荒船と出水の師匠シリーズ
荒船と出水の師匠シリーズ・短編詰め
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影浦くんと大きさ比べ
「い、っ!」
「あ?」
「唇切れた…!」
笑った拍子に下唇がぴしっと割れて激痛がはしった。瞬時に顔を下に向けて痛みに耐えていれば、話し相手の影浦くんから頭をぺしぺし叩かれる。
「わざわざ下向かなくっていいっつーの」
「だ、って痛いでしょ」
「いてえけど」
「なら駄目でしょうよ…」
私の感情が伝わってしまうのだから、影浦くんにまで痛い思いをさせるわけにはいかない、と下を向いて首を振っていればがしりと頭を捕まれた。
「構わねえって」
「ちょ、なんでだ、わざわざ痛い思いをしなくていいじゃない…!」
ぐぐ、と大きな手に顔を上げられて悲鳴をあげる。このやろう、と睨みつければ一瞬だけ顔をしかめて影浦くんが手を離した。
「、いてえ」
「だから言ったじゃん…自業自得だぞ…」
「気にしねえっつってんだろ」
びりびりする唇に指を滑らせれば、うっすらと赤い色がついた。うげ、そんなに深く切れたかとティッシュを探して唇にあてていれば、頬杖をついた影浦くんが聞いてくる。
「蒼サン、リップとか持ってねえの?」
「持ってるんだけど…最近乾燥してるから修復が追いつかなくて」
血が止まったのを確認してティッシュをポケットに突っ込み、かわりにリップクリームを取り出す。半開きにした唇にリップを塗り込んで、馴染むように唇をむにむに擦り合わせる。
「んん、これ以上悪化しないと良いけど…」
リップクリームを仕舞い込んで、ついでに手にも塗っておくかとハンドクリームも取り出した。結構前から愛用してる、ジャスミンの香りのハンドクリーム。
「ん」
「ん?」
にゅるりとハンドクリームを掌に押し出せば、影浦くんがふと声を上げた。その声に首を傾げれば、影浦くんがすん、と鼻を鳴らしてぽつりと呟く。
「それ、なんかいい匂いするな」
「ジャスミンだよ、つけてみる?」
「遠慮する」
なーんだ、とキャップを締めようとしたところで、影浦くんの手がカサカサしていることに気付いた。気付いてしまった。
「……いいっつってんだろ」
私の視線を受けて、影浦くんが警戒するような声を上げた。だがしかしキャップを置いて再びハンドクリームをにゅるりと出せば、諦めたように溜め息を吐いた。
「影浦くん、お手を拝借」
「いやだ」
「ならば攫うまでだ」
「あ」
最後の抵抗でテーブルの下に逃げかけた手をひょいと掴んで、反対の手でぺったりとクリームを塗りつける。絶望的な声を上げた影浦くんを他所に、かさかさしている手に万遍なくクリームを塗り込んだ。
「いいっつってんのに…」
「ふははは潤ってしまえ」
抵抗を諦めたらしい影浦くんの、反対の手にもクリームを塗り込む。大人しくしてくれてるなら、抵抗しない内にさっさとやってしまうに限る。
「だけど、影浦くんも男子だなあ…」
「あ?なにが」
「手がおっきい」
しっかりハンドクリームを塗り込んで、広げられたままの影浦くんの手のひらに自分の手のひらをくっつける。しっかりした男の人の手は、どうみても指の関節いっこぶんは離れてる。おっきな手だ。
「こんなもんだろ、つーか俺より荒船とか当真のがでけえぞ」
「そうなんだ」
確かにスナイパーはみんな手がおっきい感じがする、と言いながら反対の手も合わせてみる。やっぱりおっきい。
「蒼サンの手はちっせえな」
「そりゃあ君たちに比べたらちっさいでしょうよ」
「やわらけえし」
手を離した影浦くんに手を捕まれてむにむにされるので、反対の手で空いてる方の影浦くんの手のひらをさわる。短く切りそろえられた爪に、ごつごつした節ばった指。
「……なにしてるんですか」
「やっときたか」
「あ、荒船くんお疲れさまー」
手をさわりあっていたら、ふと落ちてきた声に顔を上げる。待ち合わせをしていた荒船くんが姿を現したところだった。不機嫌そうにこちらにやってきた荒船くんは、影浦くんを押しのけるようにして彼の隣に座り込んだ。
「ねえ荒船くん、ちょっと手ぇ見せてくれる?」
「?はい」
手のひらを上にして差し出された左手をくるりと回して、自分の手のひらと合わせる。手のひらおっきい。指長い。影浦くんは関節いっこぶん位だったけど、荒船くんは…
「あ、ほんとだ影浦くんよりおっきい」
「だろ?」
「…蒼さんの手、ちいさいですね」
「だろうねえ」
影浦くんにも同じことを言われたわ、と思いながら頷く。すっと手を離した荒船くんにも手を取り直されて、むにむにされてしまう。
「蒼サンの手、ついさわりたくなっちまうだろ?」
「あ」
頬杖をついてこちらを見る影浦くんがからかい気味に言った言葉に、荒船くんがはっとしたように私の手を離した。
「すみません、勝手に」
「いーえ」
「んじゃ、荒船来たし模擬戦しようぜ。三つ巴」
「乗った!ほらいこ荒船くん!」
「あ、了解」
がたがたと3人で席を立って、負けた奴が昼飯奢りなー、なんて言い合いながら模擬戦をしにランク戦ブースへと足を向けた。
手のひら
男の子の手はおっきい
(今度当真くんとかもさわらせてもらおう)
影浦くんは指が長そうで、荒船くんは手のひらが大きそう
「い、っ!」
「あ?」
「唇切れた…!」
笑った拍子に下唇がぴしっと割れて激痛がはしった。瞬時に顔を下に向けて痛みに耐えていれば、話し相手の影浦くんから頭をぺしぺし叩かれる。
「わざわざ下向かなくっていいっつーの」
「だ、って痛いでしょ」
「いてえけど」
「なら駄目でしょうよ…」
私の感情が伝わってしまうのだから、影浦くんにまで痛い思いをさせるわけにはいかない、と下を向いて首を振っていればがしりと頭を捕まれた。
「構わねえって」
「ちょ、なんでだ、わざわざ痛い思いをしなくていいじゃない…!」
ぐぐ、と大きな手に顔を上げられて悲鳴をあげる。このやろう、と睨みつければ一瞬だけ顔をしかめて影浦くんが手を離した。
「、いてえ」
「だから言ったじゃん…自業自得だぞ…」
「気にしねえっつってんだろ」
びりびりする唇に指を滑らせれば、うっすらと赤い色がついた。うげ、そんなに深く切れたかとティッシュを探して唇にあてていれば、頬杖をついた影浦くんが聞いてくる。
「蒼サン、リップとか持ってねえの?」
「持ってるんだけど…最近乾燥してるから修復が追いつかなくて」
血が止まったのを確認してティッシュをポケットに突っ込み、かわりにリップクリームを取り出す。半開きにした唇にリップを塗り込んで、馴染むように唇をむにむに擦り合わせる。
「んん、これ以上悪化しないと良いけど…」
リップクリームを仕舞い込んで、ついでに手にも塗っておくかとハンドクリームも取り出した。結構前から愛用してる、ジャスミンの香りのハンドクリーム。
「ん」
「ん?」
にゅるりとハンドクリームを掌に押し出せば、影浦くんがふと声を上げた。その声に首を傾げれば、影浦くんがすん、と鼻を鳴らしてぽつりと呟く。
「それ、なんかいい匂いするな」
「ジャスミンだよ、つけてみる?」
「遠慮する」
なーんだ、とキャップを締めようとしたところで、影浦くんの手がカサカサしていることに気付いた。気付いてしまった。
「……いいっつってんだろ」
私の視線を受けて、影浦くんが警戒するような声を上げた。だがしかしキャップを置いて再びハンドクリームをにゅるりと出せば、諦めたように溜め息を吐いた。
「影浦くん、お手を拝借」
「いやだ」
「ならば攫うまでだ」
「あ」
最後の抵抗でテーブルの下に逃げかけた手をひょいと掴んで、反対の手でぺったりとクリームを塗りつける。絶望的な声を上げた影浦くんを他所に、かさかさしている手に万遍なくクリームを塗り込んだ。
「いいっつってんのに…」
「ふははは潤ってしまえ」
抵抗を諦めたらしい影浦くんの、反対の手にもクリームを塗り込む。大人しくしてくれてるなら、抵抗しない内にさっさとやってしまうに限る。
「だけど、影浦くんも男子だなあ…」
「あ?なにが」
「手がおっきい」
しっかりハンドクリームを塗り込んで、広げられたままの影浦くんの手のひらに自分の手のひらをくっつける。しっかりした男の人の手は、どうみても指の関節いっこぶんは離れてる。おっきな手だ。
「こんなもんだろ、つーか俺より荒船とか当真のがでけえぞ」
「そうなんだ」
確かにスナイパーはみんな手がおっきい感じがする、と言いながら反対の手も合わせてみる。やっぱりおっきい。
「蒼サンの手はちっせえな」
「そりゃあ君たちに比べたらちっさいでしょうよ」
「やわらけえし」
手を離した影浦くんに手を捕まれてむにむにされるので、反対の手で空いてる方の影浦くんの手のひらをさわる。短く切りそろえられた爪に、ごつごつした節ばった指。
「……なにしてるんですか」
「やっときたか」
「あ、荒船くんお疲れさまー」
手をさわりあっていたら、ふと落ちてきた声に顔を上げる。待ち合わせをしていた荒船くんが姿を現したところだった。不機嫌そうにこちらにやってきた荒船くんは、影浦くんを押しのけるようにして彼の隣に座り込んだ。
「ねえ荒船くん、ちょっと手ぇ見せてくれる?」
「?はい」
手のひらを上にして差し出された左手をくるりと回して、自分の手のひらと合わせる。手のひらおっきい。指長い。影浦くんは関節いっこぶん位だったけど、荒船くんは…
「あ、ほんとだ影浦くんよりおっきい」
「だろ?」
「…蒼さんの手、ちいさいですね」
「だろうねえ」
影浦くんにも同じことを言われたわ、と思いながら頷く。すっと手を離した荒船くんにも手を取り直されて、むにむにされてしまう。
「蒼サンの手、ついさわりたくなっちまうだろ?」
「あ」
頬杖をついてこちらを見る影浦くんがからかい気味に言った言葉に、荒船くんがはっとしたように私の手を離した。
「すみません、勝手に」
「いーえ」
「んじゃ、荒船来たし模擬戦しようぜ。三つ巴」
「乗った!ほらいこ荒船くん!」
「あ、了解」
がたがたと3人で席を立って、負けた奴が昼飯奢りなー、なんて言い合いながら模擬戦をしにランク戦ブースへと足を向けた。
手のひら
男の子の手はおっきい
(今度当真くんとかもさわらせてもらおう)
影浦くんは指が長そうで、荒船くんは手のひらが大きそう