第八章*
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- 新side -
やっぱ道間違えた…。
鞄から地図を取り出しガサゴソと広げる。
駅前の案内見て進んだのに
一体どこから間違えてもたんやろ。
なんべんも来てる筈やのに。
…ずっとじいちゃんの車やったで。
ー…
『じいちゃん見てた?
最後の大山札、囲い上手になったやったろ?』
『あぁ見てたよ。
じいちゃんの特訓のおかげやの、ははは。』
トロフィーを抱える幼い俺に
ほんな言葉をかけながら
優しい目で喜んでくれたじいちゃん。
あの時の笑顔が今も鮮明に浮かんでくる。
倒れて麻痺が残っても
じいちゃんはじいちゃんやった。
左手でもかるた取れるようなる言うて
リハビリにも積極的やったし
かるたを諦めてえんかった。
『のぉじいちゃん、名人戦てどんな感じ?
じいちゃんでも緊張するんか?』
『全然。ほんでも試合前に写真撮られたり
ちょっとスターになったみたいやわ。』
『へぇー。』
『新。イメージしてみるんや。
あの場所にいる自分。
ライトが煌々と熱くて、
ぎょうさんの人がこっち見てる。
目の前には最強の名人。
畳を叩く音だけがする近江勧学館。
…勝つ自分。』
じいちゃんの口癖やった ” イメージ ” 。
俺がいつも心に置いてる宝物や。
俺が中学の頃、認知症を発症して
俺のこともかるたのこともわからんくなって
初めてじいちゃんがじいちゃんでないと思った。
じいちゃんの中から
俺との思い出が全部消えてもたと思うと
悔しくて悲しくて当たる場所も無うて辛かった。
ほやけど希望を捨てずに介護をして
かるたも中々できんくて
嫌味言われたこともあったな。
福井大会の日、
突然じいちゃん記憶戻して
大会行けって怒られて
はよA級に上がりたかった俺は
じいちゃん残して家を出た。
じいちゃんがえんくなってどん底やった時
何も言わんでNAME1がそばにいてくれた。
正直鬱陶しく思ったこともあった。
でもNAME1はずっと無言で支え続けてくれた。
じいちゃんに教わった大切なかるたを
NAME1がえんかったら俺は辞めてたかもしれんで
NAME1には本当に感謝してるんや。
ー…
あかん。
もう1回戦始まる頃や。
急がんと…。
- 新side - end.
- 新side -
やっぱ道間違えた…。
鞄から地図を取り出しガサゴソと広げる。
駅前の案内見て進んだのに
一体どこから間違えてもたんやろ。
なんべんも来てる筈やのに。
…ずっとじいちゃんの車やったで。
ー…
『じいちゃん見てた?
最後の大山札、囲い上手になったやったろ?』
『あぁ見てたよ。
じいちゃんの特訓のおかげやの、ははは。』
トロフィーを抱える幼い俺に
ほんな言葉をかけながら
優しい目で喜んでくれたじいちゃん。
あの時の笑顔が今も鮮明に浮かんでくる。
倒れて麻痺が残っても
じいちゃんはじいちゃんやった。
左手でもかるた取れるようなる言うて
リハビリにも積極的やったし
かるたを諦めてえんかった。
『のぉじいちゃん、名人戦てどんな感じ?
じいちゃんでも緊張するんか?』
『全然。ほんでも試合前に写真撮られたり
ちょっとスターになったみたいやわ。』
『へぇー。』
『新。イメージしてみるんや。
あの場所にいる自分。
ライトが煌々と熱くて、
ぎょうさんの人がこっち見てる。
目の前には最強の名人。
畳を叩く音だけがする近江勧学館。
…勝つ自分。』
じいちゃんの口癖やった ” イメージ ” 。
俺がいつも心に置いてる宝物や。
俺が中学の頃、認知症を発症して
俺のこともかるたのこともわからんくなって
初めてじいちゃんがじいちゃんでないと思った。
じいちゃんの中から
俺との思い出が全部消えてもたと思うと
悔しくて悲しくて当たる場所も無うて辛かった。
ほやけど希望を捨てずに介護をして
かるたも中々できんくて
嫌味言われたこともあったな。
福井大会の日、
突然じいちゃん記憶戻して
大会行けって怒られて
はよA級に上がりたかった俺は
じいちゃん残して家を出た。
じいちゃんがえんくなってどん底やった時
何も言わんでNAME1がそばにいてくれた。
正直鬱陶しく思ったこともあった。
でもNAME1はずっと無言で支え続けてくれた。
じいちゃんに教わった大切なかるたを
NAME1がえんかったら俺は辞めてたかもしれんで
NAME1には本当に感謝してるんや。
ー…
あかん。
もう1回戦始まる頃や。
急がんと…。
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