彩」
『無理です…
今はそっとしておいて下さい…』
理彩はそんな落ち込む自分の顔を松田には見られたくはないのか膝に顔をくっつけて一切松田を見ようとはしなかった。
「(芹沢💢余計なことしやがって！
てめぇのせいで理彩は元気ねぇじゃねぇか‼
くそっ覚えとけよ！)」
この場にいない芹沢に怒りを覚えた松田でした。
「もう気にすんな」
『…』
「まぁ俺が芹沢に恋人いるのを理彩に話したことがきっかけに繋がったみたいだな
何か悪かったな」
その言葉にパッと顔を上げる理彩。
『違います！
それなら…芹沢さんたちに話をしちゃった私がいけなかっただけで…』
「そうか…」
またすぐに理彩は顔を隠してしまった。
自分がいけなかったことは自覚している理彩は自己嫌悪に陥っているようだ。
『それに…あんな風に言われてみて…いつも私や園子に新一とのことをからかわれて真っ赤になって反論する蘭の気持ちがよく分かりました‼
すごく恥ずかしかったし真っ赤になるの分かりました!!』
自分がその状況になってみて普段の蘭の気持ちがよく分かった理彩。
「そうか」
ふと理彩が泣き出しそうな表情になる。
それを見た松田の行動は素早かった。
ぐいっと理彩の腕を自分の方に引き寄せ理彩を抱き寄せたのだ。
そして背中をポンポンと撫でて少しでも理彩を落ち着かせようとする。
『っ⁉』
松田の突然の行動に落ち込んでいた理彩のマイナス思考は停止した。
「俺に今は顔を見られたくねぇなら無理に見ねぇよ
それに、今にも泣きそうになってるそんな状態の理彩を俺がほっとけるわけねぇだろ‼」
『…っ！』
「あと、理彩不足でな
俺が理彩を充電したいだけだから気にすんな」
『…//』
松田に耳元で言われたその言葉に理彩の顔は一瞬で真っ赤になる。
もう何も考えられず…
というかそんな余裕が理彩にあるはずもなく松田に身を任せされるがままだった。





『…ぁの…陣平さん…』
理彩が少しして落ち着いたのか喋り始めた。
ただし二人は先程のままの体勢である。
「ん？どうした？」
『私…実は…
芹沢さんたちに…関係がバレちゃったと思って…どうしょうって思って…何か急に不安とか怖くなったんです…』
「そうだったのか」
『はい…』
「まぁあいつらに俺たちの関係がバレるのも時間の問題かもしれねぇな」
『はい…』