第十章*
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小松駅の改札で
遠くなっていく背中を見送る。
…次はいつ会えるのかな。
たまに振り返りはにかむ姿に
胸がぎゅっと苦しくなる。
明日は日曜なのに、
前のようには我儘を言えない自分。
太一「新、またな。」
何かに覚悟を決めたというふうな力強い声に
新は目を丸くしてから笑う。
控えめに手を一振りすると
ホームに続く階段の先へと消えていった。
…行っちゃった。
優しい笑顔が脳にこびりついて
いつまでも離れない。
深く瞬き、大きく息を吸い込んでみる。
太一「タクシー、乗る?」
NAME1「…ん、乗る!
結構歩いたよね、もう脚パンパン。
あ、乗り場あそこだ、
タクシー!お願いしまーす!
ほらっ、太一早くっ!」
太一「あっ、おい、ちょっと待てって!」
太一を急かしてタクシーに乗り込むと、
少し間を空けてバタンと重たい音が身体を伝った。
NAME1「あぁぁ、疲れたね、太一〜。」
太一「そうだな。」
NAME1「脚痛いし、眠いし、」
太一「うん。」
NAME1「いつの間にか空も真っ暗だねぇ。」
太一「ああ。」
話題なんかない。
でも喋ってないと
太一「もう、分かったから黙ってろよ。」
喋ってないと、
口を止めたら、ほら。
NAME1「………っ」
溢れてしまう。
離れたくない。
ずっと一緒にいたいよ。
胸が潰れそうに痛くて
喉に何か詰まったみたいに苦しくて。
また会えない日が続くの?
今日までだって
ずっとずっと耐えてきたのに。
もうずっと、苦しかったのに。
NAME1「…うぅぅっ、」
真っ直ぐで綺麗な瞳
さらりと艶のある黒髪
意外にも逞しい身体
暖かくて大きな手
安らげる広い背中
私を呼ぶあの優しく柔らかな声。
匂い。
誠実でおおらかな、
でもたまに大胆な性格も
その長けたかるたの才も、
それを惜しみなく活かす努力も。
きりがない程に、
新の全部が好きだ。
こんなにも恋焦がれているのに
別れの時間は残酷な程に呆気なく訪れる。
私はそれを阻む術を知らない。
太一が困ったように眉を寄せながら
そっと私の頭に触れた。
どうして太一まで
そんなに辛そうな顔をするの?
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小松駅の改札で
遠くなっていく背中を見送る。
…次はいつ会えるのかな。
たまに振り返りはにかむ姿に
胸がぎゅっと苦しくなる。
明日は日曜なのに、
前のようには我儘を言えない自分。
太一「新、またな。」
何かに覚悟を決めたというふうな力強い声に
新は目を丸くしてから笑う。
控えめに手を一振りすると
ホームに続く階段の先へと消えていった。
…行っちゃった。
優しい笑顔が脳にこびりついて
いつまでも離れない。
深く瞬き、大きく息を吸い込んでみる。
太一「タクシー、乗る?」
NAME1「…ん、乗る!
結構歩いたよね、もう脚パンパン。
あ、乗り場あそこだ、
タクシー!お願いしまーす!
ほらっ、太一早くっ!」
太一「あっ、おい、ちょっと待てって!」
太一を急かしてタクシーに乗り込むと、
少し間を空けてバタンと重たい音が身体を伝った。
NAME1「あぁぁ、疲れたね、太一〜。」
太一「そうだな。」
NAME1「脚痛いし、眠いし、」
太一「うん。」
NAME1「いつの間にか空も真っ暗だねぇ。」
太一「ああ。」
話題なんかない。
でも喋ってないと
太一「もう、分かったから黙ってろよ。」
喋ってないと、
口を止めたら、ほら。
NAME1「………っ」
溢れてしまう。
離れたくない。
ずっと一緒にいたいよ。
胸が潰れそうに痛くて
喉に何か詰まったみたいに苦しくて。
また会えない日が続くの?
今日までだって
ずっとずっと耐えてきたのに。
もうずっと、苦しかったのに。
NAME1「…うぅぅっ、」
真っ直ぐで綺麗な瞳
さらりと艶のある黒髪
意外にも逞しい身体
暖かくて大きな手
安らげる広い背中
私を呼ぶあの優しく柔らかな声。
匂い。
誠実でおおらかな、
でもたまに大胆な性格も
その長けたかるたの才も、
それを惜しみなく活かす努力も。
きりがない程に、
新の全部が好きだ。
こんなにも恋焦がれているのに
別れの時間は残酷な程に呆気なく訪れる。
私はそれを阻む術を知らない。
太一が困ったように眉を寄せながら
そっと私の頭に触れた。
どうして太一まで
そんなに辛そうな顔をするの?
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