第十二章*
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嵐のような喝采が響く中で
私の心は名付けようのない感情で入り乱れた。
「「ありがとうございました。」」
俯く太一の横顔。
辛うじて覗くその口元は、噛み締めて震えていた。
声を掛けたくも掛けられない雰囲気が蔓延り
その場に佇むしかできない自分がもどかしかった。
余程時間が押していたのか、
整理をつける間も無く表彰式が始まろうとしている。
瑞沢から優勝2人、準優勝2人、
4人も上位へ食い込んだ。
物凄い快挙だ。
そんなことを考えていると
新が大きな箱を抱えて広間へ入ってきた。
NAME1「新。運営ありがとうね。」
新「表彰式の準備で結局…決勝見れんかった。」
今にも溜め息が聞こえそうな疲れた顔で言う。
きっと “ 若いんだから ” とか言われて
オジサン達にこき使われてたんだろうな。
新「太一…準優勝か。」
新はほのかな笑みを口角に浮かべると、
せっせと慣れた手つきで荷物を運んで行った。
その姿を後目に若干の慈悲を送りつつ
表彰されることのない我が身を隅へ寄せる。
あーあ、あそこにいたかったなあ…。
いたたまれずに出た会場外のベンチで耽 る。
次の吉野会大会はもっとレベルが高い。
新も出るし今のままじゃ生き残れない。
その後はすぐ東日本予選。
去年は挑戦すらしなかったけど
詩暢ちゃんまで辿り着きたい。
大きく息を吸い込むと、ほのかに漂う秋の香り。
かるたを離れたのは
丁度去年の今頃だったと思い出す。
含んだ香りを吐き出すと
嫌になるくらいに欲が溢れ出して心を支配した。
《 第十二章 ~完~ 》
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嵐のような喝采が響く中で
私の心は名付けようのない感情で入り乱れた。
「「ありがとうございました。」」
俯く太一の横顔。
辛うじて覗くその口元は、噛み締めて震えていた。
声を掛けたくも掛けられない雰囲気が蔓延り
その場に佇むしかできない自分がもどかしかった。
余程時間が押していたのか、
整理をつける間も無く表彰式が始まろうとしている。
瑞沢から優勝2人、準優勝2人、
4人も上位へ食い込んだ。
物凄い快挙だ。
そんなことを考えていると
新が大きな箱を抱えて広間へ入ってきた。
NAME1「新。運営ありがとうね。」
新「表彰式の準備で結局…決勝見れんかった。」
今にも溜め息が聞こえそうな疲れた顔で言う。
きっと “ 若いんだから ” とか言われて
オジサン達にこき使われてたんだろうな。
新「太一…準優勝か。」
新はほのかな笑みを口角に浮かべると、
せっせと慣れた手つきで荷物を運んで行った。
その姿を後目に若干の慈悲を送りつつ
表彰されることのない我が身を隅へ寄せる。
あーあ、あそこにいたかったなあ…。
いたたまれずに出た会場外のベンチで
次の吉野会大会はもっとレベルが高い。
新も出るし今のままじゃ生き残れない。
その後はすぐ東日本予選。
去年は挑戦すらしなかったけど
詩暢ちゃんまで辿り着きたい。
大きく息を吸い込むと、ほのかに漂う秋の香り。
かるたを離れたのは
丁度去年の今頃だったと思い出す。
含んだ香りを吐き出すと
嫌になるくらいに欲が溢れ出して心を支配した。
《 第十二章 ~完~ 》
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