第九章*
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“ か “ バンッ
“ ささぎのー “
「おおッ…!」
「また取った…!」
風に吹かれた木々のように
唸り尾を引くそのざわめきの余響。
2-1まで追い上げた。
あと2枚…
一音で取れる《 あ(きか) 》を右下段へ移し
守りを確実にする。
《 み 》は《 みかの 》攻めて圧をかけてから
《 みかき 》に素早く戻る。
素振りをしながら頭の中で反復した。
少しのことで弾けそうな程張り詰めた空気が
背筋を支え感覚をより冴えさせる。
目を瞑り、全神経を耳と腕へ。
それしか持たない人間になったように。
“ み “ バッ
“ かの “ パッ
奏「…っ、NAME1ちゃん……!」
肉まん「…まじか。」
机「そんな……。」
……やられた。
隙のない低い囲い手…………
詩暢ちゃんは流れを読んで
狙いを絞り守った。
実力と経験に自信が無ければ
先程のようなギリギリの場面で
自分の読みに委ねることなどできない。
こんなところで精神力が比較されるなんて。
NAME1「ありがとう…ございました……。」
詩暢「ありがとうございました。」
畳についた額が上げられない。
異常な疲労感からか、
一歩届かぬ悔しさからか、
はたまた達成感からか、
自分でも答えられなかった。
口が乾いて喉が痛い。
ぜぇぜぇと荒れた呼吸が肺を刺激する。
自らの血流で目を回しそうだ。
詩暢「…よう来たなぁ、NAME1。」
額と頬を汗で滴らせた詩暢ちゃんが
笑みを零して私に掌を差し出す。
その顔は、いつもの作り笑いではない、
初めて見る本当の笑顔。
NAME1「……っ。」
声にならない叫びが胸から溢れ出て
顔をぐしゃぐしゃにしてぼろぼろ泣いた。
NAME1「…っ、詩暢ちゃんっ…、
ありが、とう…っ、楽しかった……っ!」
詩暢「言葉と顔、矛盾してるわ。」
詩暢ちゃんも嬉しそうに
くすくすと笑うから、更に感極まる。
詩暢「早うここ出な怒られんで。」
NAME1「…うん。」
ありがとう。
詩暢ちゃん。
あなたはまだまだ
私の憧れで、目標です。
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“ か “ バンッ
“ ささぎのー “
「おおッ…!」
「また取った…!」
風に吹かれた木々のように
唸り尾を引くそのざわめきの余響。
2-1まで追い上げた。
あと2枚…
一音で取れる《 あ(きか) 》を右下段へ移し
守りを確実にする。
《 み 》は《 みかの 》攻めて圧をかけてから
《 みかき 》に素早く戻る。
素振りをしながら頭の中で反復した。
少しのことで弾けそうな程張り詰めた空気が
背筋を支え感覚をより冴えさせる。
目を瞑り、全神経を耳と腕へ。
それしか持たない人間になったように。
“ み “ バッ
“ かの “ パッ
奏「…っ、NAME1ちゃん……!」
肉まん「…まじか。」
机「そんな……。」
……やられた。
隙のない低い囲い手…………
詩暢ちゃんは流れを読んで
狙いを絞り守った。
実力と経験に自信が無ければ
先程のようなギリギリの場面で
自分の読みに委ねることなどできない。
こんなところで精神力が比較されるなんて。
NAME1「ありがとう…ございました……。」
詩暢「ありがとうございました。」
畳についた額が上げられない。
異常な疲労感からか、
一歩届かぬ悔しさからか、
はたまた達成感からか、
自分でも答えられなかった。
口が乾いて喉が痛い。
ぜぇぜぇと荒れた呼吸が肺を刺激する。
自らの血流で目を回しそうだ。
詩暢「…よう来たなぁ、NAME1。」
額と頬を汗で滴らせた詩暢ちゃんが
笑みを零して私に掌を差し出す。
その顔は、いつもの作り笑いではない、
初めて見る本当の笑顔。
NAME1「……っ。」
声にならない叫びが胸から溢れ出て
顔をぐしゃぐしゃにしてぼろぼろ泣いた。
NAME1「…っ、詩暢ちゃんっ…、
ありが、とう…っ、楽しかった……っ!」
詩暢「言葉と顔、矛盾してるわ。」
詩暢ちゃんも嬉しそうに
くすくすと笑うから、更に感極まる。
詩暢「早うここ出な怒られんで。」
NAME1「…うん。」
ありがとう。
詩暢ちゃん。
あなたはまだまだ
私の憧れで、目標です。
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