第十章*
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腫らした目を隠すように俯きながら
太一に手を引かれて空港のロビーまで歩く。
” いつから ” なんて分からない。
ずっとずっと前から
小さな好きが積もり積もってこんなになった。
この感情は
蓋をしようとすればするほど溢れたがるし
はぐらかそうとすればするほど思い出す。
無かったことになんてできない。
もう、戻ることはできないんだ。
どうにも暗く涙ぐましい気持ちに
ならざるを得なかった。
ーー……
飛行機に乗ってしばらく、
未だに口を開けない私に太一が言った。
太一「……おまえさ、そんなんなるなら
新んとこ行けばよかったんじゃねーの?」
怒っているようで少し違うような
すぐには読めない面持ちだった。
NAME1「…あ…ご、ごめん。」
ハッとして無理に笑顔を作る。
…ダメだダメだ、
一緒にいる私がこんなんじゃ
太一だってイライラする。
太一は私側のアームレストに肘をついて
そっぽを向いたままだった。
そのあとの返事は戻ってこない。
気まずいままあっという間に羽田に着き
ただ互いに黙ったまま飛行機を降りた。
太一「じゃ、気をつけて帰れよ。」
NAME1「う、うん…。お疲れさま…。」
…馬鹿だなぁ、私。
準決勝まで行って悔しい思いをした太一に
泣き言のひとつも言えないような状況作って。
挙句気を悪くさせちゃった。
ひとつのことでいっぱいいっぱいで
すぐ周りが見えなくなってしまう、
不器用な自分が嫌になる。
行きはわくわくしていた筈の遠征が
帰りにこんなことになるなんて思わなかった。
…今日は帰ったらすぐに寝よう。
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腫らした目を隠すように俯きながら
太一に手を引かれて空港のロビーまで歩く。
” いつから ” なんて分からない。
ずっとずっと前から
小さな好きが積もり積もってこんなになった。
この感情は
蓋をしようとすればするほど溢れたがるし
はぐらかそうとすればするほど思い出す。
無かったことになんてできない。
もう、戻ることはできないんだ。
どうにも暗く涙ぐましい気持ちに
ならざるを得なかった。
ーー……
飛行機に乗ってしばらく、
未だに口を開けない私に太一が言った。
太一「……おまえさ、そんなんなるなら
新んとこ行けばよかったんじゃねーの?」
怒っているようで少し違うような
すぐには読めない面持ちだった。
NAME1「…あ…ご、ごめん。」
ハッとして無理に笑顔を作る。
…ダメだダメだ、
一緒にいる私がこんなんじゃ
太一だってイライラする。
太一は私側のアームレストに肘をついて
そっぽを向いたままだった。
そのあとの返事は戻ってこない。
気まずいままあっという間に羽田に着き
ただ互いに黙ったまま飛行機を降りた。
太一「じゃ、気をつけて帰れよ。」
NAME1「う、うん…。お疲れさま…。」
…馬鹿だなぁ、私。
準決勝まで行って悔しい思いをした太一に
泣き言のひとつも言えないような状況作って。
挙句気を悪くさせちゃった。
ひとつのことでいっぱいいっぱいで
すぐ周りが見えなくなってしまう、
不器用な自分が嫌になる。
行きはわくわくしていた筈の遠征が
帰りにこんなことになるなんて思わなかった。
…今日は帰ったらすぐに寝よう。
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