荒船と出水の師匠シリーズ
荒船と出水の師匠シリーズ・短編詰め
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冬島さんと開発室にて
「蒼よォ、暇してんなら手伝えや」
「暇してないですよ」
テーブルに置かれたお茶を飲んでお菓子をつまみつつ、私の真向いのソファに座ってわざわざ遠くの席から持ってきたパソコンと向かい合ってキーボードを叩く冬島さんに応える。
「どう見ても暇してんだろ」
「何言ってるんです、全力で涼んでる最中ですよ」
本部の中で1番涼しい場所、開発室。
そこの片隅に申し訳程度に置かれたソファにごろんと寝そべって、クーラーの効いた涼しい空間をこれでもかと堪能していた。
「自分の部屋で涼めばいいだろ」
「クーラーの調子悪いんですよ。直してもらおうと思ったんですけど、鬼怒田さんは会議中だったし…帰ってくるまで待ってようかと」
「なんで俺に頼まねェんだよ」
クーラーくらいなら直してやれるぜ、という冬島さん。
しかし以前、手が空いてると言った冬島さんにトリオン体の調整を頼んだら割に合わない面倒な仕事を交換条件に出されたのだ。
「冬島さんに頼むとメンドクサイ要求が来そうだったんで」
「よくわかってんなオイ」
チッと舌打ちする冬島さん。なんだかんだ言いながらも目線はパソコンのまま、指先もずっとキーボードを叩き続けている。
「これ見よがしに俺の前でぐうたらしやがって」
「後から来たの冬島さんでしょう」
後から来た人間がとやかく言うのは反則ですよ、と言えば冬島さんは不服そうに私を見た。いやいや騙されないぞと見ていれば、冬島さんはポケットをごそごそ漁って1粒の飴玉を取り出した。ちょっと大きめの、ざらめの付いた水色の飴玉を包むフィルムの端を持って冬島さんが問いかけてくる。
「やろうか」
「冬島さんが飴持ってるなんて珍しい。明日槍でも降るんじゃないですか」
「ひっでえな、当真から貰ったんだよ」
明日蒼が模擬戦してる時に設定弄って本当に槍降らすぞ、と目を細める冬島さんがほれ、と手を伸ばして飴玉を取るように促す。
「…それ手間賃にして何かに付き合せるなんてことはないですよね」
「チッ」
「舌打ち2回目ですよ」
悪い大人だ、と手を伸ばさないでいれば冬島さんが飴玉をぽいっと私の方へ投げたのでとりあえず落とさない様にキャッチした。
「無償でやるよ」
「む、じゃあいただきます」
ぺり、とフィルムを破いて飴玉を取り出す。ぽいっと口に放り込めば、サイダーのしゅわしゅわした甘い味が口の中に広がった。
うまうまと飴玉を転がしていれば、それはもうこれでもかと溜息をつく冬島さん。
「そんなに忙しいんですか」
「あー忙しいね。午後から会議だってのにそれの資料は出来てねえし、この前放棄地帯に設置したトラップには太刀川が引っかかるし、他のメンテもこなさなきゃなんねえし」
「それは大変ですねえ」
「太刀川から助けろって連絡来てんだけど、忙しくて1時間放置してるし」
「わー」
この炎天下じゃあ干からびてるんじゃないの、と思いながら飴玉を転がす。トリオン体なら大丈夫か。大丈夫だろうな。
「なあ蒼、太刀川拾いに行ってやってくんね?」
「ああ、それくらいなら行きますよ」
「まじかラッキー、言ってみるもんだな。待ってろ、解除コードあるからそれ覚えてってくれ」
「了解」
「あった、コードこれな」
私の返事にぱあっと表情が明るくなった冬島さんが、がさがさ紙を取り出して赤丸のついたところを指差す。そこに書かれていた15桁の英数字を覚えて、がたりと席を立った。
「帰ってきたらなんか奢ってやるよ」
「あ、じゃあ今日のお昼ご飯がいいです」
「りょーかい」
頼むなーと手を振る冬島さんに返事をして、快適な開発室から歩き出した。慶さんを助け出したら、冬島さんと快適空間でお昼ご飯だ。
開発室にて
冬島さんのお手伝い
(慶さん助けに来たよ)
(やっとか)
思ったより短くなってしまった
このあと冬島さんに当真くんとうなぎ奢ってもらう
「蒼よォ、暇してんなら手伝えや」
「暇してないですよ」
テーブルに置かれたお茶を飲んでお菓子をつまみつつ、私の真向いのソファに座ってわざわざ遠くの席から持ってきたパソコンと向かい合ってキーボードを叩く冬島さんに応える。
「どう見ても暇してんだろ」
「何言ってるんです、全力で涼んでる最中ですよ」
本部の中で1番涼しい場所、開発室。
そこの片隅に申し訳程度に置かれたソファにごろんと寝そべって、クーラーの効いた涼しい空間をこれでもかと堪能していた。
「自分の部屋で涼めばいいだろ」
「クーラーの調子悪いんですよ。直してもらおうと思ったんですけど、鬼怒田さんは会議中だったし…帰ってくるまで待ってようかと」
「なんで俺に頼まねェんだよ」
クーラーくらいなら直してやれるぜ、という冬島さん。
しかし以前、手が空いてると言った冬島さんにトリオン体の調整を頼んだら割に合わない面倒な仕事を交換条件に出されたのだ。
「冬島さんに頼むとメンドクサイ要求が来そうだったんで」
「よくわかってんなオイ」
チッと舌打ちする冬島さん。なんだかんだ言いながらも目線はパソコンのまま、指先もずっとキーボードを叩き続けている。
「これ見よがしに俺の前でぐうたらしやがって」
「後から来たの冬島さんでしょう」
後から来た人間がとやかく言うのは反則ですよ、と言えば冬島さんは不服そうに私を見た。いやいや騙されないぞと見ていれば、冬島さんはポケットをごそごそ漁って1粒の飴玉を取り出した。ちょっと大きめの、ざらめの付いた水色の飴玉を包むフィルムの端を持って冬島さんが問いかけてくる。
「やろうか」
「冬島さんが飴持ってるなんて珍しい。明日槍でも降るんじゃないですか」
「ひっでえな、当真から貰ったんだよ」
明日蒼が模擬戦してる時に設定弄って本当に槍降らすぞ、と目を細める冬島さんがほれ、と手を伸ばして飴玉を取るように促す。
「…それ手間賃にして何かに付き合せるなんてことはないですよね」
「チッ」
「舌打ち2回目ですよ」
悪い大人だ、と手を伸ばさないでいれば冬島さんが飴玉をぽいっと私の方へ投げたのでとりあえず落とさない様にキャッチした。
「無償でやるよ」
「む、じゃあいただきます」
ぺり、とフィルムを破いて飴玉を取り出す。ぽいっと口に放り込めば、サイダーのしゅわしゅわした甘い味が口の中に広がった。
うまうまと飴玉を転がしていれば、それはもうこれでもかと溜息をつく冬島さん。
「そんなに忙しいんですか」
「あー忙しいね。午後から会議だってのにそれの資料は出来てねえし、この前放棄地帯に設置したトラップには太刀川が引っかかるし、他のメンテもこなさなきゃなんねえし」
「それは大変ですねえ」
「太刀川から助けろって連絡来てんだけど、忙しくて1時間放置してるし」
「わー」
この炎天下じゃあ干からびてるんじゃないの、と思いながら飴玉を転がす。トリオン体なら大丈夫か。大丈夫だろうな。
「なあ蒼、太刀川拾いに行ってやってくんね?」
「ああ、それくらいなら行きますよ」
「まじかラッキー、言ってみるもんだな。待ってろ、解除コードあるからそれ覚えてってくれ」
「了解」
「あった、コードこれな」
私の返事にぱあっと表情が明るくなった冬島さんが、がさがさ紙を取り出して赤丸のついたところを指差す。そこに書かれていた15桁の英数字を覚えて、がたりと席を立った。
「帰ってきたらなんか奢ってやるよ」
「あ、じゃあ今日のお昼ご飯がいいです」
「りょーかい」
頼むなーと手を振る冬島さんに返事をして、快適な開発室から歩き出した。慶さんを助け出したら、冬島さんと快適空間でお昼ご飯だ。
開発室にて
冬島さんのお手伝い
(慶さん助けに来たよ)
(やっとか)
思ったより短くなってしまった
このあと冬島さんに当真くんとうなぎ奢ってもらう