「そうなのか」
『うーん…何の味かな？
でもきゅうりにつけて食べると美味しい味噌マヨっぽい気がしなくもないけど？うーん…』
真剣に悩む理彩であった。
「……」
「理彩、何か他に例えはねぇのか？」
『夏にきゅうりを味噌マヨをつけてよく食べるから味が似ていたしとっさに思い付いたんですけど？』
「なるほど…そういうことか！
安室？どうかしたか？黙ってるけどよ」
「いやー…まさか本当に食べているうちに隠し味が分かるとは思わなかったもので…驚いてしまいまして…
しかも理彩さんが初めて隠し味に気づいたお客様でしたのでそれも驚いたんですよ」
「じゃあ理彩の言ってたので正解かよ!?」
『え？本当ですか!?』
「えぇ正解ですよ！
ほんの少ししかマヨネーズに味噌は入れてませんけどね」
『正解しちゃったんですね』
「まぁ僕が元からある作り方に色々アレンジしましてね！
ハムサンドは味噌入りマヨネーズの他にもコツがあるんですよ
レタスがシャキシャキのままの冷めても美味しいハムサンドの提供できるように工夫してあったりしますけどね」
『そうなんですか!?』
「(お前一体何を目指してんだよ!?
何事も真面目過ぎるのがお前の持ち味ではあるが…まぁ気になるとそれをとことん極める奴だが極め過ぎてスパイの次は店でも出す気かお前…)」
松田は安室が偽名ということなどを知ってはいるが思わず友人にツッコミをしそうになった。
『良ければそのハムサンドの作り方教えてくれませんか？安室さん』
「いいですよ」
「ちょっと待て！簡単に教えるのかよ!?
そこは企業秘密ですとか言って教えないだろ普通…」
「秘密にするほどのレシピじゃないので」
「あ…そうかよ…」
『(やったー！これで陣平さんの思い出の味がするサンドイッチが作れる!!)』
理彩はレシピが分かれば松田の思い出の味のサンドイッチを作れると喜んだ。
安室に作り方を聞く理彩であった。
メモするのも忘れずに。
理彩が嬉しそうなので邪魔はしないが友人と楽しそうにサンドイッチの話をしてるのを少しイライラした気持ちで松田は見ていた。
『ありがとうございました安室さん』
「いえ、もし分からなくなったらいつでも聞きに来て下さいね理彩さん』
『あ…はい
(安室さんには悪いけど…ここに来るってことは探偵事務所に近寄り過ぎて事件遭遇しそうな気がするから自力でなんとかします)』
理彩は席に戻った。

「レシピ聞けたんだろ？
じゃあ理彩、さっきの宿題終わらせるぜ」
『はい』
注文してあったケーキを時々食べつつ宿題に取りかかる理彩。
松田はコーヒーを飲みながら時々教えていた。
「理彩、クリーム付いてるぜ」
『あ…//』
理彩の口元に付いていたクリームを松田は指で拭いそれを舐めた。
「…あまっ…」
松田は口直しにコーヒーを飲む。
『だって陣平さんが苦手な甘いイチゴのショートケーキだから』
「だよな…」
『行動にドキドキしましたけど//』
「わざとやってんのかと思ったぜ？」
『まさか…偶然です』
「だろうな」
二人して笑う。
『今日は夕食を奢ってもらう約束だから今度はいつもみたいな甘くないケーキはどうですか!?』
「悪くねぇな」
『じゃあ決まりです！』
「まぁ理彩の手作りなら文句はねぇから楽しみにしとくぜ」
『はい！』
それを安室は見ていて色々ツッコミそうになったがタイミングよく他のお客さんが来店したのでそちらの接客をしていた。















『終わった…』
少しして理彩は宿題を終わらせた。
「お疲れさん」
ポンポンと理彩の頭を撫でる松田。
『先生の教え方上手いから捗りました』
「そうか？」
『はい！』
「おや？もう終わったんですか？理彩さん」
安室が声をかけた。
『はい』
「あんたは休憩か？安室」
「えぇ、今日は昼からのシフトだったのでこれから休憩なんですよ」
「そうか」
『お疲れ様です』
「ありがとうございます」
「さてと…理彩そろそろ帰るか？」
『あ…そうですね！
ここにあまり長居してると事件を呼び込むお父さんに捕まりそうだし…』
「だろ？」
「また来てくださいね理彩さん！
松田さんは来なくても結構ですけどね」
「俺の楽しみを奪うなよ安室」
「そうですか？
常連になってきてるとはいえ毎日顔を見てれば見飽きますけどね」
「そうかよ…」
『あの…ちょっと疑問に思ってたんですけど…お二人はいつの間にそんなに仲良くなったんですか？』
店に入った時から気になっていたことを聞く理彩。
「話してみたら案外気が合うらしくてな」
「これまで受けた依頼の話などをしてましてね」
『そうなんですか』