英理と有希子に連れまわされてから数日も経たないうちに有希子に突然工藤家に来て欲しいと呼び出された理彩。
『有希子さん…
いきなり家に来て欲しいなんて…何の用なんだろ？』
理彩はそう言いながら工藤家に向かった。








ピンポーン、ピンポーン
ガチャ
「待ってたわ理彩ちゃん!!」
『有希子さん』
「ごめんね、急に呼び出しちゃって」
『いえ…でも急にどうしたんですか!?』
「中に入ってから話すわ」
『そうですか？』
中に入っていく。

リビングに案内され中に入ると見知らぬ男性がそこにいた。
「おや？お客様ですか？」
中にいた男性が理彩に気づく。
「さっき話した今日の先生よ」
『え？有希子さん？
私、何も聞いてませんけど!?』
「だってこれから理彩ちゃんに話そうと思ってたんだもの」
『…有希子さんってばいつも突然なんですもん…』
「ごめんね理彩ちゃん
先に紹介しておくわね
彼は沖矢昴くん
訳あって今はうちに居候している大学院生なの」
『居候ですか？』
「実は…住んでいたアパートが火事になり住む場所に困っていたらその火事の時に知り合った小学生の子がここに居候しないかと提案してくれましてね」
『火事ですか!?大変でしたね…』
「えぇまぁ…」
「コナンちゃんが昴くんにここに居候をしたらって提案したの
もちろん新ちゃんに許可はもらってだけどね」
『コナン君が？』
「おや？コナン君を知っているんですか？」
『はい
あっ私は毛利理彩です
私のお父さんの家に居候している子なのでコナン君のこと知ってます
私はお母さんと二人暮らしなのでコナン君に会う頻度は少しなんですけどね』
「別居ですか？」
『まぁ…両親はちょっと仲が悪いので喧嘩が絶えずで…
まぁお互い意地っ張りで素直じゃないだけなんですけどね』
「おや…そうでしたか」
「まぁ小五郎君も英理ちゃんも昔からあんな感じだからね
二人とも喧嘩するほど何とかって奴だからね」
「なるほど
そうなると蘭さんと理彩さんは…」
「双子の姉妹なのよ
私は理彩ちゃんたちの母親と親友でね」
「そうでしたか」
『蘭を知っているんですか？』
「えぇ、実は先日…歯磨き中に何も知らずここに掃除に来た蘭さんと園子さんに強盗と間違えられましてね
蘭さんから攻撃されたことがありましてね」
『え!?沖矢さん大丈夫だったんですか!?』
理彩は内容に驚いた。
「えぇ、寸前で何とか受け身をとりましたので」
『沖矢さんごめんなさい!!
蘭がご迷惑おかけしました!!』
理彩は沖矢に謝る。
「お気になさらず
怪我はしてませんしその後すぐに誤解は解けまして蘭さんと園子さんにかなり謝られましたから」
『そうですか…
蘭はちょっと思い込みが激しい部分があって感情が高まったり怒ると物にあたる癖があって考えるより先に体が動いちゃうタイプなんですよ…』
「え？そうなの？理彩ちゃん」
『はい…
中学の頃に新一が私にそう愚痴ってましたしね
危うく蘭の蹴りが自分に当たるところでヒヤッとしたって…
でも…蘭の蹴りを変に避けたら足を怪我して…新一がサッカー部を辞めそうになっちゃったし…』
「そうだったの…初耳だわ
新ちゃん何も言ってなかったから」
『こんな話を他人にするのはどうかと思いますが…
実は蘭はよく電柱とか壁を素手で壊すこともあって…
あっ！壊れた電柱とか壁に関してはお父さんが修理費を払ってるらしいんです…』
「え!?」
『偶然、請求書を探偵事務所で見てしまったことがあってお父さんに話を聞いたことがあるんです…
蘭は空手をやってるからつい手が出ちゃうことがよくあって…
警察から頼まれてもないのに正義感からか蘭は犯人確保にって回し蹴りとか急所に攻撃とか平気で使っちゃうし…
凶器を持ってる犯人に平気で挑んでるし…
私にはとてもじゃないけど真似できません…
今のところまだ死人が出ないことにびっくりしますけど』
「そうですか
真似しない方が懸命ですね
ですが、武術を心得ている武術家としてはそれはどうかと思いますが」
「英理ちゃんはそれを何か言ってる？」
『お母さんには蘭もお父さんも言ってないみたいです…
蘭はお母さんにはいい子に見られたいみたいで…内緒みたいで…』
「そう…」
「理彩さんはそれを母親に話そうとしたことは？」
『何度かありますよ
でも…それを知った蘭に怒られないかって思うと怖くなって言えなくて…
なので結局は新一と私の二人だけの内緒にしてて』
「そうなの？」
『まぁ今は新一も忙しいみたいでいないので…』
「じゃあ他には誰も知らないのね!?」