荒船と出水の師匠シリーズ
荒船と出水の師匠シリーズ・短編詰め
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三上ちゃんとお出かけ
今日は久々の丸1日オフ!
風間隊の歌歩ちゃんもお休みと言う事で、2人で一緒に街に買い物に繰り出す事になった。
可愛い女の子と一緒にお出掛けなんて久々で、出掛ける前からすごく機嫌が良い。
「あ、蒼さんお出かけですか?」
「うん、歌歩ちゃんとお買いもの行ってくるんだ」
「そうなんですか、いってらっしゃい!」
「いってきまーす!」
お気に入りの洋服を着て、途中で会った笹森くんに挨拶しつつ本部から出発。
歌歩ちゃんとの待ち合わせは警戒区域にほど近い駅前。
「んー、良い天気!」
からりと晴れた青空を見上げ、帽子をかぶり直して待ち合わせ場所まで歩き出した。
◆
「現着ー」
警戒区域に近いものの、人通りは結構多い駅前。
これもボーダーが信頼を得ているからだよなあ、と思いながら待ち合わせに指定した時計台の下へ向かう。
「うん、ちょうどいい時間についたかな」
ちらりと見た腕時計は、待ち合わせ時間の15分前を示している。
歌歩ちゃんは大体10分前行動が多いしもうすぐ来るだろうと思い時計台の近くへ行けば、すでに私服の歌歩ちゃんが居た。淡い桜色のワンピースがすごく似合っている。
「ね、暇なんでしょ?」
「俺たちと遊ぼうよ」
「いえ、人を待っているので…」
にこにこしながらそれに近づけば、なんと歌歩ちゃんを時計台に追いやるように茶髪と金髪の、2人の男がいるのに気付いた。歌歩ちゃん可愛いから声かけられてるじゃん、ピンチピンチ!
表情を引き締めて、ささっと人ごみを避けながら歌歩ちゃんに近づく。
「歌歩ちゃんお待たせ!ごめんね遅くなって」
「蒼さん」
2人の男と歌歩ちゃんの隙間に入り、そのまま歌歩ちゃんの手を引く。歌歩ちゃんが安堵の表情になったのを確認しながら、男たちをすり抜けて歩き出す。
「映画始まっちゃう、はやく行こ!」
「あ、そうですね」
映画の予定はないけれど、ここを切り抜ける為に言い合いながら早足に歩いていれば、私の肩に手が掛かった。
振り向かなくても、歌歩ちゃんに声を掛けていた2人だとわかる。しつこいな。
「彼女待ってたの?いいじゃんこれで男ふたりに女の子ふたりだよ?」
「一緒に遊ぼうよ。映画くらい奢るしな」
品の無い笑い声を上げる2人にため息を吐く。
歌歩ちゃんに怖い思いをさせる訳にはいかないので、目配せして歌歩ちゃんを私の後ろに下がらせ、振り向きざまに2人の男と順番に目を合わせた。
「ごめんなさい」
「え?ッ、」
「今日は2人で遊ぶんです」
「は?なんだ目が、」
目を合わせる瞬間にサイドエフェクトを発動、目を見開いたままの男たちの記憶を『強引にいけば2人とも喰えるだろう』から『これ以上近づいたら何かに尋常じゃない殺され方をする』に改竄する。
歌歩ちゃんは金髪の男が言いかけた言葉で私がサイドエフェクトを使ったのがわかったのだろう、握っている左手に僅かに力が入った。
「ということで…手を放して貰えますか?」
「っ、ああ、悪かった!すみません!」
「じゃ、邪魔してごめんね、これお詫び!ね!」
笑顔で言えば、手が離れる。
茶髪の男がこれで見逃せとばかりに財布からお札を取り出して私に強引に握りこませ、金髪の男と足早に逃げていく。それを一瞥して、後ろで待つ歌歩ちゃんに視線を合わせた。
「…歌歩ちゃん平気だった?」
「大丈夫です、けど…見られてないですかね」
「帽子かぶってるし、他の人には見えてないよ」
「それなら良いです。助けてくれてありがとうございました」
サイドエフェクトを使う際に赤くなる目の事を心配されるが、帽子の影になっていたし、目の前にはあの2人しか居なかったから問題ない。
そう告げれば、不安そうな顔をしていた歌歩ちゃんに笑顔が戻った。歌歩ちゃんみたいな可愛い子は笑っている方が良いと頷いたところで手のひらにある紙の感触を思い出した。
「あ、そうだ予想外の臨時収入」
「予想外だったんですか?」
首を傾げる歌歩ちゃんに頷き返す。
そりゃあ歌歩ちゃんに危害を加えようとしていたんだから毟り取っても良いと思うけど、決して自分から差し出すように仕向けたわけではない。
「疲れるから簡単に『強引にやればいける』から『手を出したらマズい』に変えただけだから、逃げるだけだと思ってたんだけど…追われたくなかったのかな」
本当だけど、ちょっと軟化した言葉で言いいながら手を開けば、諭吉さん。それも2人。
覗き込んだ私と歌歩ちゃんが声を上げる。
「あら、諭吉さんが2人」
「ほんとだ」
「折角だからこれで美味しいものでも食べよっか」
「そうですね。もらえるものはもらっちゃいましょう」
ふふ、と2人で笑いあいながら臨時収入を半分こして自分達の財布の中に仕舞い込んだ。
近界へ遠征している人達なんかだと、貰えるものは貰っちゃえ精神が育っているのだ。向こうでは倒した近界民から装備やらトリガーやら剥ぎ取ったりするし。慣れだ慣れ。
「さ、まずは歌歩ちゃんオススメのお店から行こっか」
「はい」
そう言って2人並んで歌歩ちゃんおすすめの雑貨屋さんへ向かって歩き出した。
休みは始まったばかり、楽しまなくては!
歌歩ちゃんとお買い物!
トラブルなんて何のその!
(移動クレープ屋さんだって)
(わ、食べてみましょうか)
ほんとはもっと長かったけど、収集が付かなくなった
今日は久々の丸1日オフ!
風間隊の歌歩ちゃんもお休みと言う事で、2人で一緒に街に買い物に繰り出す事になった。
可愛い女の子と一緒にお出掛けなんて久々で、出掛ける前からすごく機嫌が良い。
「あ、蒼さんお出かけですか?」
「うん、歌歩ちゃんとお買いもの行ってくるんだ」
「そうなんですか、いってらっしゃい!」
「いってきまーす!」
お気に入りの洋服を着て、途中で会った笹森くんに挨拶しつつ本部から出発。
歌歩ちゃんとの待ち合わせは警戒区域にほど近い駅前。
「んー、良い天気!」
からりと晴れた青空を見上げ、帽子をかぶり直して待ち合わせ場所まで歩き出した。
◆
「現着ー」
警戒区域に近いものの、人通りは結構多い駅前。
これもボーダーが信頼を得ているからだよなあ、と思いながら待ち合わせに指定した時計台の下へ向かう。
「うん、ちょうどいい時間についたかな」
ちらりと見た腕時計は、待ち合わせ時間の15分前を示している。
歌歩ちゃんは大体10分前行動が多いしもうすぐ来るだろうと思い時計台の近くへ行けば、すでに私服の歌歩ちゃんが居た。淡い桜色のワンピースがすごく似合っている。
「ね、暇なんでしょ?」
「俺たちと遊ぼうよ」
「いえ、人を待っているので…」
にこにこしながらそれに近づけば、なんと歌歩ちゃんを時計台に追いやるように茶髪と金髪の、2人の男がいるのに気付いた。歌歩ちゃん可愛いから声かけられてるじゃん、ピンチピンチ!
表情を引き締めて、ささっと人ごみを避けながら歌歩ちゃんに近づく。
「歌歩ちゃんお待たせ!ごめんね遅くなって」
「蒼さん」
2人の男と歌歩ちゃんの隙間に入り、そのまま歌歩ちゃんの手を引く。歌歩ちゃんが安堵の表情になったのを確認しながら、男たちをすり抜けて歩き出す。
「映画始まっちゃう、はやく行こ!」
「あ、そうですね」
映画の予定はないけれど、ここを切り抜ける為に言い合いながら早足に歩いていれば、私の肩に手が掛かった。
振り向かなくても、歌歩ちゃんに声を掛けていた2人だとわかる。しつこいな。
「彼女待ってたの?いいじゃんこれで男ふたりに女の子ふたりだよ?」
「一緒に遊ぼうよ。映画くらい奢るしな」
品の無い笑い声を上げる2人にため息を吐く。
歌歩ちゃんに怖い思いをさせる訳にはいかないので、目配せして歌歩ちゃんを私の後ろに下がらせ、振り向きざまに2人の男と順番に目を合わせた。
「ごめんなさい」
「え?ッ、」
「今日は2人で遊ぶんです」
「は?なんだ目が、」
目を合わせる瞬間にサイドエフェクトを発動、目を見開いたままの男たちの記憶を『強引にいけば2人とも喰えるだろう』から『これ以上近づいたら何かに尋常じゃない殺され方をする』に改竄する。
歌歩ちゃんは金髪の男が言いかけた言葉で私がサイドエフェクトを使ったのがわかったのだろう、握っている左手に僅かに力が入った。
「ということで…手を放して貰えますか?」
「っ、ああ、悪かった!すみません!」
「じゃ、邪魔してごめんね、これお詫び!ね!」
笑顔で言えば、手が離れる。
茶髪の男がこれで見逃せとばかりに財布からお札を取り出して私に強引に握りこませ、金髪の男と足早に逃げていく。それを一瞥して、後ろで待つ歌歩ちゃんに視線を合わせた。
「…歌歩ちゃん平気だった?」
「大丈夫です、けど…見られてないですかね」
「帽子かぶってるし、他の人には見えてないよ」
「それなら良いです。助けてくれてありがとうございました」
サイドエフェクトを使う際に赤くなる目の事を心配されるが、帽子の影になっていたし、目の前にはあの2人しか居なかったから問題ない。
そう告げれば、不安そうな顔をしていた歌歩ちゃんに笑顔が戻った。歌歩ちゃんみたいな可愛い子は笑っている方が良いと頷いたところで手のひらにある紙の感触を思い出した。
「あ、そうだ予想外の臨時収入」
「予想外だったんですか?」
首を傾げる歌歩ちゃんに頷き返す。
そりゃあ歌歩ちゃんに危害を加えようとしていたんだから毟り取っても良いと思うけど、決して自分から差し出すように仕向けたわけではない。
「疲れるから簡単に『強引にやればいける』から『手を出したらマズい』に変えただけだから、逃げるだけだと思ってたんだけど…追われたくなかったのかな」
本当だけど、ちょっと軟化した言葉で言いいながら手を開けば、諭吉さん。それも2人。
覗き込んだ私と歌歩ちゃんが声を上げる。
「あら、諭吉さんが2人」
「ほんとだ」
「折角だからこれで美味しいものでも食べよっか」
「そうですね。もらえるものはもらっちゃいましょう」
ふふ、と2人で笑いあいながら臨時収入を半分こして自分達の財布の中に仕舞い込んだ。
近界へ遠征している人達なんかだと、貰えるものは貰っちゃえ精神が育っているのだ。向こうでは倒した近界民から装備やらトリガーやら剥ぎ取ったりするし。慣れだ慣れ。
「さ、まずは歌歩ちゃんオススメのお店から行こっか」
「はい」
そう言って2人並んで歌歩ちゃんおすすめの雑貨屋さんへ向かって歩き出した。
休みは始まったばかり、楽しまなくては!
歌歩ちゃんとお買い物!
トラブルなんて何のその!
(移動クレープ屋さんだって)
(わ、食べてみましょうか)
ほんとはもっと長かったけど、収集が付かなくなった