第六章*
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栗山「若宮クイーン相手に健闘したのー。」
村尾「NAME1ちゃん、俺とやろっさ。」
NAME1「えっ、村尾さんと?
どうしよ新…心折られそう…。」
新「村尾さんは強いで頑張り。」
持ってきたジャージを履いて
村尾さんの向かいに座る。
わくわくするような、どきどきするような
異様な緊張が身体中に蔓延った。
「「よろしくお願いします。」」
すうっと息を整え耳を尖らせる。
” なにわづに さくやこのはな ふゆごもり
いまをはるべと さくやこのはな ”
ー………
ー………
NAME1「…………ぐすっ……。」
一字決まりは抜けても、
初めて実戦で使ってみた覚えたての渡り手は
まだまだ通用しなかった。
新「NAME1、鼻出てるで拭き…。」
NAME1「村尾さん怖いよおぉお。」
村尾「何言うてるんや、たった6枚差やろ。
NAME1ちゃんのが怖いわ…。」
村尾さんは2年前、準名人位に立った人だ。
簡単に勝たせてもらえる訳ないけど。
でも相手が誰でも負けたら悔しい!
ずびずびとティッシュを大量消費していると
村尾さんが真剣な面持ちで話し始めた。
村尾「NAME1ちゃん、クイーンとの試合見て、
俺ともやって、なんか気づかんかったか?」
NAME1「え?なんだろ…。」
栗山「苦手があるよねぇ。」
NAME1「あ、自陣左下段。」
村尾「ほうや。
典型的な右利きの苦手パターンや。」
NAME1「で、でも、
得意札は左下段には置かないようにしてるし…。」
村尾「…甘い!
それなりの奴相手に捨て札なんてあったらあかん。
全部取ったる勢いで臨まんと。
そこがクイーンとも違うんやないか?」
厳しい村尾さんの言葉に唇を噛み締める。
だけど私の為に言ってくれてるんだ。
拳に力を入れて頭に思考を巡らせた。
左下段の配置を減らして右に寄せるか…。
いやそれだと左利きの相手には
取りやすくなりリスクが上がってしまう。
特に、詩暢ちゃんが相手なら
向こうの利き手に近くなればなる程不利になる。
じゃあ自陣左下段でも取れるようになるしか…。
どうすれば…。
NAME1「あっ!」
『 膝を軸に 』『 視野を広く 』
『 NAME1は腕のリーチがあるで 』
新の言葉がよぎる。
座る位置と体勢。
重心と視野をコントロールするんだ。
またひとつ自分の弱点を知り
更なる成長の足掛かりができた。
優しい眼差しで私を見つめて微笑む新に
後押しされて希望が湧いてくる。
今まで何度新に救われただろう。
何度新の笑顔に安心しただろう。
私にとって、新がいつの間にか
誰にも替えられない大切な存在に
なっていることに気づくと、
ふわっと風に心を奪われたように
愛という感情の意味を理解した。
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栗山「若宮クイーン相手に健闘したのー。」
村尾「NAME1ちゃん、俺とやろっさ。」
NAME1「えっ、村尾さんと?
どうしよ新…心折られそう…。」
新「村尾さんは強いで頑張り。」
持ってきたジャージを履いて
村尾さんの向かいに座る。
わくわくするような、どきどきするような
異様な緊張が身体中に蔓延った。
「「よろしくお願いします。」」
すうっと息を整え耳を尖らせる。
” なにわづに さくやこのはな ふゆごもり
いまをはるべと さくやこのはな ”
ー………
ー………
NAME1「…………ぐすっ……。」
一字決まりは抜けても、
初めて実戦で使ってみた覚えたての渡り手は
まだまだ通用しなかった。
新「NAME1、鼻出てるで拭き…。」
NAME1「村尾さん怖いよおぉお。」
村尾「何言うてるんや、たった6枚差やろ。
NAME1ちゃんのが怖いわ…。」
村尾さんは2年前、準名人位に立った人だ。
簡単に勝たせてもらえる訳ないけど。
でも相手が誰でも負けたら悔しい!
ずびずびとティッシュを大量消費していると
村尾さんが真剣な面持ちで話し始めた。
村尾「NAME1ちゃん、クイーンとの試合見て、
俺ともやって、なんか気づかんかったか?」
NAME1「え?なんだろ…。」
栗山「苦手があるよねぇ。」
NAME1「あ、自陣左下段。」
村尾「ほうや。
典型的な右利きの苦手パターンや。」
NAME1「で、でも、
得意札は左下段には置かないようにしてるし…。」
村尾「…甘い!
それなりの奴相手に捨て札なんてあったらあかん。
全部取ったる勢いで臨まんと。
そこがクイーンとも違うんやないか?」
厳しい村尾さんの言葉に唇を噛み締める。
だけど私の為に言ってくれてるんだ。
拳に力を入れて頭に思考を巡らせた。
左下段の配置を減らして右に寄せるか…。
いやそれだと左利きの相手には
取りやすくなりリスクが上がってしまう。
特に、詩暢ちゃんが相手なら
向こうの利き手に近くなればなる程不利になる。
じゃあ自陣左下段でも取れるようになるしか…。
どうすれば…。
NAME1「あっ!」
『 膝を軸に 』『 視野を広く 』
『 NAME1は腕のリーチがあるで 』
新の言葉がよぎる。
座る位置と体勢。
重心と視野をコントロールするんだ。
またひとつ自分の弱点を知り
更なる成長の足掛かりができた。
優しい眼差しで私を見つめて微笑む新に
後押しされて希望が湧いてくる。
今まで何度新に救われただろう。
何度新の笑顔に安心しただろう。
私にとって、新がいつの間にか
誰にも替えられない大切な存在に
なっていることに気づくと、
ふわっと風に心を奪われたように
愛という感情の意味を理解した。
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