あれから数日後。
松田はまたポアロにいた。
「松田さん、貴方暇人なんですか？
毎日来てませんか？
警察は暇なんですね」
「あのな安室
言っとくが、警察が暇なんじゃなくて俺のいる部署が暇なだけだ」
「そうですか」
松田が注文した物をテーブルに置きながら安室は松田と会話した。
「警察官には平日でも土日でも関係ありませんからね」
「まぁな…
せっかくの非番に急に呼び出されることもあるしな
平日もまあまあ事件は多いが土日も事件は起きるしな」
「でしょうね」
「まぁ…それにこの街の事件発生率が異常過ぎなだけだがな
上の住人の探偵は忙しいだろうがな」
松田は上の階を指さす。
ちなみに依頼があり小五郎は上にはいない。
「まぁ毛利先生は有名人ですから尚更忙しいでしょうね」
「まぁな…疫病神レベルな探偵だからな
仕方ねぇか事件を呼び込むから」
「疫病神ですか？」
「あんたも双子事件で会った目暮っていう1週間だけだが上司だった警部が毛利探偵のことを密かに疫病神って呼んでるぜ」
「そうなんですか？
ん？1週間だけの上司っていうのどういう意味ですか？」
「そのまんまだぜ
3年前に1週間だけ捜査一課にいた時の上司は目暮だしな」
「変わった経歴をお持ちなんですね」
「まぁ馴染めねぇで異動を繰り返してただけだからな
まぁおかげで色んな知識と資格を得たがな」
「おや…」
「しかし俺も暇だがあんたも暇そうだな安室？」
「今はちょうどお客が少ない時間ですからね
僕らスタッフにとってはやっと忙しいランチタイムが終わってのんびりできるってところですかね」
「なるほどな」
しばらくコーヒーを飲みながらまったりする松田であった。

カランカラン
「あれれ？松田刑事？
どうしてここにいるの？」
入って来たのは学校帰りらしいランドセルを背負ったコナンだった。
「よっ！チビ探偵」
「珍しいところにいるんだね？」
「ここにはコーヒーを飲みに来たんだぜ」
「松田刑事はコーヒー派だもんね」
「そういうことだ」
「やぁコナン君」
「安室さんこんにちは」
「毛利先生なら依頼があって今は留守だよ」
「へぇーそうなんだ
安室さんはおじさんについて行かなかったの？」
「まぁね
ただ毛利先生は慌てて出て行ったからね…
事務所とかの戸締まりをしてないから僕が代わりにここで見張りをしてるんだよ」
「おじさん…戸締まりをしてから出かけてよ…」
「余程急いでたんだな毛利探偵」
「みたいだよ」
「きっとおじさんのことだから依頼人が美人さんとか依頼の報酬聞いて飛び出したとかそんな感じだと思うよ？
よくあるし…」
「そんな風に女にだらしねぇから妃さんと理彩に逃げられたままになるんだぜ毛利探偵…
もう何年だったか？」
「確か…蘭姉ちゃんと理彩姉ちゃんが10年くらいって言ってた気がするよ？」
「マジか…
そんなんだったら普通離婚してるだろ
まぁ不器用ながらも娘思いの妃さんなら娘たちのためにもって高校卒業までは離婚は選ばねぇか」
「詳しいね松田刑事」
「そりゃあ、何かあれば知らせてくる情報提供者がいるからな」
「なるほど」
「確かに他人の家庭事情に詳しすぎますね松田さん」
「まぁ俺は毛利探偵より妃さんの方が親しいからな」
「そうだよね」
「そういえばその妃さんとはどなたなんですか？」
「そっか…安室さんはおじさんの弟子になったばかりだから英理おばさんとまだ面識ないよね？
英理おばさん…妃さんは小五郎のおじさんの奥さんだよ！
蘭姉ちゃんと理彩姉ちゃんのお母さんだよ
英理おばさんと理彩姉ちゃんは一緒に暮らしてるんだよ」
「毛利先生の!?初耳ですよ!?」
「訳ありの別居中だがな」
「訳ありですか!?
あ…だから事務所で見かけないのか…納得です」
「まぁ別居はほぼおじさんのせいだけどね」
「夫婦喧嘩の末に怒った妃さんが理彩だけ連れて家出したんだけどな」
「家出!?」
「まぁ別居してから妃さんは弁護士として活躍しているから妃さんにとってはよかったんじゃねぇか」
「かもね…
逆におじさんは刑事辞めて私立探偵になって貧乏だけど…
蘭姉ちゃんが色々苦労してるし…まぁほぼおじさんのお酒代に生活費消えていくって頭抱えてる…
たまに英理おばさんから援助はあるみたいだけど…」
「だろうな…」
「僕の探偵の授業料の報酬の金額を上げた方がいいかな？コナン君」
「どうだろ？おじさんが余計に調子に乗るからほどほどにした方がいいって蘭姉ちゃんは言うと思うよ」
「そっか…」
「授業料まで払ってんのか!?」
「さすがにタダで教えてもらうわけにはいきませんからね」
「あ…そう…」
「そういえば松田刑事？」
「どうした？」
「今日は杉下警部と一緒じゃないんだね？」
「俺たちはいつも一緒に行動するわけじゃねぇからな
まぁ杉下はこの店の紅茶飲むくらいなら自分のマイセットで優雅に特命部屋で読書しながら紅茶タイムだな」
「へぇー」