第十章*
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空が紫色に暮れ出した、夕方と夜の狭間。
まだ冷めきらない風を身体に纏わせながら
今日も市民センターへと足を運んだ。
NAME1「こんばんはー。」
原田「NAME1ちゃん!今日も特訓だ!」
坪口「やあ、NAME1ちゃん。先日はどーも!」
NAME1「広史さん、それ嫌味?性格悪〜い。
次は負けないもんねー。」
坪口「俺も負ける気ないもんねー。」
くそー、広史さんめ。
真美さんもまだ来てないし仕方ない、
広史さんとやるか……。
NAME1「広史さん、早速負かしてあげる。」
坪口「お、言うねぇ。」
ーー……
坪口「また勝っちゃった〜。あざーす!」
…大見得切っといて5枚差で負けた。
なんで?
私、強くなってる筈なのに。
集中だってちゃんとできた筈なのに。
こんなんじゃ詩暢ちゃんに勝てない!
自身への苛立ちと焦りが心を荒れさせる。
原田「…まあNAME1ちゃん、落ち着いて。
私が見る限り、最近のNAME1ちゃんは
若宮クイーンにこだわりすぎてる気がするなあ。」
NAME1「…こだわっちゃダメなんですか?
だって、勝ちたいんです、詩暢ちゃんに。
あと少しで届きそうなんです、この間の対戦だって」
原田「NAME1ちゃん。…気持ちはよくわかる。
でもクイーンに辿り着く前に負けたら?
その前にも敵はたくさんいるんだ。
これまでNAME1ちゃんや若宮クイーンに
届く女流選手は少なかったかもしれないが
思い上がってはいけないよ。
この間の高校選手権での
NAME1ちゃんと若宮クイーンの闘いに刺激されて
女流選手の伸びは特に良くなったと聞く。
クイーンと同じようなレベルで、
クイーンとは全く違うタイプの選手が現れたら?
一人に寄せたやり方は禁物だ。
臨機応変に誰にでも対応できるように、
得意はより磨いて苦手は殺しておく。
焦らずにじっくり練習して
積み重ねていったスキルが地力となるんだ。
かるたじゃなくても、これは基本だよ。
今までもそうだったろう?」
坪口「今ちょっと視野が狭くなっちゃってるね。」
NAME1「だけど……消えないんです。
広史さんと闘ってる筈なのに、
目の前から詩暢ちゃんがー……。」
” クイーンスマイル ” の詩暢ちゃんが
ずっと私の前に座ってる。
私が手を伸ばすとその下を掠めて札を奪う。
原田「うーん。
NAME1ちゃん、今週末南雲会へ行ってきなさい。
A級レベルの会員も多いし良い経験ができる。
いろんな人と試合して、
いろんな闘い方を見てきなさい。
栗山くんには私からお願いしておくから
メガネくんには自分で連絡するんだよ。」
南雲会…
新……
NAME1「……わかりました。」
《 第十章 ~完~ 》
.
空が紫色に暮れ出した、夕方と夜の狭間。
まだ冷めきらない風を身体に纏わせながら
今日も市民センターへと足を運んだ。
NAME1「こんばんはー。」
原田「NAME1ちゃん!今日も特訓だ!」
坪口「やあ、NAME1ちゃん。先日はどーも!」
NAME1「広史さん、それ嫌味?性格悪〜い。
次は負けないもんねー。」
坪口「俺も負ける気ないもんねー。」
くそー、広史さんめ。
真美さんもまだ来てないし仕方ない、
広史さんとやるか……。
NAME1「広史さん、早速負かしてあげる。」
坪口「お、言うねぇ。」
ーー……
坪口「また勝っちゃった〜。あざーす!」
…大見得切っといて5枚差で負けた。
なんで?
私、強くなってる筈なのに。
集中だってちゃんとできた筈なのに。
こんなんじゃ詩暢ちゃんに勝てない!
自身への苛立ちと焦りが心を荒れさせる。
原田「…まあNAME1ちゃん、落ち着いて。
私が見る限り、最近のNAME1ちゃんは
若宮クイーンにこだわりすぎてる気がするなあ。」
NAME1「…こだわっちゃダメなんですか?
だって、勝ちたいんです、詩暢ちゃんに。
あと少しで届きそうなんです、この間の対戦だって」
原田「NAME1ちゃん。…気持ちはよくわかる。
でもクイーンに辿り着く前に負けたら?
その前にも敵はたくさんいるんだ。
これまでNAME1ちゃんや若宮クイーンに
届く女流選手は少なかったかもしれないが
思い上がってはいけないよ。
この間の高校選手権での
NAME1ちゃんと若宮クイーンの闘いに刺激されて
女流選手の伸びは特に良くなったと聞く。
クイーンと同じようなレベルで、
クイーンとは全く違うタイプの選手が現れたら?
一人に寄せたやり方は禁物だ。
臨機応変に誰にでも対応できるように、
得意はより磨いて苦手は殺しておく。
焦らずにじっくり練習して
積み重ねていったスキルが地力となるんだ。
かるたじゃなくても、これは基本だよ。
今までもそうだったろう?」
坪口「今ちょっと視野が狭くなっちゃってるね。」
NAME1「だけど……消えないんです。
広史さんと闘ってる筈なのに、
目の前から詩暢ちゃんがー……。」
” クイーンスマイル ” の詩暢ちゃんが
ずっと私の前に座ってる。
私が手を伸ばすとその下を掠めて札を奪う。
原田「うーん。
NAME1ちゃん、今週末南雲会へ行ってきなさい。
A級レベルの会員も多いし良い経験ができる。
いろんな人と試合して、
いろんな闘い方を見てきなさい。
栗山くんには私からお願いしておくから
メガネくんには自分で連絡するんだよ。」
南雲会…
新……
NAME1「……わかりました。」
《 第十章 ~完~ 》
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