第八章*
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” わがそではー ”
カンッ
千早「ひあっ!誰が置いたのあんなとこ!」
優勝トロフィーに払った札が当たりグラついた。
ここがいいかな…いやこっちか……
呟きながらトロフィーを移動させる千早。
その間試合が中断されていることに
痺れを切らして太一が声をかける。
太一「おいキャプテン。
大事なのはわかるけどいい加減にしろ。」
千早「…う。」
NAME1「暗くなってきたね。電気つけるよ。」
立ち上がり古びた壁のスイッチに手をかけると
かなちゃんが窓の外を見つめながら口を開いた。
奏「《 茜指す 紫野行き標野行き
野守は見ずや 君が袖振る 》ー…。」
太・千・肉・机「「「 へ? 」」」
奏「あっ、すみません。
これ私が一番好きな歌で…。」
NAME1「万葉集の額田王だよね?」
中学で習ったのをたまたま
覚えていたからそう言うと、
ぱあっと頬を染めて笑顔を見せるかなちゃん。
奏「そうです、NAME1ちゃん!
…夫である天智天皇の領内で
元夫の大海人皇子が自分に手を振っていることを
守衛の者に見咎められないか、
嬉しいけどハラハラした気持ちを表したもので…
忍んで近くに来た元夫にドキドキする。
心は昔も今も変わらないですね……。
……あっ!私ったらまたこんな蘊蓄を…!」
千早「いやー、かなちゃん物知りだなー。」
かなちゃんの歌を愛する気持ちが
ひしひしと伝わる。
奏「私ももう《ありま》とか
《あきの》とか言うの慣れちゃいましたけど、
近江神宮でだってすごくすごく勝ちたいですけど、
かるたが ”歌” であることを忘れたくないんです。」
夕焼けの茜色に染められ、
穏やかな表情で語るかなちゃんの心には
しっかりしたと固い芯があって。
競技かるたを始めて
かなちゃんも変わったと思っていたけど
信念は変わらない。
こういうかるたの愛し方もあるんだね。
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” わがそではー ”
カンッ
千早「ひあっ!誰が置いたのあんなとこ!」
優勝トロフィーに払った札が当たりグラついた。
ここがいいかな…いやこっちか……
呟きながらトロフィーを移動させる千早。
その間試合が中断されていることに
痺れを切らして太一が声をかける。
太一「おいキャプテン。
大事なのはわかるけどいい加減にしろ。」
千早「…う。」
NAME1「暗くなってきたね。電気つけるよ。」
立ち上がり古びた壁のスイッチに手をかけると
かなちゃんが窓の外を見つめながら口を開いた。
奏「《 茜指す 紫野行き標野行き
野守は見ずや 君が袖振る 》ー…。」
太・千・肉・机「「「 へ? 」」」
奏「あっ、すみません。
これ私が一番好きな歌で…。」
NAME1「万葉集の額田王だよね?」
中学で習ったのをたまたま
覚えていたからそう言うと、
ぱあっと頬を染めて笑顔を見せるかなちゃん。
奏「そうです、NAME1ちゃん!
…夫である天智天皇の領内で
元夫の大海人皇子が自分に手を振っていることを
守衛の者に見咎められないか、
嬉しいけどハラハラした気持ちを表したもので…
忍んで近くに来た元夫にドキドキする。
心は昔も今も変わらないですね……。
……あっ!私ったらまたこんな蘊蓄を…!」
千早「いやー、かなちゃん物知りだなー。」
かなちゃんの歌を愛する気持ちが
ひしひしと伝わる。
奏「私ももう《ありま》とか
《あきの》とか言うの慣れちゃいましたけど、
近江神宮でだってすごくすごく勝ちたいですけど、
かるたが ”歌” であることを忘れたくないんです。」
夕焼けの茜色に染められ、
穏やかな表情で語るかなちゃんの心には
しっかりしたと固い芯があって。
競技かるたを始めて
かなちゃんも変わったと思っていたけど
信念は変わらない。
こういうかるたの愛し方もあるんだね。
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