第九章*
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” わた ” バッ
” のはら こぎいでてみれば ひさかたのー ”
1枚目から大山札。
詩暢ちゃんは大山札への間合いも
ぴたりと合わせて取る。
私の右手から一番遠い右下段、抜くのは難しい。
早くも冷や汗が頬を伝い、ぐっと息を呑んだ。
そういえば詩暢ちゃんの陣、配置が少し変わってる。
京都で闘った時は一字決まりは
右下段に固めて私から遠ざけていたのに、
今日は左下段に《 せ 》《 さ 》を置いてる。
右下段には《 む 》の1枚。
前回の ” 攻めさせない ” スタイルではないのは
私より速く取るという自信の表れだろうか。
得意札《 しの 》がいつも左上段なのは
相手への挑発か撹乱か…いや
もはやポリシーなのかもしれない。
” ” トン…ッ
” むらさめのー ”
「…速っ……。」
「なに?《 む 》だった…?」
敵陣右下段。
どこに置こうと一字決まりは逃さない。
これだ。
詩暢ちゃんと同じ静かな取り。
無駄な緊張や力みが無いから
肘から下の力が適度に抜けて軽いんだ。
試合が始まってからも残っていた問が解消され
ようやく気にかかることが無くなった。
攻めるよ。
自陣友札《 なげき 》《 なげけ 》、
渡れるよう浮かせていたけど
分けるに越したことはないと《 なげき 》を送る。
” な ” ヒュ…
” にわえ ” シュッ
敵陣《 なにし 》を攻めて
自陣《 なにわえ 》に素早く戻る。
北央のモッチー先生が言ってた、
戻り手は引く時に切れる日本刀のイメージ。
” きみ ” バッ
” がため はるののにいでて わかなつむー ”
また敵陣大山札…。
下段内側を左手で囲われると
右利きからは崩しにくい。
それを分かった上でのこの配置。
やっぱり詩暢ちゃん、甘くない。
” おお ” ヒュッ
” え ” トッ…
” やまー ”
…っ、
速い…。
自陣《 おおこ 》《 おおえ 》の順に
渡るつもりが間に合わなかった。
詩暢ちゃんは真っ直ぐと《 おおえ 》に触れた。
耳では私の方が早く捕らえているはずなのに…。
流れが来ない。
きつい。
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” わた ” バッ
” のはら こぎいでてみれば ひさかたのー ”
1枚目から大山札。
詩暢ちゃんは大山札への間合いも
ぴたりと合わせて取る。
私の右手から一番遠い右下段、抜くのは難しい。
早くも冷や汗が頬を伝い、ぐっと息を呑んだ。
そういえば詩暢ちゃんの陣、配置が少し変わってる。
京都で闘った時は一字決まりは
右下段に固めて私から遠ざけていたのに、
今日は左下段に《 せ 》《 さ 》を置いてる。
右下段には《 む 》の1枚。
前回の ” 攻めさせない ” スタイルではないのは
私より速く取るという自信の表れだろうか。
得意札《 しの 》がいつも左上段なのは
相手への挑発か撹乱か…いや
もはやポリシーなのかもしれない。
” ” トン…ッ
” むらさめのー ”
「…速っ……。」
「なに?《 む 》だった…?」
敵陣右下段。
どこに置こうと一字決まりは逃さない。
これだ。
詩暢ちゃんと同じ静かな取り。
無駄な緊張や力みが無いから
肘から下の力が適度に抜けて軽いんだ。
試合が始まってからも残っていた問が解消され
ようやく気にかかることが無くなった。
攻めるよ。
自陣友札《 なげき 》《 なげけ 》、
渡れるよう浮かせていたけど
分けるに越したことはないと《 なげき 》を送る。
” な ” ヒュ…
” にわえ ” シュッ
敵陣《 なにし 》を攻めて
自陣《 なにわえ 》に素早く戻る。
北央のモッチー先生が言ってた、
戻り手は引く時に切れる日本刀のイメージ。
” きみ ” バッ
” がため はるののにいでて わかなつむー ”
また敵陣大山札…。
下段内側を左手で囲われると
右利きからは崩しにくい。
それを分かった上でのこの配置。
やっぱり詩暢ちゃん、甘くない。
” おお ” ヒュッ
” え ” トッ…
” やまー ”
…っ、
速い…。
自陣《 おおこ 》《 おおえ 》の順に
渡るつもりが間に合わなかった。
詩暢ちゃんは真っ直ぐと《 おおえ 》に触れた。
耳では私の方が早く捕らえているはずなのに…。
流れが来ない。
きつい。
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