荒船と出水の師匠シリーズ
荒船と出水の師匠シリーズ・短編詰め
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蒼さんは進学校卒
進学校組を助けに来ました
平日の昼間、防衛任務に就いていたら門の出現を告げるサイレンが鳴り響いた。
『――門発生、門発生。市街地に門が開きます。近隣の住民は避難してください』
「あれっ、市街地か」
珍しいなと思いながら、座っていた本部の屋上の端から立ち上がった。そのすぐ後に通信機から忍田さんの声が聞こえてくる。
『蒼、聞いたな。詳細を伝えるから向かってくれ』
「了解」
西へ、と言われたのでぴょいと本部から飛び降りる。市街地なら急いだほうが良いだろうと、グラスホッパーを連続起動して西へ飛んだ。
◆
眼下にある六頴館高等学校には、校庭に逃げる生徒達の後ろから迫るバムスターの姿が見えた。その両脇からは2体のモールモッドが迫っている。
ボーダー隊員の姿はここからでは見えない。
「七草現着、迎撃に入ります」
手早く本部に通信を入れ、学校では射手より攻撃手の方が良さそうだと判断する。落下しながら弧月を生成、グラスホッパーで位置を調整しながらモールモッドに斬りかかった。
「せ、ッ!」
ぎゃりんっと嫌な音を立ててモールモッドの振り上げた腕を切り落として着地、素早く立ち上がりざまに腕を振りぬいて目を薙いだ。残り2体。バムスターは鈍いから後回しでいい、狙いはこちらに駆けてくるもう1体のモールモッド。
「さ、おいで」
誘うようにゆるく弧月を構えれば、モールモッドのぎらつく刃が振りかぶられた。空気を切り裂く音をさせながら通過する刃を1歩引いてやりすごし、反動でがら空きになった懐に踏み込んだ勢いで目を切り裂く。がしゃっと倒れたモールモッドを一瞥して、残りのバムスターへ狙いを定めたところで2つの弾丸が飛んできて綺麗にバムスターの目を砕いた。
「あ」
今のはスナイパーだな、と弾丸の飛んできた方を見れば校舎の屋上に2つの人影が見えた。ここはいわゆる進学校のほうだし、三輪隊の奈良坂くんと古寺くんだろうか。ちらりと見たレーダーにはトリオン兵の反応がないし、今のでお仕舞いかなと本部へ連絡を入れる。
「本部、こちら七草。トリオン兵の殲滅完了しました」
『ご苦労だったな。被害の状況を確認し、生徒たちの対処にあたってくれ』
「了解」
とりあえず彼らがこちらに来る前に現状確認だな、と校庭に避難してきた生徒たちの方を振り向いた。
市街地に門が開く事なんて滅多にないから、ざわざわと騒がしい中で生徒たちの確認をする校長先生を見つけて近づいた。
多くの先生たちから報告を受けつつ私の姿を見つけた校長先生は、ぱっと表情を和らげた。
「七草が来てくれたのか!」
「校長先生、お久しぶりです。現れたネイバーは全て殲滅し、安全を確立しました。全員無事ですか?怪我人や逃げ遅れた人はいませんか?」
「ああ、全員無事だ。ありがとう。逃げ遅れた一般生徒もいないよ」
来てくれてありがとう、と笑う校長先生に頷く。もう1度本部に負傷者なしの連絡を入れれば、後ろから声を掛けられた。
「蒼さん」
振り返れば弧月を携えた荒船くん、イーグレットを担いだ奈良坂くんと古寺くんがいた。荒船くんの頬に傷が入っているのを見て首を傾げる。
「あれ、怪我してるね。反対側の敵多かった?」
「どちらかと言えば、向こう側の方がメインでしたね」
「バムスターが5体とモールモッドが2体いました」
「そんなにいたのか」
そちらの対処をしていて、こっちまで手が回らなかったのか、と頷いた。3人では少し多い数だったしな。
「今日は俺達しかいなかったので、助かりました」
「いいえ」
3人しかいなかったという事はアタッカーも出来る荒船くんが下で避難する人達を援護しながら迎撃、古寺くんと奈良坂くんは屋上からその援護だったのだろう。
それなら下にいた荒船くんがかすり傷ひとつで済んだのは、結果としてはだいぶ良い方だ。
「お疲れさま。先生たちに戻ってくれるように言ってくれる?私は残りの処理するから」
「了解」
「必要な人は連れてきますね」
「うん、よろしく」
私の言葉を聞いた3人が先生と生徒たちを教室へと戻すべく動き出す。軽く声を掛けて、動画を撮っていた人やネイバーと至近距離で対峙した人を集めていく。撮られている動画を見せてもらって、機密に触れそうな所は削除、あとはサイドエフェクトでトラウマになりそうな記憶も消していった。
◆
「蒼さん」
「ん?」
記憶処理も完了して、生徒たちも校舎へ戻って行った。校長先生と被害の話をして、さて帰ろうかなと歩き出せば後ろから呼ばれ、振り返ると制服姿の荒船くんがやってくるところだった。
「これ持ってってください。俺と奈良坂と古寺から」
「わ、ありがと」
近づいてきた荒船くんに、チョコと飴、それから暖かい缶のカフェオレを手渡される。ありがたく受け取ってお礼を言えばもう1度荒船くんが頭を下げた。
「今日はありがとうございました」
「いいえ。仲間のピンチに駆けつけるのも仕事だからね」
笑ってそう言えば、顔を上げた荒船くんも笑う。
「蒼さん、17時過ぎに時間あります?」
「あるよ。一緒にご飯でも食べる?」
「飯も良いんですけど、その前に少し協力してもらえませんか。次に今回の件みたいなのが有った時用に、少ない人数での立ち回りを考えたいんです」
「お、もちろん。ということは奈良坂くんと古寺くんも来るね?」
「はい」
ならば、先に帰って仮想訓練室の設定を進学校の校舎にしておこう。それから、仮想の生徒たちもいたほうがいいな、と頷く。進学校だけでなく、普通高の学校も作っておいた方が良いかもしれない。帰ったら鬼怒田さんに頼むか。
「よし、じゃあ17時半にラウンジでいい?」
「はい、お願いします」
「任せといて」
じゃあねーと荒船くんに手を振って、最短で本部へ戻るべくグラスホッパーを踏み込んだ。
ピンチに駆けつける
進学校組を助けに来ました
(鬼怒田さん協力の元、訓練用の学校を作りました)
(おおー)
普通高はボーダー多いから割とスムーズにいきそう
進学校組を助けに来ました
平日の昼間、防衛任務に就いていたら門の出現を告げるサイレンが鳴り響いた。
『――門発生、門発生。市街地に門が開きます。近隣の住民は避難してください』
「あれっ、市街地か」
珍しいなと思いながら、座っていた本部の屋上の端から立ち上がった。そのすぐ後に通信機から忍田さんの声が聞こえてくる。
『蒼、聞いたな。詳細を伝えるから向かってくれ』
「了解」
西へ、と言われたのでぴょいと本部から飛び降りる。市街地なら急いだほうが良いだろうと、グラスホッパーを連続起動して西へ飛んだ。
◆
眼下にある六頴館高等学校には、校庭に逃げる生徒達の後ろから迫るバムスターの姿が見えた。その両脇からは2体のモールモッドが迫っている。
ボーダー隊員の姿はここからでは見えない。
「七草現着、迎撃に入ります」
手早く本部に通信を入れ、学校では射手より攻撃手の方が良さそうだと判断する。落下しながら弧月を生成、グラスホッパーで位置を調整しながらモールモッドに斬りかかった。
「せ、ッ!」
ぎゃりんっと嫌な音を立ててモールモッドの振り上げた腕を切り落として着地、素早く立ち上がりざまに腕を振りぬいて目を薙いだ。残り2体。バムスターは鈍いから後回しでいい、狙いはこちらに駆けてくるもう1体のモールモッド。
「さ、おいで」
誘うようにゆるく弧月を構えれば、モールモッドのぎらつく刃が振りかぶられた。空気を切り裂く音をさせながら通過する刃を1歩引いてやりすごし、反動でがら空きになった懐に踏み込んだ勢いで目を切り裂く。がしゃっと倒れたモールモッドを一瞥して、残りのバムスターへ狙いを定めたところで2つの弾丸が飛んできて綺麗にバムスターの目を砕いた。
「あ」
今のはスナイパーだな、と弾丸の飛んできた方を見れば校舎の屋上に2つの人影が見えた。ここはいわゆる進学校のほうだし、三輪隊の奈良坂くんと古寺くんだろうか。ちらりと見たレーダーにはトリオン兵の反応がないし、今のでお仕舞いかなと本部へ連絡を入れる。
「本部、こちら七草。トリオン兵の殲滅完了しました」
『ご苦労だったな。被害の状況を確認し、生徒たちの対処にあたってくれ』
「了解」
とりあえず彼らがこちらに来る前に現状確認だな、と校庭に避難してきた生徒たちの方を振り向いた。
市街地に門が開く事なんて滅多にないから、ざわざわと騒がしい中で生徒たちの確認をする校長先生を見つけて近づいた。
多くの先生たちから報告を受けつつ私の姿を見つけた校長先生は、ぱっと表情を和らげた。
「七草が来てくれたのか!」
「校長先生、お久しぶりです。現れたネイバーは全て殲滅し、安全を確立しました。全員無事ですか?怪我人や逃げ遅れた人はいませんか?」
「ああ、全員無事だ。ありがとう。逃げ遅れた一般生徒もいないよ」
来てくれてありがとう、と笑う校長先生に頷く。もう1度本部に負傷者なしの連絡を入れれば、後ろから声を掛けられた。
「蒼さん」
振り返れば弧月を携えた荒船くん、イーグレットを担いだ奈良坂くんと古寺くんがいた。荒船くんの頬に傷が入っているのを見て首を傾げる。
「あれ、怪我してるね。反対側の敵多かった?」
「どちらかと言えば、向こう側の方がメインでしたね」
「バムスターが5体とモールモッドが2体いました」
「そんなにいたのか」
そちらの対処をしていて、こっちまで手が回らなかったのか、と頷いた。3人では少し多い数だったしな。
「今日は俺達しかいなかったので、助かりました」
「いいえ」
3人しかいなかったという事はアタッカーも出来る荒船くんが下で避難する人達を援護しながら迎撃、古寺くんと奈良坂くんは屋上からその援護だったのだろう。
それなら下にいた荒船くんがかすり傷ひとつで済んだのは、結果としてはだいぶ良い方だ。
「お疲れさま。先生たちに戻ってくれるように言ってくれる?私は残りの処理するから」
「了解」
「必要な人は連れてきますね」
「うん、よろしく」
私の言葉を聞いた3人が先生と生徒たちを教室へと戻すべく動き出す。軽く声を掛けて、動画を撮っていた人やネイバーと至近距離で対峙した人を集めていく。撮られている動画を見せてもらって、機密に触れそうな所は削除、あとはサイドエフェクトでトラウマになりそうな記憶も消していった。
◆
「蒼さん」
「ん?」
記憶処理も完了して、生徒たちも校舎へ戻って行った。校長先生と被害の話をして、さて帰ろうかなと歩き出せば後ろから呼ばれ、振り返ると制服姿の荒船くんがやってくるところだった。
「これ持ってってください。俺と奈良坂と古寺から」
「わ、ありがと」
近づいてきた荒船くんに、チョコと飴、それから暖かい缶のカフェオレを手渡される。ありがたく受け取ってお礼を言えばもう1度荒船くんが頭を下げた。
「今日はありがとうございました」
「いいえ。仲間のピンチに駆けつけるのも仕事だからね」
笑ってそう言えば、顔を上げた荒船くんも笑う。
「蒼さん、17時過ぎに時間あります?」
「あるよ。一緒にご飯でも食べる?」
「飯も良いんですけど、その前に少し協力してもらえませんか。次に今回の件みたいなのが有った時用に、少ない人数での立ち回りを考えたいんです」
「お、もちろん。ということは奈良坂くんと古寺くんも来るね?」
「はい」
ならば、先に帰って仮想訓練室の設定を進学校の校舎にしておこう。それから、仮想の生徒たちもいたほうがいいな、と頷く。進学校だけでなく、普通高の学校も作っておいた方が良いかもしれない。帰ったら鬼怒田さんに頼むか。
「よし、じゃあ17時半にラウンジでいい?」
「はい、お願いします」
「任せといて」
じゃあねーと荒船くんに手を振って、最短で本部へ戻るべくグラスホッパーを踏み込んだ。
ピンチに駆けつける
進学校組を助けに来ました
(鬼怒田さん協力の元、訓練用の学校を作りました)
(おおー)
普通高はボーダー多いから割とスムーズにいきそう