▪小さな4人の大きな約束
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『 6年1組 綿谷新くん、決勝進出です。 』
勝負の日…東大里小かるた大会。
新くんの強さを目の当たりにして
会場がどよめきに揺れる。
「えー綿谷くんすごい。」
「パーフェクトしちゃうんじゃないの?」
「大丈夫かなぁ真島くん。」
「平気だよ、真島って何でもできるじゃん。」
「お母さんが超厳しくて、
今日も見に来てるみたいだよ。
1枚も取れずに負ける訳にはいかないでしょー。」
はぁーっ…。
私はまたわざと1回戦負け。
学校でかるた大会なんて息が詰まるから
新鮮な空気が欲しくて、こっそり外に出て
校舎沿いの植え込みに隠れて座り込んでた。
カサッ…カサッ…
…………?!
やばい、先生?!
勝手に外出たのバレたら怒られちゃう…!
身を竦めてギュッと目を瞑る。
………………。
あれ…?
薄目を開けて辺りを確認すると、
眼鏡を持って隠れる真島くんの姿が映る。
…どうやら私には気づいてないみたい。
真島くん眼鏡なんかすることあったっけ。
なにやってんだろ…。
真島くんがいなくなったのを確認して
こそこそと草陰から出ると
何事も無かったかのように校舎に戻った。
千早「あっ、NAME1ちゃん、
綿谷くんの眼鏡見てない?
顔洗うのに外したらどっかいっちゃって。」
NAME1「…え?眼鏡?」
千早ちゃんの後ろで、
眼鏡をかけてない新くんが
壁に縋り目を細めている。
…もしかして
真島くんがさっき持ってた眼鏡って…
千早「あ、太一!
あんた綿谷くんの眼鏡知らない?!」
真島「知らねーよ。
おれずっとこのへんいたよなぁ?なぁ?」
千早「そ…そうか…。」
それは嘘だ。
さっき真島くん外にいたもん。
眼鏡持ってるのも見たし、
あの場所はちょうど水道の窓のとこ…。
どうしよう。
言わなきゃ。
新くん私と同じくらい目が悪くて
眼鏡が無いとかるたをやるどころか、
歩くのも危ないのに。
言わなきゃ。
NAME1「……っ………………。」
膝が震えて、喉がつかえて声が出ない。
ごめん、新くん、ごめん…。
弱くて、ごめんね…。
心の中でそう呟いて拳を握りしめた。
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『 6年1組 綿谷新くん、決勝進出です。 』
勝負の日…東大里小かるた大会。
新くんの強さを目の当たりにして
会場がどよめきに揺れる。
「えー綿谷くんすごい。」
「パーフェクトしちゃうんじゃないの?」
「大丈夫かなぁ真島くん。」
「平気だよ、真島って何でもできるじゃん。」
「お母さんが超厳しくて、
今日も見に来てるみたいだよ。
1枚も取れずに負ける訳にはいかないでしょー。」
はぁーっ…。
私はまたわざと1回戦負け。
学校でかるた大会なんて息が詰まるから
新鮮な空気が欲しくて、こっそり外に出て
校舎沿いの植え込みに隠れて座り込んでた。
カサッ…カサッ…
…………?!
やばい、先生?!
勝手に外出たのバレたら怒られちゃう…!
身を竦めてギュッと目を瞑る。
………………。
あれ…?
薄目を開けて辺りを確認すると、
眼鏡を持って隠れる真島くんの姿が映る。
…どうやら私には気づいてないみたい。
真島くん眼鏡なんかすることあったっけ。
なにやってんだろ…。
真島くんがいなくなったのを確認して
こそこそと草陰から出ると
何事も無かったかのように校舎に戻った。
千早「あっ、NAME1ちゃん、
綿谷くんの眼鏡見てない?
顔洗うのに外したらどっかいっちゃって。」
NAME1「…え?眼鏡?」
千早ちゃんの後ろで、
眼鏡をかけてない新くんが
壁に縋り目を細めている。
…もしかして
真島くんがさっき持ってた眼鏡って…
千早「あ、太一!
あんた綿谷くんの眼鏡知らない?!」
真島「知らねーよ。
おれずっとこのへんいたよなぁ?なぁ?」
千早「そ…そうか…。」
それは嘘だ。
さっき真島くん外にいたもん。
眼鏡持ってるのも見たし、
あの場所はちょうど水道の窓のとこ…。
どうしよう。
言わなきゃ。
新くん私と同じくらい目が悪くて
眼鏡が無いとかるたをやるどころか、
歩くのも危ないのに。
言わなきゃ。
NAME1「……っ………………。」
膝が震えて、喉がつかえて声が出ない。
ごめん、新くん、ごめん…。
弱くて、ごめんね…。
心の中でそう呟いて拳を握りしめた。
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