「佐藤刑事言ってたよね？
ナタリーさんの部屋のカレンダーにDATE(デート)って書いてあったって」
「えぇ」
「それデートじゃなかったら？」
「え？デートじゃない!?」
「デートの綴りはDATE、ローマ字読みすると"ダテ"になるじゃない！
それ伊達刑事のことなんじゃない？」
「あ！」
「なるほど」
「確かに」
「そういうことか！」
「そのカレンダーに書いてあった日は伊達刑事が泊まりに来た日とかデートの日のことだったら？」
「そっか私…彼女が英会話講師だから勝手にDATEをデートだと思い込んだのかも」
「そういうこと！
確かナタリーさんは母親に英語でメールしてたんだよね？」
「えぇ、恋人のこととかね」
「もしもだよ
親には恋人の伊達刑事のことをデートと紛らわしいDATEじゃなくて名前はワタルさんっていう警視庁の刑事だって伝えてたらどう？」
「紛らわしいから？」
「うん！」
「そのナタリーさんのご遺族の方は？」
「ナタリーさんの遺体を引き取りに行く途中で事故に…」
「そうですか…」
「じゃあ誰がその彼女の遺体を引き取りに来たんだ？」
「ナタリーさんの英会話教室の親しかった先生が来たらしいわ」
「となると、怪しいのはそいつだな」
「みたいだね」
「高木刑事を拉致した犯人はワタルって名前の刑事のことしか知らないとしたら？」
「となると、班長が死んだのを知らねぇってことになるな」
「もし1年経った今になって高木刑事が調べて伊達刑事の恋人がナタリーさんだと知って…
その遺体を引き取りに来た先生に彼女のことで報告があると事実を伝えに行ったとしたら？」
「1年経った今になってワタルという名前の刑事が自分に会いに来る…
ナタリーさんから何か聞いていてその人が変に誤解していたら…
もしかして…高木君のことをナタリーさんの恋人のワタルって刑事と勘違いしたってこと!?」
「うん！」
「それで勘違いって言い出したのか？」
「うん」
「その可能性は確かに考えられますね」
「その人物からすれば彼女を捨てたワタルって名前の刑事が今になって自分に会いに来る…
殺意くらい芽生えなくもないわね」
「でしょ？」
「ん？待てよ…確か…」
ふと何か考え込む松田。
「どうかしたの？松田君」
「あれは確か…班長の事故の2～3週間くらい前だったか…？
あいつの部屋で酒を飲んでた時に何か言ってたなってことをふと思い出してな」
「え？」
「松田君、それはどんなことでしたか？」
「俺もあいつも互いに20代後半になった頃から年齢が年齢だしな
たまに酒飲んでるといい奴はいねぇのかみたいな話になることはあった
まぁ刑事やってると出会いなんてねぇけど…
その日、そろそろ彼女との結婚も考えてるって班長が言ってたいたのを思い出してな
班長に彼女がいるのは警察学校の時から知ってるが、名前は聞いたが顔はよく知らねぇがな」
「松田刑事は他に伊達刑事のプライベートとか知らないの？」
「会うのもたまにだったからな…
もしかしたらだが、俺より理彩が知ってたりするかもしれねぇな」
「え？松田君
何で理彩ちゃん？」
「班長の住んでたマンションは理彩の住んでるマンションの近くだったからな」
「え？」
「そうだったの!?」
「前に親友の爆弾事件の話を病院でした時に妃さんにひき逃げ未遂の時の話もしただろ？」
「あっそういえば！」
「杉下も佐藤もチビ探偵もあの場にいたから聞いてただろ？」
「そういえば！そんなこともありましたね」
「ねぇ松田、それって僕も知ってる話なわけ？」
「神戸もこの部屋で理彩から話を聞いたことあるはずだぜ？」
「あっ！あの話のこと」
「確か理彩姉ちゃんがひき逃げされそうになっていたのを松田刑事と親友の人が助けたって話のだよね？」
「あぁ、それが起きた場所が理彩の住んでるマンション近くのスーパーの通りなんだぜ」
「え!?そうなの!?」
「あぁ
あの日は俺と親友の萩原が班長の住んでたマンションからそのスーパーへの買い出しに向かってた時に起きたからな」
「そうだったの!?」
「それに理彩の話によると班長もたまにそのスーパーを利用してたらしい
まぁ実際、班長の住んでたマンションからも近いしな」
「理彩姉ちゃんは伊達刑事のこと知ってるの？」
「俺と萩原と伊達と数名の同期で理彩を助けたこともあったからな
班長が刑事ってことくらいは知ってたぜ」
「そうなんだ」
「そういえば班長さ
警察学校にいる頃からすでに老け顔だったんだが…小学生の理彩は班長の年齢を勘違いしたことがあるんだぜ
分かって謝ったらしいけどな」