「思い出なんかいら…いやいるやろ!」
マネちゃんおなまえへんかん
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ー春。それは新学期の季節。クラス発表の紙を今か今かと待ちわびる人物が1人いた。稲荷崎高校バレー部マネージャー、彼方蒼空である。彼女がなぜ、これ程クラス発表を待ちわびているのか。それはバレー部のあキャプテンである北信介とクラスが2年間一緒だったからだ。
中学生の頃からバレー部のマネージャーとして一通り頑張っていた蒼空。高校でもマネージャーをやるか悩んだが、自分が進学した稲荷崎が強豪ということもあって「私にそんな強豪のマネージャーを務めることができるのか。」と考え始め、結局、部結成の日には帰宅部として申請し、マネージャーをすることを諦めた。その次の日。学校に登校して席に着くと、「なあ」と声を掛けられた。それがのちにバレー部のキャプテンである北信介だった。
「なに?えーっと、名前なんやったっけ、」
「北や」
「あー、そうそう北くん!私になんか用?」
「なんでお前バレー部マネージャーやらへんの?」
「…っえ?なんて?」
「だからなんでマネージャーやらへんの?」
"バレー部のマネージャー"。なんでコイツがそんなことを知っているのだろう。私と一緒の中学でここ稲荷崎には来た子は居ないし、そもそも私が務めていたバレー部はそんなに強くなかった。だから知っている人もそんなに居ないのだ。だけどどうして、目の前のコイツは知っているのか。謎が深まるばかりだ。
「なんで私がマネージャーしとったこと知っとるん…?弱小校やったやろ?」
「…県大会で初戦で当たったんやお前んとこと。それで選手励ましとったり、ベンチの中でも応援しとる姿見て俺もあんなマネ欲しいと思ったんや。それで探しとったらここ稲荷崎におって同じクラスやで逃したらあかんって思ってな。やのに昨日の部結成の日にマネ志望なんておらへんって先輩の話聞いてな。今お前に話しとるってわけや。」
彼の目は逃さんと言わんばかりに真剣で逃げられなかった。
「…でも、私にそんな強豪のマネ務まると思わへんし…」
「なんも1人でせえって言っとらへん。俺も他の奴らもちゃんと手伝ったるし、サポートしたる。だからマネージャーやってくれへんか。 」
「……んぐぐぐ」
「なんやその声」
「…悩んどる声や!どうしよ…」
「そこまで悩むもんなんか?」
「悩むに決まっとるやん…!不安やもん…」
「わかった。じゃあ、明日の学力テストで俺に勝ったらマネージャーになってや。負けへんからな。」
「…なにもわかったちゃうけど!?これでも私結構賢いから負けへんでな!」
「ああーっ!なんでまた信介とクラス一緒やねん!なんでや!私悪いことしたんか!アランとが良かった…!!」
「俺に矛先向けんなや…まあまあええやん運命やって思っとき」
「そんな運命いらんわ!アラン!私とクラス替えよー…」
「そんなんで替われるかアホ」
ーあれから学力テストを僅差で北に負けてしまった蒼空は、北の約束通りにマネージャーになった。最初は覚えることが多くて大変だった。スポドリの濃さや洗濯機の場所、そして干す時間や、ノートの付け方。何回も「辞めたい」って思うこともあった。だけど蒼空がそうしなかったのは北をはじめとする1年生が全面的に蒼空を手伝っていたからだ。それから彼女は彼らに教えてもらいながら学び、成長し、自分で多くのことをできるようになった。あれから2年。もう先輩は卒業し、自分たちを慕う後輩ができ、自分たちが最高学年になった。一緒に居られるのもあと1年。本当に時が経つのは早いものである。
「もう勘弁してや……信介離れしたいねん……」
「なんや?反抗期か?」
「そう、私な、信介ママ離れしたいんや」
「フハッ…アイツが母親か!…確かにお前は反抗期の息子みたいやな!じゃあ俺のポジションどこや?」
「近所の兄ちゃん」
「なんか現実的やな」
「だって兄ちゃんっぽいやんアラン。てかはよこんな茶番ええからアラン一緒にせんせーに文句言いに行こや!もう私信介と一緒は嫌!って!はよ恐ろしい信介来る前に言いに行きたいねん!」
「残念やなあ蒼空後ろ見てみ」
「…もしかして…」
「こんなギャーギャーうるさいの産んだ覚えないし、俺はお前のオカンでもないわアホ。」
「…なんでこういう時に限って来んねん…!!」
「ほらもうHR始まるで。アラン困らせたらアカンやろ。はよ教室入れ。」
「ちぇっ…わかった!入るて!そんなに威圧せんといてや!もー!」
「ホンマにうるさい奴やな…蒼空は。」
「アランいつもアイツが迷惑かけてすまんな。」
「いつものことやからええで」
「…ちゃんと後で叱っとくで」
「そこまでせんでもええわ!」
ー教室ではまた北信介と一緒になって落胆する蒼空がいた。
「…また一緒かあ……」
「そんなに俺と一緒が嫌か。」
「嫌やって訳ちゃうけど…」
「じゃあなんや。」
「だって信介めっちゃなんでもしてくれるやん…?私助けて貰ってばっかりやからクラス離れたらちゃんと自分でできるとこアピールしよー思ってな」
「ふうん、それやったら一緒でよかったわ」
「なんで?」
「お前のこと教えられるん俺しかおらんやろ。…お前頭は賢いのにちょっと抜けとるからな」
「……」
「…急に黙ってどないしたんや。さっきまでギャーギャー喚いとったのに。」
「ほんまにそういうことサラッと言うところ嫌いやわ……」
「…?」
「…まあええわ。また1年間よろしくな!信介」
「よろしく頼むわ蒼空」
ーそしてもう1人。この2人とクラスが一緒なバレー部員がいた。
「…なんか老夫婦感出しとるけど俺も一緒やからな!忘れんといてや」
「あーっ、練も一緒やったん!よろしくな!」
「忘れてないで。よろしく。」
「おう(絶対忘れとったやろ……)」
________________
ということで新連載スタートしました!
今回は稲荷崎マネのお話です。北さん中心にほのぼのギャグで行きたいと思ってます…!どうぞよろしくお願いします…!!
中学生の頃からバレー部のマネージャーとして一通り頑張っていた蒼空。高校でもマネージャーをやるか悩んだが、自分が進学した稲荷崎が強豪ということもあって「私にそんな強豪のマネージャーを務めることができるのか。」と考え始め、結局、部結成の日には帰宅部として申請し、マネージャーをすることを諦めた。その次の日。学校に登校して席に着くと、「なあ」と声を掛けられた。それがのちにバレー部のキャプテンである北信介だった。
「なに?えーっと、名前なんやったっけ、」
「北や」
「あー、そうそう北くん!私になんか用?」
「なんでお前バレー部マネージャーやらへんの?」
「…っえ?なんて?」
「だからなんでマネージャーやらへんの?」
"バレー部のマネージャー"。なんでコイツがそんなことを知っているのだろう。私と一緒の中学でここ稲荷崎には来た子は居ないし、そもそも私が務めていたバレー部はそんなに強くなかった。だから知っている人もそんなに居ないのだ。だけどどうして、目の前のコイツは知っているのか。謎が深まるばかりだ。
「なんで私がマネージャーしとったこと知っとるん…?弱小校やったやろ?」
「…県大会で初戦で当たったんやお前んとこと。それで選手励ましとったり、ベンチの中でも応援しとる姿見て俺もあんなマネ欲しいと思ったんや。それで探しとったらここ稲荷崎におって同じクラスやで逃したらあかんって思ってな。やのに昨日の部結成の日にマネ志望なんておらへんって先輩の話聞いてな。今お前に話しとるってわけや。」
彼の目は逃さんと言わんばかりに真剣で逃げられなかった。
「…でも、私にそんな強豪のマネ務まると思わへんし…」
「なんも1人でせえって言っとらへん。俺も他の奴らもちゃんと手伝ったるし、サポートしたる。だからマネージャーやってくれへんか。 」
「……んぐぐぐ」
「なんやその声」
「…悩んどる声や!どうしよ…」
「そこまで悩むもんなんか?」
「悩むに決まっとるやん…!不安やもん…」
「わかった。じゃあ、明日の学力テストで俺に勝ったらマネージャーになってや。負けへんからな。」
「…なにもわかったちゃうけど!?これでも私結構賢いから負けへんでな!」
「ああーっ!なんでまた信介とクラス一緒やねん!なんでや!私悪いことしたんか!アランとが良かった…!!」
「俺に矛先向けんなや…まあまあええやん運命やって思っとき」
「そんな運命いらんわ!アラン!私とクラス替えよー…」
「そんなんで替われるかアホ」
ーあれから学力テストを僅差で北に負けてしまった蒼空は、北の約束通りにマネージャーになった。最初は覚えることが多くて大変だった。スポドリの濃さや洗濯機の場所、そして干す時間や、ノートの付け方。何回も「辞めたい」って思うこともあった。だけど蒼空がそうしなかったのは北をはじめとする1年生が全面的に蒼空を手伝っていたからだ。それから彼女は彼らに教えてもらいながら学び、成長し、自分で多くのことをできるようになった。あれから2年。もう先輩は卒業し、自分たちを慕う後輩ができ、自分たちが最高学年になった。一緒に居られるのもあと1年。本当に時が経つのは早いものである。
「もう勘弁してや……信介離れしたいねん……」
「なんや?反抗期か?」
「そう、私な、信介ママ離れしたいんや」
「フハッ…アイツが母親か!…確かにお前は反抗期の息子みたいやな!じゃあ俺のポジションどこや?」
「近所の兄ちゃん」
「なんか現実的やな」
「だって兄ちゃんっぽいやんアラン。てかはよこんな茶番ええからアラン一緒にせんせーに文句言いに行こや!もう私信介と一緒は嫌!って!はよ恐ろしい信介来る前に言いに行きたいねん!」
「残念やなあ蒼空後ろ見てみ」
「…もしかして…」
「こんなギャーギャーうるさいの産んだ覚えないし、俺はお前のオカンでもないわアホ。」
「…なんでこういう時に限って来んねん…!!」
「ほらもうHR始まるで。アラン困らせたらアカンやろ。はよ教室入れ。」
「ちぇっ…わかった!入るて!そんなに威圧せんといてや!もー!」
「ホンマにうるさい奴やな…蒼空は。」
「アランいつもアイツが迷惑かけてすまんな。」
「いつものことやからええで」
「…ちゃんと後で叱っとくで」
「そこまでせんでもええわ!」
ー教室ではまた北信介と一緒になって落胆する蒼空がいた。
「…また一緒かあ……」
「そんなに俺と一緒が嫌か。」
「嫌やって訳ちゃうけど…」
「じゃあなんや。」
「だって信介めっちゃなんでもしてくれるやん…?私助けて貰ってばっかりやからクラス離れたらちゃんと自分でできるとこアピールしよー思ってな」
「ふうん、それやったら一緒でよかったわ」
「なんで?」
「お前のこと教えられるん俺しかおらんやろ。…お前頭は賢いのにちょっと抜けとるからな」
「……」
「…急に黙ってどないしたんや。さっきまでギャーギャー喚いとったのに。」
「ほんまにそういうことサラッと言うところ嫌いやわ……」
「…?」
「…まあええわ。また1年間よろしくな!信介」
「よろしく頼むわ蒼空」
ーそしてもう1人。この2人とクラスが一緒なバレー部員がいた。
「…なんか老夫婦感出しとるけど俺も一緒やからな!忘れんといてや」
「あーっ、練も一緒やったん!よろしくな!」
「忘れてないで。よろしく。」
「おう(絶対忘れとったやろ……)」
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ということで新連載スタートしました!
今回は稲荷崎マネのお話です。北さん中心にほのぼのギャグで行きたいと思ってます…!どうぞよろしくお願いします…!!
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