「保険？」
「公安側としては詳しく話せないが事情を知る人物は欲しい気もするってことだ
それとなくでいいから毛利探偵付近は目を光らせておいて欲しいんだ」
「分かった」
「だが…もしかしたらあの人はお前のことを知っている気もするのが気になるところではあるが…」
「はぁ!?何で俺？」
「あの人が言っていたんだ
お姫様には騎士のような番犬がそばにいるとな」
「はぁ？」
「俺が何かするようなことがあればそいつに噛まれるぞって忠告されたからな」
「は？俺は犬かよ!?」
「さぁ？だがその忠告の意味を考えてみたんだが…
あの人の言うお姫様は理彩さんのことだ
あの子に何かしてみろ…その時は番犬の警察のお前が動くぞという俺への忠告になってないか？」
「考えすぎだろ？」
「だけど、あの人のやり口から考えると理彩さんのことがお気に入りらしいから周辺を探ってそうだしな…
相手は変装の名人だ
そうそう正体を暴けないのが痛いところだ…
その情報収集の過程で刑事のお前のことを知ったと俺は考えてみた
実際、理彩さんとお前は親しいだろ？」
「そうだが」
「まぁ、とりあえずそういう状況下に毛利探偵がいるのは知っていて欲しい
俺の現状も踏まえてな
混乱させるようなこと言って悪かったな」
「まぁ…知らないところで何か動いていると…
だから用心するに越したことはねぇって？」
「あぁ」
「まぁよく分からねぇけど…気をつけてみるぜ
異変があれば知らせる」
「あぁ」
「まぁ…毛利探偵のことは正直どうでもいいが」
「いいのか!?」
「俺個人としては理彩を危険に巻き込ませないために動くだけだ」
「なぁ松田
この際だから聞いておきたいんだが？」
「何だよ？急に？」
「この前から気になっていたんだ
理彩さんとの関係」
「ん？理彩との関係？」
「あの時の説明とその後の二人の様子の矛盾が気になったんだ」
「はぁ…
お前は一応探偵なんだから何なら推理してみればいいじゃねぇか？」
「そうなんだが…あの雰囲気がどうも気になってな…」
「雰囲気？」
「甘いというか…
少女漫画みたいな雰囲気というか…
何と言ったらいいかよく分からないが…」
「まるで恋人特有のみたいってか？」
「あぁ…」
「なら…当たってるな」
「はぁ!?」
「まぁ犯罪ギリギリかもってのは前から自覚あるけどよ」
「おいっ待て松田!!
犯罪ギリギリっていう自覚があるのか!?」
「うるせぇ奴だな
雰囲気がって言うならあれは間違いなく恋人とのイチャつきだろ」
「へ?今なんて？」
安室は松田の発言に一瞬ポカーンとする。
「言った通りだぜ」
「恋人だって!?」
「あぁ」
「誰と誰が!?」
「俺と理彩」
「へ？誰と誰がだって!?」
「耳遠くねぇ？
しかも答え言ってやったのに理解遅くねぇ？お前」
「はぁ!?
お前まさか高校生に手を出したのか!?」
「おいっ人聞き悪いこと言うな！
健全な交際中だぜ」
「はぁ!?お前が健全だと？
似合わない!!」
「お前さ
俺に喧嘩売ってんのか？」
「まさか」
「ちゃんと理彩の母親の妃さんの了承をもらっての交際だ
まぁ毛利探偵と理彩の双子姉は知らねぇけどな」
「え…じゃあ恋人って事実なのか!?」
「だからそう言ってるだろ!!」
「相手が高校生ってことは…年齢が一回り…」
「12歳差だからな」
「それは犯罪だろお前」
「でもお互い同意の上だぜ
それに理彩が成人するまでどうこうしょうなんて思ってねぇし」
「松田が成長している…」
「だから💢俺に喧嘩売ってんのかよ!?お前」
「いや…ただ変化に驚いて…」
「そうかよ…」
「しかし驚いた」
「まぁ限られた人しか知らねぇし」
「は？」
「まぁ理彩の双子姉とその友人たちは知らねぇからな
理彩が俺に片思い中ってことになってるらしい」
「そうなのか!?」
「あぁ、交際知ってるのだって妃さん以外だと俺の上司の杉下と杉下の元奥さんと杉下行きつけの小料理屋の女将
あとはチビ探偵…探偵事務所の居候のコナンってチビな
それにチビ探偵の友人たちくらいだしな」
「お前の上司が知っているのか!?
報告したとかか？」
「いや…ただ妃さんに交際の了承をもらった時に杉下が隣にいたから知ってんだけどな」
「そうか」
「まぁ…若くして亡くなった萩の分も少しは幸せにならねぇと小言言われて怒られそうだしと思ってな
理彩が相手だと萩が分かったら笑い転げるか…生きてたら自分も理彩に告白とかしそうだけどな
いや萩のことだからそれよりも理彩の兄ポジションに満足してそうだな」