第九章*
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吸い込む空気すらも熱く
少しも身体を癒すことを許さない。
送られた《 よも 》の札に額から雫が落ち煌めいた。
“ かくとだにー えやはいぶきの… “
“ ながらへばー またこのごろや… “
“ ゆふさればー かどたのいなば… “
“ ほととぎすー なきつるかたを… “
空札が四枚続き精神を蝕む。
反応する毎に身体に余計な力が入り硬直する。
NAME1「…失礼します。」
立ち上がると手を突き上げて背中を伸ばし
腰を捻って筋をできるだけ解した。
「クイーン相手に終盤の5枚差はもう……」
まだ諦めない。
最後まで。
NAME1「失礼しました。」
“ お “
“ k “ トンッ
“ uやまにー “
“ お “
“ g “ タッ
“ uらやまー “
テンポよく連取し
一字決まりになった《 ち(ぎりお) 》を送る。
“ あr “ ヒュッ
“ iあけのー “
3連取。
流れが来ているのに、終盤での連取は
同時にプレッシャーをも呼び寄せた。
《 よも 》を送り、濡れて束になった髪を退ける。
「2枚差…まだ分からないぞ…。」
元々多かったギャラリーが、いつの間にか
隙間も無い程ぎゅうぎゅうに詰めあっていた。
“ わび “ ビュォッ
“ ぬればー “
“ き “ ビュッ…
“ りぎりすー “
自陣一字決まりを逃し連取を許してしまう。
《 よも 》が返され、再び6-2の4枚差に開いた。
しかし計り知れない程に深い集中の淵
もはや焦りも動揺もない。
《 あ 》札は空札が出切って
《 あき(か) 》が《 あ 》に変化する。
“ よm “ ヒュッ…
“ o “ ビュッ
“ すがらー “
《 ち(ぎりお) 》が送られて6-1。
もう後がなくなった。
奏「NAME1ちゃん目つき変わりましたね。」
机「息も上がってないよ。」
肉まん「NAME1の奴、たまにああなるよな。」
迫る緊迫が私を勇ましくし
心の底に秘めた感情が心を強く支える。
“ “ トンッ
“ し “
“ のぶれどー “
詩暢「……っ…!」
タンッと軽い音を立てて畳に足を付いた。
肉まん「取った…!」
机「《 しの 》ってクイーンの得意札で
しかも送って狙ってた札だよね?!」
奏「そうですよ…!」
机「僕、興奮がおさまらないよ!」
奏「気持ちは分かりますけど静かに…!」
詩暢ちゃんは…あと一枚…。
まだ粘りたい。
まだ終わらせたくないんだ。
“ みy “ ヒュッ…
“ oしののー “
“ ち “ トッ…
“ ぎりおきしー “
「おいおい…巻き返してきたぜ…。」
「クイーン負けちゃうの?!」
現在、自陣3枚、敵陣1枚。
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吸い込む空気すらも熱く
少しも身体を癒すことを許さない。
送られた《 よも 》の札に額から雫が落ち煌めいた。
“ かくとだにー えやはいぶきの… “
“ ながらへばー またこのごろや… “
“ ゆふさればー かどたのいなば… “
“ ほととぎすー なきつるかたを… “
空札が四枚続き精神を蝕む。
反応する毎に身体に余計な力が入り硬直する。
NAME1「…失礼します。」
立ち上がると手を突き上げて背中を伸ばし
腰を捻って筋をできるだけ解した。
「クイーン相手に終盤の5枚差はもう……」
まだ諦めない。
最後まで。
NAME1「失礼しました。」
“ お “
“ k “ トンッ
“ uやまにー “
“ お “
“ g “ タッ
“ uらやまー “
テンポよく連取し
一字決まりになった《 ち(ぎりお) 》を送る。
“ あr “ ヒュッ
“ iあけのー “
3連取。
流れが来ているのに、終盤での連取は
同時にプレッシャーをも呼び寄せた。
《 よも 》を送り、濡れて束になった髪を退ける。
「2枚差…まだ分からないぞ…。」
元々多かったギャラリーが、いつの間にか
隙間も無い程ぎゅうぎゅうに詰めあっていた。
“ わび “ ビュォッ
“ ぬればー “
“ き “ ビュッ…
“ りぎりすー “
自陣一字決まりを逃し連取を許してしまう。
《 よも 》が返され、再び6-2の4枚差に開いた。
しかし計り知れない程に深い集中の淵
もはや焦りも動揺もない。
《 あ 》札は空札が出切って
《 あき(か) 》が《 あ 》に変化する。
“ よm “ ヒュッ…
“ o “ ビュッ
“ すがらー “
《 ち(ぎりお) 》が送られて6-1。
もう後がなくなった。
奏「NAME1ちゃん目つき変わりましたね。」
机「息も上がってないよ。」
肉まん「NAME1の奴、たまにああなるよな。」
迫る緊迫が私を勇ましくし
心の底に秘めた感情が心を強く支える。
“ “ トンッ
“ し “
“ のぶれどー “
詩暢「……っ…!」
タンッと軽い音を立てて畳に足を付いた。
肉まん「取った…!」
机「《 しの 》ってクイーンの得意札で
しかも送って狙ってた札だよね?!」
奏「そうですよ…!」
机「僕、興奮がおさまらないよ!」
奏「気持ちは分かりますけど静かに…!」
詩暢ちゃんは…あと一枚…。
まだ粘りたい。
まだ終わらせたくないんだ。
“ みy “ ヒュッ…
“ oしののー “
“ ち “ トッ…
“ ぎりおきしー “
「おいおい…巻き返してきたぜ…。」
「クイーン負けちゃうの?!」
現在、自陣3枚、敵陣1枚。
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