第七章*
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肉まん「ちょっと待った。」
肉まんくんの顕著な声に
どきりと心臓が跳ねる。
太一「どうした西田。」
みんなが足を止め肉まんくんを振り返り
私は覚悟を決めて制服の袖を握りしめた。
肉まん「言わなきゃいけないことがあってさ。」
私の顔をじっと見て言う肉まんくん。
変な汗が背中を伝う。
肉まん「…NAME1。」
痛い程にどくどくと脈打ちながら
血が全身を駆け巡った。
肉まん「…この間ごめんな。
俺、逃げてただけだった。」
予想に反した肉まんくんの言葉に
意表を付かれて返事ができない。
肉まん「俺さ、小学生の時は
本気でかるた頑張ってた。
でも毎年NAME1と綿谷新が上にいて。
おまえらのこと天才だと思ってたから
結局適う訳ないんだって、諦めたんだ。」
身体が小刻みに震えて視界が歪んでくる。
それを堪えて、ひと時も私から
目を逸らさない肉まんくんを見つめた。
肉まん「でもおまえは天才なんじゃなかった。
俺なんかよりずっと努力してたんだ。
…この間、それに気づいてさ、
俺、中学ではテニスで、かるたサボってたし
なんか変な焦りが湧いてさ。」
暗鬱としていた気持ちが
肉まんくんの想いを聞くごとに
少しずつ少しずつ薄らいでいく。
肉まん「みんなも、ごめん。
俺みんなが一生懸命やってるの見て
なんでそんなに必死なんだって、
冷めた目で見てたとこあったんだ。
でも……、
頑張るのが悪いなんてことは絶対にないんだ。
俺ももう一度、本気でかるたやりたい。」
太一「西田…。」
千早「肉まんくん…。」
肉まん「NAME1、
おまえの相手は今の俺じゃ務まらないし
白波会に行った方が良い練習ができると思う。
だけど…
俺、おまえと張れるように頑張るから!
たまには部活来て俺に教えてくれよ。」
NAME1「……うん…うん……っ。」
一度緩んだ涙腺は締まることなく
熱い涙を溢れさせた。
肉まん「改めて、よろしくお願いします。」
私たちみんなに向かって
深々と頭を下げる肉まんくん。
その想いの強さに
全員が揺さぶられ感涙にむせぶ。
奏「顔を上げてください、肉まんくん。」
机「一緒に頑張ろう。」
千早「わーん、肉まんくーん!」
太一「ははっ。」
ふんわりと場が和んで、
やっと全てのピースが綺麗に嵌ったよう。
NAME1「肉まんくん、ありがとう。」
涙を拭いながらそう言った私の心は
すっかり雲が散って爽やかに澄んでいた。
目映い初夏の陽光に照り焦がされてー…。
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肉まん「ちょっと待った。」
肉まんくんの顕著な声に
どきりと心臓が跳ねる。
太一「どうした西田。」
みんなが足を止め肉まんくんを振り返り
私は覚悟を決めて制服の袖を握りしめた。
肉まん「言わなきゃいけないことがあってさ。」
私の顔をじっと見て言う肉まんくん。
変な汗が背中を伝う。
肉まん「…NAME1。」
痛い程にどくどくと脈打ちながら
血が全身を駆け巡った。
肉まん「…この間ごめんな。
俺、逃げてただけだった。」
予想に反した肉まんくんの言葉に
意表を付かれて返事ができない。
肉まん「俺さ、小学生の時は
本気でかるた頑張ってた。
でも毎年NAME1と綿谷新が上にいて。
おまえらのこと天才だと思ってたから
結局適う訳ないんだって、諦めたんだ。」
身体が小刻みに震えて視界が歪んでくる。
それを堪えて、ひと時も私から
目を逸らさない肉まんくんを見つめた。
肉まん「でもおまえは天才なんじゃなかった。
俺なんかよりずっと努力してたんだ。
…この間、それに気づいてさ、
俺、中学ではテニスで、かるたサボってたし
なんか変な焦りが湧いてさ。」
暗鬱としていた気持ちが
肉まんくんの想いを聞くごとに
少しずつ少しずつ薄らいでいく。
肉まん「みんなも、ごめん。
俺みんなが一生懸命やってるの見て
なんでそんなに必死なんだって、
冷めた目で見てたとこあったんだ。
でも……、
頑張るのが悪いなんてことは絶対にないんだ。
俺ももう一度、本気でかるたやりたい。」
太一「西田…。」
千早「肉まんくん…。」
肉まん「NAME1、
おまえの相手は今の俺じゃ務まらないし
白波会に行った方が良い練習ができると思う。
だけど…
俺、おまえと張れるように頑張るから!
たまには部活来て俺に教えてくれよ。」
NAME1「……うん…うん……っ。」
一度緩んだ涙腺は締まることなく
熱い涙を溢れさせた。
肉まん「改めて、よろしくお願いします。」
私たちみんなに向かって
深々と頭を下げる肉まんくん。
その想いの強さに
全員が揺さぶられ感涙にむせぶ。
奏「顔を上げてください、肉まんくん。」
机「一緒に頑張ろう。」
千早「わーん、肉まんくーん!」
太一「ははっ。」
ふんわりと場が和んで、
やっと全てのピースが綺麗に嵌ったよう。
NAME1「肉まんくん、ありがとう。」
涙を拭いながらそう言った私の心は
すっかり雲が散って爽やかに澄んでいた。
目映い初夏の陽光に照り焦がされてー…。
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