第八章*
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フッ……………
「え?」
「なに?」
突然会場の照明が落ち薄暗くなる。
「わっ、すみません!すみません!」
どうやらギャラリーの1人が
うっかり背中でスイッチを押してしまったようで
またすぐに明るくなった。
思わぬアクシデントで顔を上げた千早と目が合う。
太一と宮内先生は千早を応援してるだろう。
でも私は千早と詩暢ちゃん、
どちらの味方でもないよ。
でも見てるから。
柄にも無く不安に歪んだ顔をする千早に
目でそう訴えた。
太一に促されて何となく会場に入って
何となく観戦するだけのつもりだったのに、
いつの間にか魅入っている自分がいる。
私の知ってる千早は、
まだまだこんなものじゃないよ。
自分をしっかり持って。
気持ちで負けないで。
千早「失礼します。」
千早が須藤さんばりに偉そうに立って
詩暢ちゃんを見据える。
千早「失礼しました。」
千早の瞳に光が戻った。
よし、なんとか持ち直した。
原田先生の教え通りなら
たぶん敵陣奥を抜きたい筈。
” ” ビュッ
” ふ ” ドッ
” くからにー ”
ぞくりと身体が震えた。
詩暢ちゃんの利き手側…
千早が敵陣左下段の一字決まりを抜いた。
F音で反応し《 ふ 》になると同時に払う。
今の速さはもはや私のそれと遜色無い。
送り札は《 ちは 》。
隣にいる太一は目を見開いて拳を握ってる。
うん、見てる方がドキドキする試合だよね。
” ち ” ダダンッ
” はやぶるー ”
送り一発、詩暢ちゃん相手に連取。
流れが千早に傾いてきた。
…う、待て、詩暢ちゃん、怒ってる!
物凄い形相で千早を睨む詩暢ちゃんが恐ろしく苦笑する。
” きみがためはるののにいでてわかなつむー ”
” あさぼらけありあけのつきとみるまでにー ”
千早の苦手な大山札が続いて
流れは再び詩暢ちゃんへ。
詩暢ちゃんは簡単に流れ渡す程甘くないか。
返り咲いたクイーンスマイルが更に恐ろしい。
でも
もう場の札は30枚も無い。
決まり字が変化して
千早の得意な一字・二字決まりだらけになる。
太一「…行け、千早…っ。」
微かな吐息のような声で太一が呟いた。
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フッ……………
「え?」
「なに?」
突然会場の照明が落ち薄暗くなる。
「わっ、すみません!すみません!」
どうやらギャラリーの1人が
うっかり背中でスイッチを押してしまったようで
またすぐに明るくなった。
思わぬアクシデントで顔を上げた千早と目が合う。
太一と宮内先生は千早を応援してるだろう。
でも私は千早と詩暢ちゃん、
どちらの味方でもないよ。
でも見てるから。
柄にも無く不安に歪んだ顔をする千早に
目でそう訴えた。
太一に促されて何となく会場に入って
何となく観戦するだけのつもりだったのに、
いつの間にか魅入っている自分がいる。
私の知ってる千早は、
まだまだこんなものじゃないよ。
自分をしっかり持って。
気持ちで負けないで。
千早「失礼します。」
千早が須藤さんばりに偉そうに立って
詩暢ちゃんを見据える。
千早「失礼しました。」
千早の瞳に光が戻った。
よし、なんとか持ち直した。
原田先生の教え通りなら
たぶん敵陣奥を抜きたい筈。
” ” ビュッ
” ふ ” ドッ
” くからにー ”
ぞくりと身体が震えた。
詩暢ちゃんの利き手側…
千早が敵陣左下段の一字決まりを抜いた。
F音で反応し《 ふ 》になると同時に払う。
今の速さはもはや私のそれと遜色無い。
送り札は《 ちは 》。
隣にいる太一は目を見開いて拳を握ってる。
うん、見てる方がドキドキする試合だよね。
” ち ” ダダンッ
” はやぶるー ”
送り一発、詩暢ちゃん相手に連取。
流れが千早に傾いてきた。
…う、待て、詩暢ちゃん、怒ってる!
物凄い形相で千早を睨む詩暢ちゃんが恐ろしく苦笑する。
” きみがためはるののにいでてわかなつむー ”
” あさぼらけありあけのつきとみるまでにー ”
千早の苦手な大山札が続いて
流れは再び詩暢ちゃんへ。
詩暢ちゃんは簡単に流れ渡す程甘くないか。
返り咲いたクイーンスマイルが更に恐ろしい。
でも
もう場の札は30枚も無い。
決まり字が変化して
千早の得意な一字・二字決まりだらけになる。
太一「…行け、千早…っ。」
微かな吐息のような声で太一が呟いた。
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