荒船と出水の師匠シリーズ
荒船と出水の師匠シリーズ・短編詰め
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※愛という名の捏造が詰まっています。
しっかり情報が出たら書き直しの可能性大です。そして短い。
それでも許せる方はどうぞ。
二宮さんが忘れ物を届けに来る
「七草」
「はい…あれ、匡貴さん?何でしょう」
カツリ、という靴音が聞こえると共に呼ばれたので顔を上げると、B級1位の二宮隊の隊長様が私を見下ろしていた。
相変わらずぴしっとスーツを着込んで、小さな紙袋を手に持っていた。
「この後、時間はあるか」
「ありますよ」
「ならば、これを出水に渡しておいてくれ」
「ん?了解です」
手渡されて覗き込んだ紙袋には、見覚えがあるものが入っていた。
いつかの模擬戦時に、出水くんが持っていたタオルかな。しっかり洗われて畳まれているように見える。
しかしなんでまた匡貴さんが出水くんのタオルを持っていたんだろうと首を傾げると、匡貴さんが言った。
「昨日のランク戦観戦時に忘れていったんだが、出水は見当たらないし、この後用事が入っていて渡せないんだ」
「ああ、忘れ物ですね。いいな、2人で観戦してたんですか」
「そう言えば七草はいなかったな。何をしていたんだ?」
匡貴さんにそう聞かれて思い出すが私はその時、慶に捕まって模擬戦をやっていた。
なんかその前のランク戦の解説やってテンション上がって戦いたくなったらしい。冬島さんの所だったから見たかったんだけどなあ。後で録画見たからいいけど。
「解説してテンション上がった慶に捕まって、延々模擬戦してました」
「太刀川か。災難だったな」
ぐったりした表情の私の頭を軽く撫でる匡貴さん。
わさわさ乱れていく髪の毛を感じつつ今日の匡貴さんは機嫌が良さそうだと判断し、ちょっと行き詰っていた問題を教えてもらおうと思って声をかける。
「匡貴さん、ついでにちょっとご教授願えませんか」
「なんだ」
「ここの訳がしっくりこないんですけど…」
「どれだ」
広げていた資料の一角を指で示すと、匡貴さんは私の前の空いているソファに腰掛けた。
そしてゆっくりと切れ長の目が紙の上を滑る。
「…ああ、これは問題の方が間違っているな」
「あー、それでか。ありがとうございます」
「いや」
道理で訳が変になるわけだわ…とペンを走らせ、問題の部分にメモを書いておく。
匡貴さんは一見取っ付き難そうだけど、なんだかんだで優しいし、頭が良いから行き詰った時なんかはすごく有り難い。三輪くんが成長したらきっとこんな感じだろう。
「匡貴さん、お礼にお好きな物をどうぞ」
「…では、これをもらおう」
傍らのバッグからお菓子をいくつか取り出して匡貴さんの前に差し出す。
チョコ菓子、グミ、飴玉などを見せれば、匡貴さんは飴玉をひとつ長い指先で摘んだ。いちご味。
見ていたら食べたくなったので、私も同じ飴玉をひとつ摘んで袋を破いて口に放り込む。
「七草、糖分の摂取は程々にしておけよ」
「はあい」
「さて…そろそろ俺は行く」
「あ、時間を取らせてしまってすみませんでした。助かりました。袋はちゃんと出水くんに渡しておきますね」
「ああ、頼む」
飴玉をポケットに入れて立ち上がる匡貴さんにそう言えば、もう1度私の頭を撫でて頑張れよ、と呟いて軽く手を振って歩き出す。
今日は本当に機嫌が良いみたいだ。
何かいいことあったのかなと乱れまくった髪の毛を手櫛で纏めながらその背を見送り、匡貴さんに手伝ってもらった課題を終わらせることに集中しようともう1度ペンを握った。
忘れ物
彼と同様ぴしっとしたタオル
(蒼さんこんにちはー)
(あ、出水くん。これ匡貴さんから預かってるよー)
二宮さんは仕立ての良いスーツ着てカフェで英字新聞読みながら珈琲飲んでそう←
初登場で気力が湧いたので小話程度に。多分後で書き直す。