荒船と出水の師匠シリーズ
荒船と出水の師匠シリーズ・短編詰め
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スマボの話
ノーマルトリガーの群れの中に黒トリガーが2つ。初っ端から出現モーションが掛かる画面をじいっと見つめる。黒い長そでに青い線、これは!もしや!
「来たああああ…ッ!」
しゃきーん、と音を立てて出現したのは、待ちに待った、待ち望んだ☆5弧月の荒船くんだった。
「うわ!うわー!本物だ、夢じゃない!」
「どしたんです?」
私の叫びに、前に座っていた出水くんが首を傾げた。この嬉しさを受け止めてもらおうと、しゅばっとスマホの画面を出水くんの前に掲げる。
「みてみてみて出水くん!☆5荒船くん!やっと来てくれた!」
「おー、おめでとうございます。良かったですね」
「良かったあー!今まで☆4で頑張ってたけど報われたー!あああ弧月の荒船くん格好良い、この顔ほんと格好可愛い…!あ、」
画面を撫でようとした指先はタッチと認識されて画面が進んでいく。10連回した最初が☆5荒船くんで、残りは☆4の犬飼くん×2、荒船くん、茶野くん、北添くん、絵馬くん、辻くん、太一くんと☆5の春秋さんだった。
「お、春秋さん+2だ」
「☆6ですか?」
「☆5だよ、☆6春秋さんはまだ。このまま出水くんも☆6出ないかなー」
☆5の出水くんはいるけど、☆6はいないからな、とガシャのページをタップする。
「今日はB級部隊のピックアップでしょ?おれは出ないんじゃないですかね」
「んん、じゃあクリスタル取っておく」
「その方が良いと思います」
ガシャのページを閉じて、装備変更しようと荒船くんを探す。チャイナ服を装備した荒船くんのトリガーをイーグレットから弧月へと変更する。かわいい。
「あーほんとに荒船くんだ…この荒船くんが私のもの…なんて幸せなんだ…」
「ふ、出るまで結構かかりましたよね」
「配信から何回も引いたけど一向に来ないままだったから、嬉しさもすごいね。気分いいからお祝いに飲み物奢ろう。これで好きなの買っておいで」
「わ、あざっす。蒼さんなんか飲みます?」
「暖かいココアを!」
「りょーかい」
出水くんにお金を渡してココアをお願いして、うきうきで画面の荒船くんを見つめる。今のイベント、チャイナ装備メンバーに荒船くんがいるからちょっと戦いやすくなるなーとにこにこする。イーグレット装備だと足が遅くて木虎ちゃんに開始早々ぼこられてたから。
「んふふ」
荒船くんの為に取り置いてたチップ達よ、今こそ使われる時だ!とチップを埋めていれば上から落ち着いた声が降って来た。
「随分機嫌が良さそうですね」
その声にぱっと顔を上げれば、出水くんと一緒に噂をしていた本人がやってきた所だった。
手にはお茶のカップを持っていて、にこにこした出水くんが「そこにいたので呼んじゃいました」と笑う。でかした。
「みてみて荒船くん、やっと☆5の荒船くんが来たの!」
「?ああ、スマボですか」
「そう!やっと!すごい嬉しいんだ!」
「良かったですね」
「うん!」
本物の荒船くんに画面の荒船くんを自慢しつつ前の席を勧める。出水くんと隣り合わせで座った荒船くんが自分の携帯を取り出してスマボを起動した。
「俺は実装時にもらいましたけどね」
モデルになったボーダー隊員は、御礼もかねて実装と同時に最高ランクの自分のキャラクターが配布されるのだ。配信開始と共にB級以上のボーダー隊員は全員スマボのIDが付与されているから、そのIDを管理している開発室の面々からキャラクターが届くのだ。
「出水くんも☆6貰ってるもんね」
「そうですねー」
羨ましい制度だ、と呟けば荒船くんがふとこちらを見た。
「そういや、蒼さん実装いつなんですか?」
「それはおれも聞きたい」
2人にじっと見られて、ボーダーの黒トリガーは悠一だけだもんなあと考える。
「私はまだ話来てないよ。するとしても、しばらく先なんじゃない?」
「あー、天羽も実装してませんもんね」
「☆7で出そうですけど」
「出るかなー…あ、」
荒船くんを強化していて、問題に行き詰った。
「どうしました?」
「チップが足りない…!」
セットできる1番上のチップは迅速なり俊足なり保管してあったけど、その途中のやつが半端にしかなかった。
「う、わ、困った」
「任務は?」
「3つ出してるけど、帰ってくるまで大分時間ある…」
とりあえず出来る所まで強化してみて、イーグレットのものと並べる。攻撃力、弧月200以下、イーグレット+10は400後半。
「…ごめんっ」
「あ」
折角装備した弧月をイーグレットに変更する。だめだ攻撃力低すぎる、これじゃ木虎ちゃんより早くても一撃くらったら緊急脱出だ。
「しばらくこっちでいてくれ…」
ごめん…と謝った私に、出水くんと荒船くんが苦笑した。
せっかくだからチップ集めに行こう、と呟いた私に荒船くんが聞いてくる。
「蒼さんのパーティ、いま誰なんです?」
「メインは中距離メンバーかな。悠一と風刃の三輪くんと、玲ちゃんとアフトのミラ。出水くんか匡貴さんが居ないから2属性に偏ってる」
「イベントもそのメンバーですか?」
「ううん、イベントは☆6蒼也さんと、☆5の加古さんと雨取ちゃんと☆4の荒船くん。半ば意地で荒船くん入れてる」
「おれはいないんですかー」
「チャイナの出水くん来なかったんだよねー。せっかくだから2人ともチャイナイベントやろ」
道連れだ!と2人をせかしてスマボのクエストボタンを押した。
スマボ事情
☆5荒船くん記念
(慶さん全然捕まらない)
スマボ、荒船くん来ました記念にさくっと書き上げました。
荒船くん来てくれて本当嬉しいけどチップが無くて実戦投入できない。
20240808追記、いつか復活するのをずっと待ってる