「理彩姉ちゃんってばそんなことしてるの!?」
「最初は遠慮したんだけどな
それじゃあ理彩の気が済まねぇらしくてな
やりたいようにやらせてたらいつの間にか定番になったな」
「でも、美味しいから！
お茶菓子にちょうどいいしね」
「そうですね」
「そうだな」
「そういえば、杉下さんのスランプ事件の時なんか、煮物まで作れちゃう理彩ちゃんにはびっくりだったけどね」
「あの杉下のスランプ事件な」
「そんなこともあったな」
「そんなこともありましたね」
「「え？スランプ!?」」
佐藤とコナンは初耳で驚く。
「実はな…杉下が役立たずなレベルになるくらいの不調だったことがあってな
まぁ原因は簡単な理由だったんだが…
杉下本人はなかなか原因が分からなくてな…
俺と神戸とそこにいる角田は話を聞いてたら理由が分かったのにな
あぁチビ探偵、この角田は隣の部屋の組織犯罪対策課の課長だ
後ろの二人はその部下
角田は特命係には毎度コーヒー貰いに来るんだ」
松田はコナンに簡単に説明した。
「そうなんだ
それで、何で理彩姉ちゃんが出てくるの？」
「それはな
解決策にと理由を理彩に話して協力してもらったんだぜ
それがさっき神戸が言ってた煮物な」
「「何で煮物…？」」
「お前らに話しても杉下のプライベートは知らねぇし…とにかく！
スランプの原因に関係するからとしか言えねぇけどな」
「そうなんだ」
「まぁ僕だってスランプになることく「「「いや、ないない！」」」…」
杉下の言葉を遮り三人からはツッコミが入る。
「おや…即答で否定されてしまいました」
「あれが初めてだろ!!」
「うんうん！」
「警部とは付き合い長いがあれが初めてだったぞ！」
「おや…僕も人ですからね
不調くらいなるんですけどねぇ…」
「へぇー、杉下警部のスランプには驚いたけどそれと同じくらい理彩姉ちゃんの警察の関係者に顔が広いことがびっくりだよ」
「そうよね」
佐藤も同意見のようだ。
「理彩のあの父親譲りの事件遭遇率からすれば現場で刑事に会うのは当然だろうからな納得できるけどな」
「あ…そうよね」
「ところで佐藤、お前どうしたんだ？
こんなところまで」
「ちょっと松田君に聞きたいことがあってね」
「俺に？チビ探偵もか？」
「うん」
「何だよ？」
「伊達さんのことよ」
「は？何で班長!?」
思わぬ名前に驚く松田。
「班長って？」
「警察学校で同じ教場でな
伊達は俺らの班長だったからな
今でも癖で班長呼びのままなんだ」
「佐藤刑事から松田刑事が伊達刑事と警察学校の同期だったって聞いたよ」
「あぁ、そうだぜ
もういねぇけど萩原も同じく班長とは同期になるけどな」
「他にはいないの？」
「さぁ？俺の知る限りでは警視庁にはいねぇよ」
「そっか…実はね」
佐藤とコナンは松田に話をした。
「はぁ!?
捜査一課の高木が何者かに拉致されたうえにそれが中継されてるタブレット端末だと!?」
「おや」
「え…何それ!?」
話を聞いた松田たちは驚く。
「それで何で班長の名前が出てくるんだ？」
「高木君が調べていた3件の自殺事件の話をコナン君にしていたらその中で高木君に関係するものがないか聞かれて…
ちょうど伊達さんの事故に関係していたし伊達さんは高木君の教育係だったしね」
「なるほどな」
「僕さ、伊達刑事の名前が高木刑事と同じワタルだって佐藤刑事から聞いてから…もしかしたらっていうある可能性に結びついたんだけど…」
「「「「可能性!?」」」」
「犯人は高木刑事と伊達刑事を勘違いしたんじゃないかってね！」
「え!?」
「はぁ!?
似ても似つかねぇあの二人を間違えただと!?」
「もし、犯人がワタルって刑事の名前しか知らなかったらどう？」
「あ…」
「それなら分からなくもねぇけど」
「それに佐藤刑事」
「何？コナン君」
「自殺した女性の中に北海道に関係ある人いなかった？」
「それなら英会話講師のナタリーさんが北海道だったはずよ」
「(ナタリー…
班長の彼女の名前だったような？)」
「昨日、光彦たちに例のタブレット端末を渡した男性の言葉に引っかかる点に気づいたんだ」
「え!?引っかかる？」
「その人は【遅くとも明日明後日(あしたあさって)に】って言ってたらしいんだ」
「明日明後日(あしたあさって)？」
「まぁ、明日か明後日にとかなら分からなくもないけど」
「それ方言なんだよ」
「「「「方言!?」」」」
「明後日のことを明日明後日(あしたあさって)って言うのは北海道の方言だから」
「よく分かりましたね？コナン君」
「あっ…知り合いに色んな方言に詳しい人がいるから…あはは…」
笑ってごまかすコナンであった。
「そうなんですか」
「それで…ここからは僕の考えなんだけど」
「聞きましょう」
「きっと亡くなったナタリーさんは伊達刑事の恋人だったんだよ」
「え!?」
「え？」
「そうきましたか…」
「あぁ、そうだぜ
警察学校に通っていた時に彼女いるって話は班長から聞いていたぜ
名前も聞いたことあるしな」