第八章*
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新の膝の上で眠る千早と
それを含みのある眼差しで見つめる新ー…。
小刻みに震える身体を両手でめいっぱい抱えて
その場にぺたりと座り込む。
苦しさが声にもならずに喉に詰まり、
ただ見開いた目から大きな雫が
いくつもいくつも零れていく。
辛くて悲しくて苦しくて痛い。
これが恋なんだ。
新「…熱い……こんな熱で…。
千早は…真っ直ぐなままなんやな……。」
聞きたくなくても聞こえてしまう
千早にかけられる新の言葉。
サラリと髪を撫でる音が更に私を追い詰めた。
病人にすらも妬ましさを感じる自分が
酷く醜く滑稽。
いま私の中にあるのは黒そのもので
たちの悪いこの感情になす術などない。
離れた場所から宮内先生の声がして
すくりとその場を立つと掌で涙を拭った。
先生と奏ちゃんママの姿が見えると
充血した目を隠すよう顔を伏したまま
手に持ったペットボトルを突き出す。
NAME1「起きたら渡してください。
私、会場に戻りますね。」
宮内「え、ええ。
これから病院へ行くので
他の皆さんのこと頼むわね。」
NAME1「はい。」
先生の顔も見ずに背を向けて
きっと不審がられたに違いない。
会場へ向かう途中
お手洗いに寄り冷たい水で顔を洗った。
ただ心を空っぽにするしかなくて
鏡に映った自らの姿を見据える。
涙はもう出なかった。
不思議なことに
先程の惑乱した精神状態とは打って変わって
至極落ち着いている。
扉の前でゆっくりと瞬きをして
そっと会場に足を踏み入れると
既に試合は終了したようだった。
太一「NAME1!」
NAME1「結果は?」
奏「勝ちましたよ!」
NAME1「そう。」
奏「千早ちゃん大丈夫なんですか?」
NAME1「これから先生が病院に」
太一「…おいNAME1、どうした?」
何かひっかかるところがあったのか
太一が表情を険しくする。
NAME1「なんもないよ。
それより二回戦すぐでしょ?
オーダー決めよう。」
机「綾瀬の為にも勝ち上がろう!」
肉まん「おう!」
熱く燃える仲間たちの中
私は一人、表情も作れずに
淡々と言葉を紡いでいた。
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新の膝の上で眠る千早と
それを含みのある眼差しで見つめる新ー…。
小刻みに震える身体を両手でめいっぱい抱えて
その場にぺたりと座り込む。
苦しさが声にもならずに喉に詰まり、
ただ見開いた目から大きな雫が
いくつもいくつも零れていく。
辛くて悲しくて苦しくて痛い。
これが恋なんだ。
新「…熱い……こんな熱で…。
千早は…真っ直ぐなままなんやな……。」
聞きたくなくても聞こえてしまう
千早にかけられる新の言葉。
サラリと髪を撫でる音が更に私を追い詰めた。
病人にすらも妬ましさを感じる自分が
酷く醜く滑稽。
いま私の中にあるのは黒そのもので
たちの悪いこの感情になす術などない。
離れた場所から宮内先生の声がして
すくりとその場を立つと掌で涙を拭った。
先生と奏ちゃんママの姿が見えると
充血した目を隠すよう顔を伏したまま
手に持ったペットボトルを突き出す。
NAME1「起きたら渡してください。
私、会場に戻りますね。」
宮内「え、ええ。
これから病院へ行くので
他の皆さんのこと頼むわね。」
NAME1「はい。」
先生の顔も見ずに背を向けて
きっと不審がられたに違いない。
会場へ向かう途中
お手洗いに寄り冷たい水で顔を洗った。
ただ心を空っぽにするしかなくて
鏡に映った自らの姿を見据える。
涙はもう出なかった。
不思議なことに
先程の惑乱した精神状態とは打って変わって
至極落ち着いている。
扉の前でゆっくりと瞬きをして
そっと会場に足を踏み入れると
既に試合は終了したようだった。
太一「NAME1!」
NAME1「結果は?」
奏「勝ちましたよ!」
NAME1「そう。」
奏「千早ちゃん大丈夫なんですか?」
NAME1「これから先生が病院に」
太一「…おいNAME1、どうした?」
何かひっかかるところがあったのか
太一が表情を険しくする。
NAME1「なんもないよ。
それより二回戦すぐでしょ?
オーダー決めよう。」
机「綾瀬の為にも勝ち上がろう!」
肉まん「おう!」
熱く燃える仲間たちの中
私は一人、表情も作れずに
淡々と言葉を紡いでいた。
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