.





新「なんか天気悪うなってきたな。」

NAME1「雨はやだな…。」




お腹も膨れたところで練習場に戻ると

伊織ちゃんが札の束を持って私を見据えていた。




伊織「座って。」

NAME1「えっ、もうやる？」




食べたばかりでいきなり試合は…。

少しの間は他の人の観察したり札流しでもしながら

お腹を落ち着かせようと思ってたんだけど…。




伊織「やらんの？」

NAME1「う…や、やります。」




鋭い目付きについ押されてしまった。

胃の辺りをさすりながら伊織ちゃんの前に座ると

伊織ちゃんも同じく腰を下ろした。




ーー…








“ はるs ” パンッ

“ uぎてー ”


“ よを ” タンッ

“ こめてー ”


“ なつ ” バンッ

“ のよはー ”


“ あけ ” タッ

“ ぬればー ”




…あれ………？

やっぱり食べてすぐだから身体が…

いや

違う…そんなんじゃない…。




“ ゆ ” シュッ

“ ふ ” ダン

“ さればー ”




あれ？なんで…？

得意な筈の “ ゆう ” が…。

伊織ちゃん、急にすごく速くなった？

…そんな訳ない。




“ みかk ” パンッ

“ iもりー ”




…雨が降り始めたから……？

違う。




“ おも ” バンッ

“ ひわびー ”




なんで……。

私が遅くなってる…？




分からない。

どう取ればいいのか、

今までどうやっていたか、

まるで身体が忘れてしまったみたい…。

私、今まで何を聴いてた？

何が聴こえてたの……？





.