「驚いたけどさ
毛利の普段からの様子に納得した」
『え？』
「お前さ
男子に告白されても友達ならとかって言って興味ありませんって玉砕するだろ
泣いた男たちは陰ながら結構いるぜ」
『知らない人だから…興味ないだけなんですけど？』
「だから他校の奴か年上かもって唯と俺は密かに中学から思ってたぜ」
「うんうん！」
『え…』
「ほぅ…理彩はモテるんだな」
「理彩のほんわかってした守ってあげなきゃって雰囲気が男子には人気あるらしいんです
蘭にはない雰囲気だから蘭よりモテるよね理彩」
『蘭にはすでにクラス公認の新一がいるから大丈夫でしょモテなくても』
「「確かに!!」」
「まぁ理彩の守ってやらなきゃって雰囲気ってやつは俺も分かるぜ」
『え…松田さん？』
「危なっかしいからな理彩
事件に巻き込まれすぎだし
俺の手の届く範囲にいてもらわねぇといざって時に守ってやれねぇぞ」
『分かってます！』
「やっぱり理彩を気遣う言葉とか何もかも言動がカッコいいよ!!松田刑事
理彩も早く松田刑事に告白すればいいのにさ
片思い長すぎ！」
「だな」
『唯!?何で本人の目の前で言っちゃうのよ!!』
「焦れったいから！」
『…今度言うから今はいいんだよ
あ…そうだ！手塚！
今がチャンスだよ！』
「え…俺？」
『このタイミングでさっきの聞いてみたら？』
「無理無理！」
「どうかしたのか？」
「やっぱり無理」
『言う前に何でダメって思うの？
多分大丈夫だから』
「え…多分って…おい…」
「手塚君はどうされたんですか？理彩さん？」
杉下が困っている手塚を見て理彩に聞いた。
『松田さんにお願いがあるんだよね』
「お願い？」
「松田刑事を兄貴って呼んでいいですか!!
サングラスがとにかく似合いすぎだ！
お手本にしたいです…ダメですか!!」
「「「『……』」」」
しーん…
「頼む…誰か反応してくれ…」
「突然すぎてびっくりする内容ですね」
『ですよね…』
「ってか徹？
何でサングラス？」
「やっぱり男として憧れるじゃん！
大人になったら似合う男になりたいとかさ」
「あ…そう…」
「おいそこの小僧」
「はい!!」
「ちょっとこっち来い」
ぐいっ
「へ？あっはい」
何故か手塚は松田に引っ張られるように理彩たちから離れていく。








「この辺でいいか…」
「…」
「さっきのだがな」
「あっはい！」
「別に好きに呼べ
ただし…グラサン呼びしたら覚悟しとけよ」
「はい!!
毛利にも絶対に松田さんをグラサン呼びするなってさっき言われましたから大丈夫です」
「理彩が？そうか…」
「もしかして禁句に近いっぽい感じッスか？」
「あれは伊丹って刑事が悪い
サングラスしてなくても気づくだろ普通…」
そういうと松田はサングラスを外しスーツの胸ポケットに差し込む。
「サングラスがないのもカッコいいッス兄貴…あっやべ…勢いで言っちゃった」
「好きに呼べって言っただろ」
「はい！
できれば俺のことは名前がいいッス」
「調子に乗るなバカ」
「えー…」
「気が向いたらな」
「お待ちしてますッス」
「面白い奴だなお前…」
「ちなみに聞きますけど」
「何だ？」
「兄貴は…ぶっちゃけ毛利のことをどう思ってますか？」
「…」
「理彩は俺の大切な奴だ」
「そうですか！
早く毛利は告白すればいいのにさ
何をモジモジしてんだか」
「気にしてねぇさ」
「大人の余裕…」
「お前…理彩に惚れてたことあるだろ？」
「えー何で分かったっすか!?」
「やっぱりか…
さっきの陰ながら泣いた男がって言葉のが妙に感情が入ってたからな」
「あ…はい…そうでした
中学の時に告白したことありますけど例の言葉で玉砕されました
その時に毛利に言われた言葉で自分が本当は誰が大事か気づかせてくれたので毛利にはすげぇ感謝してますし友人関係の方がしっくりくるんで今の関係で満足してます」
「お前の大事な奴？」
「幼なじみの唯です」
「そうか…なら安心だな」
「え？」
「お前がさっきいつだったか街中で俺と理彩を見たことがあるって言ってたろ？」
「はい！言いました
実は尾行してたんですけど…いつの間にか見失ったんですけどね」
「そうか…実はな
尾行してるお前に俺が気づいて撒いたに決まってんだろ!!!!
刑事だから尾行されてるの気づくに決まってんだろ!!」
「えー!?そうだったんっすか!?」
「まぁ、そういうことなら害はなさそうだな
場合によってはお前に釘を刺しておく必要があったがな」
「えー…」
「お詫びと言ってはなんだが…
ちょっとサングラスかけてみねぇか？」